第88回アカデミー賞6部門にノミネートされた『キャロル』のプロデューサーが贈る最新作『帰らない日曜日』(5月27日公開)で主演を務めたオデッサ・ヤングのインタビュー映像が解禁された。10代~40代を演じ分けた本作の役作りと特殊メイクについて語っている。
本作はノーベル賞作家のカズオ・イシグロ、ニューヨーカー誌、タイム紙などに絶賛された小説「マザリング・サンデー」が原作。舞台は1924年、第一次世界大戦後のイギリス。天涯孤独なメイドのジェーンは英国名家の跡継ぎのポールとの秘密の恋に身も心も捧げるが、たった一日のある出来事が、すべてを変えてしまう。監督は、カンヌ国際映画祭常連のエヴァ・ユッソン。W主演を務めるのは、今大注目の新星女優、オデッサ・ヤングと、大人気ドラマ「ザ・クラウン」で各賞を席巻した人気急上昇中の英国俳優、ジョシュ・オコナー。さらに、『英国王のスピーチ』のコリン・ファースと『女王陛下のお気に入り』のオリヴィア・コールマンという、アカデミー賞受賞俳優の贅沢な共演が実現。絵画のようなイギリスの風景、そして匂い立つエレガントな官能。秘密の恋に陶酔する、眩いほどに美しい愛の物語が誕生した。
天涯孤独のメイドであるジェーンが小説家として成功するまでの生涯を10代・20代・40代の3世代に渡り演じ分け、堂々たる演技を魅せたオデッサ・ヤング。撮影時、22歳だったヤングが40代の女性を演じるのは安易なことではなく、プレッシャーを抱えていたと明かす。「15、6歳から40代の女性を演じるのは初めてでしたし、撮影が始まる2週間前までは役が務まるのかどうか不安でした。感情の振れ幅が激しい本作のような作品で、本当に才能のある人たちに囲まれて演技が出来たことは幸運でした」とヤングが語るように、役作りの大きな手助けになったのが、ナディア・ステイシーによる特殊メイクだ。
ステイシーは、映画『クルエラ』(2021)で第94回アカデミー賞のメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされるなど、近年目覚しい活躍を見せている。40代のジェーンには、やりすぎず、自然体でありながら、時代の経過を感じさせる技巧を凝らしたメイクを施した。ステイシーは「歳をとった登場人物を描くときに、ものすごく老けさせて見せる映画もありますが、人によっては老いてもあまり変わらない人もいます。ヘアメイクは、そのキャラクターにとって何が正しいかを見極めることが大切なのです」と極意を語っている。
今回解禁されたインタビュー映像では、ヤングがステイシーのさりげないメイク術を絶賛しており、自分の母親とそっくりな仕上がりに驚いたという。「特殊メイクはある意味、私を解放してくれました。多くの俳優にとって、自分の顔を忘れられることは大きな転換になります。特殊メイクをしているときは、本来の自分の顔を忘れて、自由に役になりきることが出来る。これは私にとって新しい発見でした。また特殊メイクするのは大歓迎です!(これまでは)自分に似ていない人物を演じたことがありませんでした。本作の“仮面”の存在は大きな力になりました」と、ジェーンのような難しい役どころにアプローチするには、特殊メイクは必要不可欠だったと明かしている。
ヘアメイクだけでなく、煌びやかな衣装、イギリスの豊かな風景に溶け込む美しいセットなど、アカデミー賞常連スタッフが集結した本作ならではの注目ポイントをスクリーンでチェックしてみてみよう。
『帰らない日曜日』は5月27日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開。
帰らない日曜日
2022年5月27日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
STORY
1924年、初夏のように暖かな3月の日曜日。その日はイギリス中のメイドが年に一度の里帰りを許される〈母の日〉。けれどニヴン家で働く孤児院育ちのジェーンに帰る家はなかった。そんな彼女のもと、秘密の関係を続ける隣家の跡継ぎのポールから、無人の邸への誘いが舞い込む。幼馴染のエマとの結婚式を控えるポールは、前祝いの昼食会への遅刻を決め込み、邸の寝室でジェーンと愛し合う。やがてポールは昼食会へと向かい、ジェーンは一人、広大な邸を一糸まとわぬ姿で探索する。だが、ニヴン家に戻ったジェーンを思わぬ知らせが待っていた。今、小説家になったジェーンは振り返る。彼女の人生を永遠に変えた1日のことを──。
監督:エヴァ・ユッソン(「バハールの涙」)
原作:グレアム・スウィフト「マザリング・サンデー」(新潮クレスト・ブックス)
プロデューサー:エリザベス・カールセン、スティーヴン・ウーリー(「キャロル」)
出演:オデッサ・ヤング、ジョシュ・オコナー、コリン・ファース、オリヴィア・コールマン
2021年/イギリス/104分/英語/カラー/5.1ch/原題:Mothering Sunday/日本語字幕:牧野琴子/R-15/後援:ブリティッシュ・カウンシル
配給:松竹
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