オスカー女優ティルダ・スウィントンが語る、ジョージ・ミラー監督とポン・ジュノ監督の共通点「枠組みがあるからこそ自由な演技ができる」

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のジョージ・ミラー監督の待望の最新作『アラビアンナイト 三千年の願い』が2月23日（木・祝）より全国公開。このたび、主演を務めるティルダ・スウィントンのインタビュー映像が解禁された。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で世界中を熱狂の渦に巻き込んだ鬼才ジョージ・ミラー監督最新作は、3000年もの間、幽閉されていた孤独な魔人と、見果てぬ夢を追い求める女性学者とが織りなす、時空を超えた魂の旅の物語。「アラジンと魔法のランプ」で有名なイスラムの説話集「アラビアンナイト」をモチーフに、圧倒的な造形美と絢爛たる色彩美に溢れた壮大な「おとぎ話」の世界を作り上げた。

このたび解禁されたのは、古今東西の物語や神話を研究するナラトロジー＝物語論の専門家アリシア役を演じたティルダ・スウィントンのインタビュー映像。

「1番はジョージ･ミラーが監督を務めること」と出演の決め手について振り返る彼女は、続けて「本作はこれまでの作品とはまったく違う。でも空想というものへの意気込みについては、どこか同じ雰囲気も感じる。初めて台本を読んだ時、まさにジョージ・ミラーの映画だと感じた」と、『ベイブ』『ハッピーフィート』『マッドマックス』シリーズといった様々なテイストの作品を手掛けてきた監督が創り上げる“空想の世界”への一貫性を感じとった様子。

憧れの監督との仕事について聞かれると、「厳格で熟練度が高いのにとても新鮮で自由に感じた。厳しいルールはないけれど、しっかりとした枠組みがある」と回答。ジョージ・ミラー監督の手法は、『スノーピアサー』などで組んだ友人のポン・ジュノ監督と似ていたようで「彼（ジョージ・ミラー）は絵コンテや撮影リストを使っていて、それらの頁が退色するほど使い込んでいる。彼はそうやって何年もかけて確立したものを使って撮影している。こういうやり方をする人を他にも知ってる。映画監督である友人でもあるポン・ジュノ。彼も同じようにコンテを使って撮影する。彼は編集者をそばに置くから、こちらも目指すことが分かる。ジョージも似ている。枠組みがあるからこそ自由が演技ができる」と絶賛する。

作品のテーマについては、「本作が突き進む道筋には、人類や社会の進化といった要素が含まれている」と話し、その中に女性が置かれている境遇や、女性の充足感や願望も描かれていることを明かした。

ティルダ・スウィントンといえば、『コンスタンティン』（14）、『ドクター・ストレンジ』（16）、『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』（20）、『ヒューマン・ボイス』（20）など数々の話題作で個性的な役柄を見事に演じ分け、ひときわ異彩を放つ存在だ。今回は、幼い頃から孤独を愛し、空想の世界に生きてきた物語論の専門家・アリシアという、個性的な役を演じている。今回の役どころについて、「アリシアは現状を受け入れることに必死。物語が好きで物語で感情を見出している。魔人に出会い、願い事を聞かれた時も『願いなんてない』と答える。それを誇らしく思った」と、その魅力を絶賛した。

『アラビアンナイト 三千年の願い』は2月23日（木・祝）　TOHOシネマズ 日比谷ほか 全国ロードショー。