今度のグザヴィエ・ドランは文壇の期待の作家！『幻滅』登場シーン映像解禁　監督「映画監督としても俳優としても尊敬している」

19世紀フランスを代表する文豪、オノレ・ド・バルザックの原作を豪華キャストで映画化した『幻滅』が4月14日（金）公開。このたび、本作に気鋭の作家役で出演しているグザヴィエ・ドラン登場シーンの本編映像が解禁された。

文豪オノレ・ド・バルザックが44歳で書き上げた「人間喜劇」の一編『幻滅̶メディア戦記』を『偉大なるマルグリット』（2015）のグザヴィエ・ジャノリ監督が映画化した本作は、セザール賞において作品賞他、最優秀助演男優賞（ヴァンサン・ラコスト）、有望新人男優賞（バンジャマン・ヴォワザン）を含む最多7冠を受賞しフランス映画界を席巻。200年も前の物語とは思えないほど現代と酷似したメディアの状況を鋭利に描く社会派人間ドラマだ。主演はフランソワ・オゾンの『Summer of 85』で日本でも大きな注目を浴びたバンジャマン・ヴォワザン。

このたび解禁されたのは、社交界にデビューした田舎の純朴な青年リュシアン（バンジャマン・ヴォワザン）と、文壇の期待の新人と言われるナタンが出会うシーン。ナタンを演じるのは、監督としても世界的な人気を誇り、「美しき天才」といわれるグザヴィエ・ドラン。

パリの社交界。美しく着飾った貴婦人たちが振り返り熱い視線を送るのは、文壇の期待の新星と言われる作家、ナタン。優雅な足取りでゆっくりと登場したナタンは、社交界の権威であるデスパール夫人から笑顔で迎えられ「舞台はいかがだった？」との問いに「あなたの美貌でかすんでしまいました」と、甘い言葉を紡ぎ出して婦人を喜ばせる。色気と知識、そして洗練されたスマートさをあわせもつナタンが、田舎からパリに出てきたリュシアンと初対面する。ここから彼がリュシアンのどのような影響を与え、そして関係を結んでゆくのか…？

グザヴィエ・ジャノリ監督は、ナタンという役柄について「リュシアンやルストー（ヴァンサン・ラコスト）とは違い、喜劇的かつメディア的な社会からいかに自分のインスピレーションを守るかを知っている、時代のアイコン的存在」だと説明する。

志の非常に高い作家のナタンを演じるキャストを選ぶにあたり、アイコン的なアーティストが良いと考え「映画監督としても俳優としても尊敬している」というドランを抜擢したという。「とてもピュアなエネルギーと並外れた知性の持ち主」だと賞賛を惜しまない。

撮影現場でのエピソードとして「グザヴィエ・ドランとジェラール・ドパルデューの息が合っているのを見られて心底嬉しかった」と回想する監督は、「ドランが幸せそうに演技と創作に打ち込んでいる姿を見ているだけで、とてつもない力が湧いてきた」とキャストとしてだけではなく、アーティストとして尊敬の念を抱いていることを明かしている。

物語のストーリーテラーを務めているナタン。グザヴィエ・ドランのナレーションとともに、19世紀の生き馬の目を抜くようなパリの都で繰り広げられる極上のエンターテインメントを堪能しよう。

『幻滅』は4月14日（金）ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開。