ペルー映画を専門に上映配給を行っているブエナワイカが企画・主催する「ペルー映画祭」が今秋開催されることが決定した。2021年に続き2回目の開催となる。
ペルー独立200周年の2021年に初めて開催された「ペルー映画祭」は好評を博し全国5都市で開催、2700人以上を動員した。2回目の今回も、ドキュメンタリー、フィクションなど様々ジャンルやテーマの作品を10作品以上一挙上映する。
今年没後60年となるペルーの伝説的詩人ハビエル・エローを描いた『La pasión de Javier(原題)』や2021年アカデミー賞ペルー代表作品『旅するエリスバン』、2018年ベルリン映画祭でジェネレーション14プラス部門国際審査員特別賞とテディ新人賞ダブル受賞作『レタブロ』等を上映。
ドキュメンタリーでは、ペルーのLGBTQ事情に迫る作品『クイーンに沸いた夜』や、昨年劇場公開され話題となった『アンデス、ふたりぼっち』のオスカル・カタコラ監督が撮影を務めた『アルパカと生きる喜び』等を上映する。
これに加え、2023年が日本ペルー外交関係樹立150周年となることを記念し、日本人監督がペルーとの関わりのなかで制作した作品も上映。開催に先駆けて「ペルー映画祭vol.2」を応援するクラウドファンディングも行っている。
上映作品 ※この他の上映作品は随時発表
・『レタブロ』 日本初公開
☆2018年ベルリン国際映画祭ジェネレーション14プラス部門国際審査員特別賞&テディ新人賞
☆アカデミー賞2019国際映画賞ペルー代表
☆Inside Out Toronto LGBT Film Festival | Best First Feature award
監督:アルバロ・デルガド・アパリシオ/出演:マガリ・ソリエル(『悲しみのミルク』、『わたしはここにいる』)
2017年/ペルー/102分/ケチュア語、スペイン語/原題:RETABLO
ペルーの伝統的な民芸品であるレタブロ作りに励む青年は、父親が抱える悲痛な秘密を偶然知り、深い信仰心と伝統を守ろうとする生々しい現実と、想像以上に深い父親とのつながりに直面することになる。
・『旅するエリスバン』 日本初公開
☆アカデミー賞2021国際映画賞ペルー代表
監督:ヘンリー・バジェホ・トルレス/出演:ヘスス・ルケ
2021年/ペルー/92分/スペイン語、ケチュア語/原題:MANCO CÁPAC
田舎から仕事を求めて都会に出てきた少年だったが、雑多な仕事をして糊口を凌ぐ日々が続いていく。経験を積み重ねる彼の未来に希望の光は灯るのか。
・『La pasión de Javier』(原題)日本初公開
☆17 Festival Images Hispano – Américaines観客賞(フランス)
☆Festival Cinema Hispanique観客賞(フランス)
監督:エドゥアルド・ギロッド/出演:ステファノ・トッソ、バニア・アシネ
2019年/ペルー/100分/スペイン語
今年、没後60年となるペルーの伝説的詩人ハビエル・エローの半生を描く。
・『ファルファン 路地裏からの栄光』日本初公開
監督:マルティン・カサピア・カサノバ/出演:エミラム・コシオ、トゥリオ・ロサ
2020年/ペルー/100分/ペルー/スペイン語/原題:La Foquita: El 10 de la calle
サッカーペルー代表、ジェフェルソン・ファルファンの半生を描いた伝記映画。背番号10として知られるファルファンの人生は、ペルーの最貧困地区から始まり、そのカリスマ力のおかげで大成功を収めた。
・『アルパカと生きる喜び』日本初公開
☆2022年リマ映画祭ペルー文化省審査員特別賞
監督:ティト・カタコラ
2021年/ペルー/81分/ペルー/アイマラ語/ドキュメンタリー/原題:PAKUCHA
ペルー南部、アンデスのアイマラ族コミュニティでは、儀式によりアルパカの精を呼び起こす。撮影は、昨年話題となった『アンデス、ふたりぼっち』のオスカル・カタコラ。
・『クイーンに沸いた夜』日本初公開
監督:アルベルト・カストロ
2020年/ペルー/78分/スペイン語、英語/原題:INVASION DRAG/ドキュメンタリー
人気リアリティ番組でお馴染みのドラッグクイーンたちが、2017 年リマで公演を行った際のドキュメンタリー。未だ極めて保守的なペルーで偏見撲滅や平等権獲得への第一歩を踏み出す人々の様子が描かれる。
・『バモス・アヤクーチョ』
監督:山本学/出演:三浦一壮
2022年/84分/ペルー、日本/ドキュメンタリー
舞踏家・三浦一壮が、ラテンアメリカ演劇祭に招聘されペルーの演劇人たちとワークショップなどを行いながら親交を深めていく。
・『アヤクーチョの唄と秩父の山』
監督:ホンマタカシ/出演:イルマ・オスノ、笹久保伸
2019年/60分/日本/ドキュメンタリー
二つの土地を結ぶ一人の女性の数奇な人生とペルー・アンデスの先住民音楽を追ったホンマタカシ初の音楽ドキュメンタリー。
・『KAMIKAZE TAXI』
☆1995年キネマ旬報ベスト・テン8位
☆第15回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞 片岡礼子
監督:原田眞人
出演:役所広司、高橋和也、片岡礼子
組に反旗を翻した若いチンピラと、彼と逃亡を共にするペルー育ちの日系人との交流を描くロードムーヴィー。
開催にあたり
今回で2回目のペルー映画祭となります。2021年に開催しました映画祭では、たくさんの方がペルー映画に触れ、音楽や料理、歴史文化といったペルーの魅力に映画を通して出会っていただきました。その後、劇場公開された作品もあり、映画祭がペルー映画を身近に感じる契機となったことは、長年ペルー映画を紹介する活動を行ってきた身として大変喜ばしいことでありました。
今回も、素晴らしいペルー映画を厳選いたしました。映画をとおして、さらにもう一歩ペルーの奥地へと進み、それぞれの視点でペルーをみつめていただけましたら幸いです。
昨年ペルーでは、大統領の罷免を発端に非常事態宣言が出され、ペルー各地で抗議デモが起こりました。死傷者が出る事態となったことは日本でも報道され記憶に新しいのではないでしょうか。遠くて近い国で何が起こっていたのか?映画で表現されたペルーの文化やペルーの市井のくらしをみることで、ペルーをより深く知る機会になることを期待しています。さらに、今年は日本ペルー外交関係樹立150周年という節目の年でもあります。映画祭が両国のさらなる友好関係に寄与できましたら幸甚に存じます。
是非、映画館にお越しいただき、ペルー映画をお楽しみください。まだ見ぬ世界にきっと出会えることでしょう。
長沢義文(ブエナワイカ代表)
クラウドファンディング実施中
現在、ペルー映画祭応援プロジェクトとして、クラウドファンディングを8月15日まで実施中。詳細はこちらにて→https://motion-gallery.net/projects/peru2023
ペルー映画祭vol.2
開催概要
●東京●
新宿K's cinema:2023年10月21日(土)~11月3日(金)
●京都●
京都シネマ:12月
●横浜●
横浜シネマリン:11月
●大阪●<日本ペルー外交関係樹立150周年特別開催>
シアタス心斎橋:11月17日(金)〜19日(日)(主催:在日ペルー大使館)
●群馬●
前橋シネマハウス(予定)
企画・主催 ブエナワイカ
後援 在日ペルー大使館、日本ペルー協会、新宿区(東京)
キョウダイレミッタンス、一般社団法人ラテンアメリカ協会
インスティトゥト・セルバンテス東京、日本ラテンアメリカ文化交流協会
一般社団法人日本ラテンアメリカカリブ振興協会
特別協力 株式会社 明治、シアタス心斎橋
特別協賛 株式会社Aizawa Corporation
協賛 アマゾンカムカム株式会社、キョウダイレミッタンス、株式会社ラティーナ、石井メイドオリジナル
Vivas Latin Shop (株)リーデル、イリスジャパン株式会社
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