“低体温系”青春映画として2001年に大ヒットを記録した伝説的な映画『ゴーストワールド』が11月23日(木・祝)より全国ロードショー、このたび日本版ポスターと、モデル・俳優の中島セナがナレーションを担当した日本版予告編が解禁された。あわせて中島セナのコメントも到着した。
2001年、「ダメに生きる」というキャッチコピーが反響を呼び、当時は新しい“低体温系”青春映画として大ヒットを記録した本作は、70年代のカルト・コミック「フリッツ・ザ・キャット」原作者ロバート・クラムを描いた『クラム』(1994)などドキュメンタリーに定評のあるテリー・ツワイゴフによる初の長編フィクション。原作は、アメリカで「ティーンエイジャーのバイブル」として高い人気を誇ったダニエル・クロウズの同名グラフィック・ノベル。ロサンゼルス郊外で撮影された本作は、どこまでも続くショッピングモールやファーストフード・チェーンの進出によって、次第に個性を失いつつある1990年代のアメリカの名もなき町が舞台。世界に馴染めず、いつも周囲をばかにして過ごしているシニカルな2人のティーンエイジャーが大人になることに直面し、自分の居場所を見つけようとする倦怠感に満ちた数ヶ月を描く。
今回解禁となった日本版予告編は、「あの二人が帰ってきた」という言葉とともに、幼馴染で親友のイーニド(ソーラ・バーチ)とレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)という、“はみ出し者”の2人のティーンエイジャーの日常を映し出していく。中島セナのナレーションが今も昔も変わらぬ青春の煩悶を瑞々しく投げ掛ける。「わたしたちこの世界でちゃんと生きてる?」。初公開から22年を経て、あの2人がいまを生きる全ての人間に改めて問う。
主演は『アメリカン・ビューティー』(1999)での演技が絶賛されたソーラ・バーチと、『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)で脚光を浴び、近年は『アベンジャーズ』シリーズにも出演するなど、いまやハリウッドを代表するスター俳優として躍進を遂げたスカーレット・ヨハンソン。撮影当時、バーチは17歳、ヨハンソンは15歳。すぐに意気投合したという二人の等身大の瑞々しい演技をおさめた貴重なフィルムでもある。そのほか、一目見たら忘れられないクセのあるルックスで多くのファンを持つ実力派バイプレイヤーのスティーヴ・ブシェミ、『ゴールデンボーイ』(1998)や『BULLY ブリー』(2001)などの作品で知られ、2008年に急逝したブラッド・レンフロが共演している。
また、原作者であるダニエル・クロウズはツワイゴフ監督と共同で脚本を執筆、2002年のアカデミー脚色賞をはじめとして多くの賞にノミネートされるなど高く評価された。近年では「ユーフォリア/EUPHORIA」(2019〜/ドラマシリーズ)などの作品にも影響を与え、「時代を先取りしていた (Los Angeles Magazine)」などさらなる再評価が進み、今こそ改めて見たい一本となっている。
『ゴーストワールド』は11月23日(木・祝)Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下 ほか全国順次公開。
中島セナ(モデル・俳優)コメント
世の中を素直に捉えず、諦観することも出来ない女の子たち。が、原因は周りではないということを徐々に自覚していく。
世間に罷り通る正しさに疑問を持つ。疎外感の中、イーニドは自分を認識するための岐路にいるのではないだろうか。
風の吹かない日常を皮肉を交えておしゃれでポップに描いている。
どこか滑稽な2人を観ていたつもりが、自分が滑稽だったのではないかと思えてくる作品だ。
ゴーストワールド
2023年11月23日(木・祝)Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下 ほか全国順次公開
STORY
1990 年代アメリカ、都市郊外の名もなき町。幼馴染で親友のイーニド(ソーラ・バーチ)とレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)は高校を卒業したものの、進路も決めず、あてもなく町をぶらついては面白いことを探して過ごしている。ある日、二人はモテないレコードマニアの中年男・シーモア(スティーブ・ブシェミ)に出会う。ダサくても独自の世界を持つシーモアに興味を持ったイーニドは、アウトサイダーとして生きる彼の“理解者”として交流を深め、奇妙な友情関係を築いていく。一方、アパートを借りるために地元のコーヒーショップに就職し、社会と折り合いをつけて自立しようとするレベッカ。同居生活を計画していた二人の間には次第に距離が生まれ……。
出演:ソーラ・バーチ スカーレット・ヨハンソン スティーヴ・ブシェミ ブラッド・レンフロ ほか
監督:テリー・ツワイゴフ『アートスクール・コンフィデンシャル』『クラム』
原作:ダニエル・クロウズ『ゴーストワールド』(プレスポップ刊)
脚本:ダニエル・クロウズ、テリー・ツワイゴフ
製作:ジョン・マルコヴィッチ『ウォールフラワー』『JUNO/ジュノ』 ほか
撮影:アフォンソ・ビアト『オール・アバウト・マイ・マザー』『ダーク・ウォーター』
編集:キャロル・クラヴェッツ=エイカニアン『ハンティング・パーティ』『ザ・スナイパー』、マイケル・R・ミラー『アナコンダ』『⾚ちゃん泥棒』
プロダクション・デザイン︓エドワード・T・マカヴォイ『モンスター』『ワイルドシングス』
⾐装デザイン︓メアリー・ゾフレス『ラ・ラ・ランド』『ノーカントリー』
⾳楽︓デヴィッド・キティ『アートスクール・コンフィデンシャル』『ベイビー・トーク』
2001 年|アメリカ|英語|カラー|ビスタ|111 分|原題︓GHOST WORLD|字幕翻訳︓⽯⽥泰⼦
配給・宣伝:サンリスフィルム
© 2001 Orion Pictures Distribution Corporation. All Rights Reserved.
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