映画『エドワード・ヤンの恋愛時代 4Kレストア版』ブルーレイ＆DVDが4月3日発売決定　時代を先取りした青春群像劇

エドワード・ヤンの「早すぎた傑作」の4Kレストア版『エドワード・ヤンの恋愛時代 4Kレストア版』Blu-ray＆DVDが2024年4月3日（水）に発売されることが決定した。

映画史上に屹立する『牯嶺街少年殺人事件』（1991）の直後1994年に、前作と全く異なるアプローチで当時の台北で生きる男女を描き、エドワード・ヤンのフィルモグラフィの中でも最大の野心作といわれる『エドワード・ヤンの恋愛時代』。

急速な西洋化と経済発展を遂げる1990年代前半の台北。財閥の娘、モーリーが経営する会社の状況は良くなく、彼女と婚約者で大財閥の御曹司アキンとの仲もうまくいっていない。親友チチは、モーリーの会社で働いているが、モーリーの仕事ぶりに振り回され、役所に勤める恋人ミンとの関係も雲行きが怪しい。人気テレビ番組の司会者であるモーリーの姉は、かつてラブロマンスの名手として絶大な人気を誇った小説家の夫と別居中。モーリーとチチの同級生で舞台演出家のバーディは小説家の作品を盗用したことがばれないか怯えている。アキンの顧問コンサルタントのラリーは女癖が悪く、モーリーを口説きにかかる。ラリーの愛人で俳優志望のフォンはモーリーの会社で働いていたが解雇される。ミンの同僚のリーレンは工期が遅れた業者に泣きつかれ書類を偽造する。

ハリウッド・リポーターが『ヤンヤン 夏の想い出』（2000）を21世紀の映画ベストワンに選出し、濱口竜介や三宅唱、岨手由貴子など現在第一線で活躍する映画作家たちが絶賛し、国内外問わずその影響力の大きさが語られるエドワード・ヤン。急速な西洋化と経済発展を遂げる1990年代前半の台北を舞台に、10人の男女の人間関係を二日半という凝縮された時間のなかで描いた『エドワード・ヤンの恋愛時代』は、目的を見失っていた登場人物たちが、自らの求めるものを探してもがき、そして見つけ出していく様を描いている。彼らの姿は、情報の海の中で自らの求めるものを見失いがちな、現代に生きる人々の姿と見事に重なり、初公開当時に正当な評価を受けたとは言い難い本作が、いかに時代を先取りしていたのかが明らかになった。

権利関係の複雑さにより長らく上映不可能だったが、修復作業を経て4Kレストア版として復活。2022年のヴェネチア国際映画祭でのワールドプレミアを皮切りに、トロント、NY、東京と世界中の映画祭で相次いで上映され、「90年代の台北で描かれるすべてのことは、21世紀の大都市でも起こることだ」（Time Out）と絶賛された、早すぎた傑作が4Kレストア版で待望のパッケージ化となる。

今回発売されるBlu-rayには、初回特典として、本作の劇場公開に先駆けて行われた『エドワード・ヤンの恋愛時代』『牯嶺街少年殺人事件』一挙上映プレミアイベント時の、濱口竜介監督（『ドライブ・マイ・カー』）と岨手由貴子監督（『あのこは貴族』） のスペシャルトークショーを採録した特製ブックレットが封入される。初回生産限定でなくなり次第終了となるので、確実に手に入れたい方は予約がおすすめ。

さらに、Amazon限定でオリジナルポストカードが付属する。デザインは後日公開となるため、続報は公式SNSにて。