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2023年度セザール賞で最多12部門ノミネートを果たし、フランスで観客動員100万人越えのスマッシュヒットを記録した話題作『動物界』が11月8日(金)より公開。このたび“新生物”が親子を襲う、緊迫した冒頭シーンの本編映像が解禁された。
2023年、フランスのアカデミー賞と呼ばれるセザール賞で『落下の解剖学』を凌ぐ最多12部門のノミネートを達成し、同国で観客動員100万人越えの大ヒットを飛ばした『動物界』。その舞台は、人間が様々な動物に変異する奇病が蔓延している近未来。人種差別、移民、ルッキズム、感染症など現代的なテーマを内包し、ファースト・シーンから観客を釘付けにする“突然変異”のアニマライズ・スリラーが、あなたの想像力を刺激する。
人間が動物化していく奇病が蔓延した世界を舞台に、運命に翻弄されていくある家族の姿を描いた『動物界』。フランソワ(ロマン・デュリス)とエミール(ポール・キルシェ)の親子は、母親のラナが病を発症したことをきっかけに生活が一変。徐々に動物化が進行し、意思疎通も難しくなっていく母親の存在に戸惑いながらも、家族が離ればなれにならないよう絆を深めていく。
今回解禁された本編映像は、母親ラナの病院に見舞いに行く途中、渋滞にはまる車の中の親子の会話から始まる。「今日が大事な病院の日だと知ってたろ」と声を荒げる父の話を無視し、反抗期のエミールは車を降りてしまう。親子喧嘩がはじまろうとしたとき、近くのトラックから、何者かの鳴き声と暴れる音が聞こえてくる。

車の扉が揺れた次の瞬間、頭に包帯を巻き大きな翼を持った“新生物”とみられる男が放り出される。男性がふたりがかりで押さえかかるが、羽根を持った男は暴れ続け、男たちを襲う。フランソワとエミールは咄嗟に車の影に身を潜めるが、男たちの制御を振り払った新生物が親子に迫る――。
動物化が進行し、人間でも動物でもない“新生物”になった者の謎めいた姿に迫るシーン。新生物になった者は次第に人間との意思疎通も難しくなり、人間に危害を加えぬよう隔離されてしまう。鳥類の姿をした男の、人間と動物の狭間のリアルな見た目も気になるところだが、映画の世界観にも要注目。

映像で映し出されるように、人々は街中で新生物に出くわしても、パニックを起こしたりすることはなく、ケータイを取り出して撮影を始めるほど日常化していることが見て取れるが、これはトマ・カイエ監督がコロナ禍を経て学んだことが反映されている。
監督は、「パンデミックによって、人々がとても素早く変化にも順応できるという概念が証明されたと思う。ロックダウンのほんの数週間後には、イノシシの群れが誰もいない街の中心地で目撃されることも、繰り返し夜間外出禁止を経験することも、正常のことのように思っていたからね」と、この荒唐無稽な病にすらも人間は素早く順応してしまうだろうと考え、病についての詳しい説明は劇中で一切描いていない。現実で起こったことを基に描かれた人々の病に対しての向き合い方、そして謎めいた新生物の全貌についても本編で確認してみよう。
『動物界』は11月8日(金)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷他にて公開。
動物界
2024年11月8日(金)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷他にて公開
STORY
近未来。人類は原因不明の突然変異によって、徐々に身体が動物と化していくパンデミックに見舞われていた。“新生物”はその凶暴性ゆえに施設で隔離されており、フランソワの妻ラナもそのひとりだった。しかしある日、移送中の事故によって、彼らは野に放たれる。フランソワは16歳の息子エミールとともにラナの行方を必死に探すが、次第にエミールの身体に変化が出始める…。人間と新生物の分断が激化するなかで、親子が下した最後の決断とは——?
監督・脚本:トマ・カイエ
出演:ロマン・デュリス、ポール・キルシェ、アデル・エグザルコプロス、トム・メルシエ、ビリー・ブラン
2023年|フランス|フランス語|カラー|スコープサイズ|原題:LE RÈGNE ANIMAL|英題:THE ANIMAL KINGDOM|DCP|128分
字幕翻訳:東郷佑衣|配給:キノフィルムズ|提供:木下グループ|映倫区分:PG12
© 2023 NORD-OUEST FILMS - STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINÉMA - ARTÉMIS PRODUCTIONS.
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