ペルー映画10作品以上を一挙上映する「ペルー映画祭vol.3」が新宿K's cinema他にて開催されることが決定した。あわせてポスタービジュアル&上映作品の場面写真が解禁された。

ペルー映画の配給を行っているブエナワイカが、このたび「ペルー映画祭vol.3」を開催する。これまで2度ペルー映画祭が開催され、30作品近いペルー映画が上映された。今回は6都市での開催が予定されている。
ドキュメンタリー、フィクションなど様々なジャンルやテーマから10作品以上を一挙上映。ペルーの地理は大きく3つにわけられ、今回は“vol.3”ということで、この3つの地域にあらためて注目。コスタ(海岸)、アンデス、シエラ(アマゾン)が織りなすペルーの多様性を感じられるラインナップとなっている。
現在、大阪・関西万博が開かれているが、日本で初めて公開されたペルー映画は、1970年の大阪万博で上映されたアルマンド・ロブレス・ゴドイ監督の『みどりの壁』。ペルー映画祭では、生誕100年を記念しデジタル化されたレストア版として上映される。その他、ベルリン国際映画祭ジェネレーション14プラス部門出品作品や2022年アカデミー賞ペルー代表作品など近年話題のペルー映画が目白押し。開催に先駆けてペルー映画祭vol.3を応援するクラウドファンディングも行われている。
主催者コメント
開催にあたり‥‥今回で3回目のペルー映画祭となります。前回のvol.2では、第1回もご覧になられた方やペルー映画を楽しみにされていた方に出会うことが多く、少しずつではありますが、ペルー映画が浸透していることを実感いたしました。多方面からのご協力を賜り、vol.3を実現できることを嬉しく思います。ラインナップを俯瞰すると「アンデスとアマゾンを行く、時空を超えて見えてくる世界」が感じられます。時代を越えて映し出されるもの、新型コロナウィルスという全世界が経験したパンデミックを乗り越えて得たものなど、作品の枠を超えて通底するものをみつけていただけたら嬉しいです。そこには、私たちが今を生きる上で考えるヒントがきっとあることでしょう。
2025年4月、私がペルー映画の配給を始めてから初めてペルーを訪れることができました。15年という時間が経ち整備されたインフラもありましたが、変わらない五感が存在し、初めてペルーを訪れた時の記憶が甦りました。そして、15年という時間が積み重なった自分だからこそ感じたものもありました。映画を通してになりますが、ペルーを皆さんに届けたいと改めて思っています。
今回も、素晴らしいペルー映画を厳選いたしました。続けることが大事だと考えています。是非、映画館にお越しいただき、ペルー映画をお楽しみください。まだ見ぬ世界にきっと出会えることでしょう。
長沢義文(ブエナワイカ代表)
上映作品 ※この他の上映作品は随時発表
・『みどりの壁』<デジタル・レストア版>
★1969アカデミー賞 国際映画賞ペルー代表作品
★1970シカゴ国際映画祭 最優秀作品賞
監督:アルマンド・ロブレス・ゴドイ/助監督:マリオ・アチャ、ノラ・デ・イスクエ
出演:フリオ・アレマン、サンドラ・リヴァ
ペルー|1970年|116分|スペイン|原題:La muralla verde
結婚を機に首都リマを離れ、ジャングルの開拓者となった家族の物語。入植時の苦悩や役所との対立など、若い夫婦と幼い息子の暮らしに次々とトラブルが降りかかるが・・・。ペルー社会の問題と矛盾を静かに描く。1970年に日本で初めて公開されたペルー映画。2023年の監督生誕100年を機にデジタル化。

・『午後の終わり』 日本初公開
★2016 リマ映画祭 観客賞/最優秀主演男優賞
★2016 プンタ・デル・エステ映画祭 最優秀主演女優賞
★2017 グアダラハラ国際映画祭 イベロアメリカ部門最優秀監督賞
監督・脚本:ジョエル・カレロ/撮影:マリオ・バッシーノ(『レタブロ』)
出演:カテリーナ・ドノフリオ、ルチョ・カセレス
ペルー・コロンビア|2016年|81分|スペイン語|原題:La Última Tarde
ジョエル・カレロ監督が描く「記憶の映画三部作」の第一部。離婚届にサインするために元ゲリラ戦士の2人が19年ぶりに再会した。それぞれの生活について語り合う中で、愛し合い、政治活動に明け暮れた過去や愛し合った記憶をよみがえらせていくが・・・

・『ママ・イレーネ アンデスの癒し』日本初公開
★2022 ウッドストック映画祭 正式出品
★2022 ブエノスアイレス国際映画祭 正式出品
監督:ベティーナ・エアハルト、エリザベート・メールマン
ペルー|2022年|72分|ケチュア語・英語・スペイン語|ドキュメンタリー|原題:Mamá Irene-Sanadora de los Andes
卓越した女性ヒーラー、ママ・イレーネの軌跡を描く。84歳を迎えた今もなお、彼女は消えゆく危機に瀕する先住民の叡智と伝統を実践し続けている。本作は、失われつつある知恵を記録するだけでなく、女性の力の物語であり、母なる大地と共に生きる尊き道への讃歌でもある。

・『霧』
★2018 DAFO ドキュメンタリー制作奨励賞
監督:ホセ・バラド
撮影監督:ニコラス・ランダ・タミ(『残されたぬくもり』)
制作:ドクペルー
ペルー|2021年|70分|スペイン語|ドキュメンタリー|原題:Bruma
ペルー北部沿岸で育まれる3つの物語を通じて、限りある中で懸命に生きる人々の姿を描く。古代から続く漁の営みのなかに映し出される人間の犠牲、忍耐と脆さが静かに紡がれていくビジュアルドキュメンタリー。ドクペルーが福岡滞在時に制作した100年以上使われる木樽で再熟成される醤油をテーマにしたドキュメンタリー映画『おしょうゆ物語』(2025年/20分)を同時上映。
・『UCHPA/ウチュパ 再生の歌』日本初公開
監督・制作:アントニオ・ロドリゲス・ロマ
出演:フレディ•オルティス、アンドレス・“チマンゴ”・ラレス(『わたしはここにいる』)
ペルー|2025年|86分|スペイン語・ケチュア語|ドキュメンタリー
ペルーで文化功労章を受賞したことがあるケチュア語ロック&ブルースバンド「Uchpa(ウチュパ)」のリーダー、フレディ・オルティスの再会の旅を描く。警察時代の記憶からウチュパ結成の秘話を同級生やメンバーの証言で辿る。ワイノやハサミ踊りといったアンデス音楽を西洋音楽と融合し新たなサウンドが生み出される。やがて音楽は、彼自身の過去におった心の傷を癒していく。
・『ワルテル先生とキピの教室』
★2024 Voces Contra el Silencio HHRR Film Festival 作品賞
★2024 ワヌコ映画祭“Cinema Goes to School”部門 最優秀作品賞
監督:ソナリー・トゥエスタ
ペルー|2024年|81分|スペイン語、ケチュア語、ヤネシャ語|ドキュメンタリー|原題:Misión Kipi
ペルーの高地に住む教師のワルテルは、廃材を集めて女の子のロボットのキピを作った。新型コロナウィルスのパンデミックによって、多くの生徒は学校を辞めそれぞれの村に帰っていた。ワルテル先生はキピと共に各地域を訪れ、学びを届けるプロジェクトを開始する。キピと子どもたちが一緒になって文化を学び合う姿を描く

・『ムーンハート』日本初公開
★2021 SFロンドン映画祭 最優秀作品賞
★2022アカデミー賞 国際映画賞ペルー代表作品
★2022ポルト・アレグレ国際ファンタスティック映画祭 最優秀女優賞
監督:アルド・サルヴィーニ/出演:アイデ・カセレス
ペルー|2021年|70分|スペイン語|原題:El corazón de la luna
ホームレスの女性マルタは、ある日一匹の蟻と出会う。蟻に自分の境遇を見いだし、生活を共にすることに。彼女の目に映る世界は、懐かしい思い出や幸せへの道を遮る悪魔的存在で溢れていた。そこに、“機械仕掛けの天使”が現れ彼女を導いていくが・・・。孤独に暮らす老婆の姿を全編セリフなしで描くファンタジー

・『私はタニア』日本初公開
★2019 ベルリン国際映画祭 ジェネレーション14プラス部門出品
★2019 リマ映画祭 正式出品
監督:ベネディクト・リエナール、メアリー・ヒメネス
ペルー|2019年|85分|ベルギー・オランダ・ペルー|スペイン語|ドキュメンタリー|原題:Con el nombre de Tania
ペルー北部の鉱山地帯。熱帯雨林の間をアマゾン川がゆるやかに流れいく。実際の証言に基づき、ある10代の少女が閉塞した村の暮らしから脱出しようとするも失敗し、やがて売春を強いられるまでの過程を、ドキュメンタリーとフィクションを掛け合わせて再現していく。名もなき少女の奪われた声とアイデンティティ、そして尊厳の回復を描く。
・『Bunka』(原題)日本初公開
監督:オマール・ヤング/出演:ハジメ・カスガ(Hanzo)、ブルーノ・ナカンダカリ(Bepocah)
ペルー|2025年|60分|ペルー|スペイン語|ドキュメンタリー
日本人がペルーに移住してから約125年。日系人がペルー人へ与えたアイデンティティへの影響は大きく、それはとりわけペルーの食文化の中に強く現れている。ペルー発祥の“日系料理”は “ニッケイ(Nikkei)”という言葉を象徴する存在となり、国際的にも高く評価されている。ペルーにおいて、“ニッケイ(Nikkei)”は単なるフュージョンを超えて文化として根づきつつある。一皿一皿にアイデンティティを込めながら、その変容を今まさに体現している人々の視点を通して、その姿を描き出す。
<特別上映>
・『Willaq Pirqa, el cine de mi pueblo』(原題) 日本初公開
★2022 リマ映画祭 観客賞/最優秀作品賞/文化省審査員
★2023 ペルー映画記者協会 最優秀ペルー映画賞/最優秀監督賞/最優秀脚本賞/主演男優賞/助演女優賞
監督:セサル・ガリンド
出演:ビクトル・アクリオ、エルメリンダ・ルハン、メリッサ・アルバレス
ペルー・ボリビア|2022年|88分|ケチュア語・スペイン語

ペルー映画祭vol.3
開催概要
●<東京>新宿K's cinema 2025年8月30日(土)~9月12日(金)
●<横浜>横浜シネマリン:2025年10月4日(土)~10月17日(金)
●<群馬>前橋シネマハウス:2025年10月18日(土)~10月31日(金)(予定)
●<大阪>シネ・ヌーヴォ:2025年 11月
●<愛知>ナゴヤキネマ・ノイ:2025年 11月
●<京都>京都シネマ:2025年10月 (予定)
・企画・主催 ブエナワイカ
・後援 在日ペルー大使館、大玉村、新宿観光振興協会(東京のみ)、日本ペルー協会
株式会社Aizawa Corporatio、KYODAI Remittance、公益財団法人海外日系人協会
インスティトゥト・セルバンテス東京、日本ラテンアメリカ文化交流協会
一般社団法人ラテンアメリカ協会、株式会社ラティーノ、BIZEN中南米美術館
上智大学イベロアメリカ研究所、マチュピチュ観光大使 片山慈英士
・特別協力 株式会社 明治、Filmoteca PUCP
・特別協賛 株式会社ウニ―ドス
・協賛 株式会社Aizawa Corporation、日本ペルー協会、株式会社ベストン、一般社団法人 日本ピスコ協会
ペルー料理 bépocah(ベポカ)、Vivas Latin Shop (株)リーデル、株式会社ジョーキュウ
Baby alpaca fuwari、イリスジャパン株式会社
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