アメリカ・ニューヨークに実在したシネフィルの聖地、キムズビデオの5万5000本にも上る唯一無二なビデオ・コレクションの行方を巡るドキュメンタリー映画『キムズビデオ』の日本公開日が8月8日(金)に決定した。ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷ホワイトシネクイントほかにて全国順次公開。また予告編、ポスタービジュアルも解禁された。
本作は世界最高のレアビデオ・コレクションの数奇な運命を追うドキュメンタリー。ワールドプレミアとなったサンダンス映画祭では「遊び心がハンパない」「常軌を逸したドキュメンタリー」と映画ファンたちから熱狂的な支持を受けて大きな話題になり、その後トライベッカ映画祭など計61の映画祭で上映され、シッチェス映画祭・ドキュメンタリー部⾨の最優秀作品賞をはじめ、計7つの賞を受賞するなど、一昨年から世界中の映画祭を席巻してきた。

このたび解禁された予告編は、90年代にニューヨークでシネフィルの聖地と称された伝説のレンタルビデオショップ『キムズビデオ』をめぐる、数々の逸話と熱狂から始まる。世界最高のレアビデオ・コレクションを求め、会員数は25万人に膨れ上がった。その中には若き日のコーエン兄弟の姿もあり、600ドルの延滞金を滞納したという逸話も本編に登場する。

トッド・フィリップス(『ジョーカー』『ハングオーバー!』)、アレックス・ロス・ペリー(『ハースメル』)、ショーン・プライス・ウィリアムズ(『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』)ら、今や名を馳せる監督たちが店員として働き、パブロ・ベルヘル監督も連日通い詰め、自作『ロボット・ドリームズ』で主人公たちがキムズビデオでレンタルした『オズの魔法使い』を鑑賞するシーンを盛り込んだ。
半端ない品揃えの唯一無二なビデオ・コレクションは、5万5000本にも上る。入手ルートも、世界各地の映画祭や各国大使館経由など、大手レンタルビデオショップには真似のできない独自のものだったため、変な映画だらけの秘宝が埋もれている秘密基地のようだった。このビデオ・コレクションの中には、市場に出回っていない違法コピーの海賊版やレア物も多数含まれ、それがまた会員たちを興奮させていた。ジャン=リュック・ゴダールの作品群をめぐっては、ゴダール本人からレンタル差し止め通告が届き、ついにはFBIに押収されるなど、語り継がれる伝説が多数。
また、キムズビデオの創業者である韓国系移民のキム・ヨンマンは、正体不明の伝説の男。クエンティン・タランティーノ監督との交友関係も噂されたが、真相は謎だ。
しかし、ビデオレンタル時代の終焉とともに、2008年に惜しまれつつ閉店。キムズビデオの会員だったデイヴィッド・レッドモン(=本作の監督)が、そのコレクションがその後どうなったのか捜索すると、ニューヨークから遥か遠いイタリア・シチリア島のサレーミ市に移設されていることが判明。レッドモンがシチリア島に出向くと、ビデオテープにとってはあまりにも劣悪なホコリだらけの湿った所蔵庫で放置されていることが発覚した。
そこでレッドモンは唯一無二なレアビデオ・コレクションを救い出すことを決意。サレーミ市長やその取り巻きたち、現地の警察、その陰で暗躍するマフィアらの追跡を敢行。さらに、アルフレッド・ヒッチコックやチャールズ・チャップリン、イングマール・ベルイマン、ジャッキー・チェンといった映画の巨匠たちの“精霊”を召喚し、架空の映画撮影を装いながら前代未聞の奪還作戦を決行する。
また、今回完成したポスタービジュアルは、象徴的な「VHSテープ」を大胆にフィーチャー。カートリッジから飛び出す磁気テープ、そして正面と背面ラベルには創業者キム・ヨンマンの肖像がレイアウトされ、“[映画]を取り返せ!”という魂の叫びを体現する仕上がりだ。

そして、VHSテープと同サイズの大きさで、財布にも入らなければ、ポケットにも当然入らない、とっても持ち帰りにくい、前代未聞の特製前売券が限定1,000枚販売。7月11日(金)より、下記劇場窓口にて発売決定(ムビチケはオンラインを含め、販売はありません)。
そして公開初日8月8日に、「本編字幕版VHS」が発売決定。このご時世にあえてVHSのみで発売。完全限定生産450本、紙ジャケット仕様。下記劇場の窓口限定で販売される。

【前売券販売所】 ※窓口販売のみ ※税込1,600円
・ヒューマントラストシネマ有楽町
・渋谷ホワイトシネクイント
・テアトル梅田
・UPLINK京都
・ミッドランドスクエア シネマ
・元町映画館
・サツゲキ
・メイジャー通販サイト
7月2日(水)16時より → https://www.major-j.com/cinema_information.php?id=M54290817560
【本編字幕版VHS 販売劇場】 ※窓口販売のみ ※税込3,980円
・ヒューマントラストシネマ有楽町
・渋谷ホワイトシネクイント
・テアトル梅田
・UPLINK京都
・ミッドランドスクエア シネマ
・元町映画館
・サツゲキ
キムズビデオ
2025年8月8日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次公開
STORY
ニューヨークの映画ファンたちが通い詰めたレンタルビデオショップ「キムズビデオ」。そこは、5万5000本もの貴重かつマニアックな映画の宝庫だった。配信サービスの隆盛で閉店に追い込まれた2008年、謎めいた社⻑キム・ヨンマンは、⼤量のコレクションをイタリアのシチリア島にあるサレーミという村に譲渡することを決意する。4000マイルの旅を無事に終えた伝説のコレクションだったが、数年後に「キムズビデオ」元会員であるデイヴィッド・レッドモンがシチリアを訪れると、ずさんな管理体制の中、ホコリだらけの湿った所蔵庫でひっそりと息を潜めていた。助けを求める映画たちの“声”にかき⽴てられ、映画たちを救う荒唐無稽な奪還作戦が始動。その奪還作戦は、カーニバルの夜に映画の撮影だと偽り、アルフレッド・ヒッチコックやチャールズ・チャップリン、ジャン=リュック・ゴダール、イングマール・ベルイマン、ジャッキー・チェンといった映画の巨匠たちの“精霊”を召喚し、所蔵庫から映画たちを解放する前代未聞の計画だった。
原題:Kim's Video
監督、編集:アシュレイ・セイビン、デイヴィッド・レッドモン
撮影:デイヴィッド・レッドモン
録音:デイヴィッド・レッドモン、マチュー・デボルド
共同編集:マーク・ベッカー
音響:アグネス・ライカート、マルセイユ・ミックス・ア・ロット
製作:アシュレイ・セイビン、デイヴィッド・レッドモン、デボラ&デイル・スミス、レベッカ・タバスキー、フランチェスコ・ガラヴォッティ
アメリカ/2023年/英語、イタリア語、韓国語/87分/カラー/5.1ch/16:9
提供:ミュート、ラビットハウス
共同配給:ラビットハウス、ミュート
©Carnivalesque Films 2023
公式サイト https://kims-video.com/
この記事が気に入ったらフォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow WEEKEND CINEMA