イギリスの名匠アンドレア・アーノルド監督『バード ここから羽ばたく』が9月5日(金)より全国公開。このたび本編動画と各界の豪華著名人たちから届いたコメントが解禁された。
このたび解禁された本編抜粋動画は、全身にタトゥーを入れた若き父親バグ(バリー・コーガン)が、「金になるカエル」に、コールドプレイの名曲「Yellow」を聴かせようと、パーティーに集まった仲間たちと大合唱するシーン。
カエルから分泌される「幻覚剤」を売って、結婚パーティーの資金にしようと画策するバグは、カエルが分泌液をよく出すような曲を真剣に考え「Yellow」を思いつく。名曲「Yellow」はカエルの心にも響くのか!?
そんな父親を見つめる娘ベイリー(ニキヤ・アダムズ)。彼女の虚な表情と並行して「“夢が何さ”とは何だ?」と父親に問われるシーンが導入され、可笑しみの中にも、切なさが宿り、心がざわつかされるシーンになっている。また、本作に楽曲提供しているFontaines D.Cのギタリスト、カルロス・オコンネルがカメオ出演もしている。

さらに、各界から豪華著名人たちのコメントが到着。先日解禁となった俳優の池松壮亮に続き、ミュージシャン・作家の尾崎世界観、文筆家の内田也哉子、ゲームクリエイター小島秀夫、『違国日記』などの瀬田なつき監督、NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」「おひさま」「ひよっこ」やドラマ「最後から二番目の恋」(CX)などの脚本を手がける岡田惠和など、各界を代表するような豪華クリエイターたちより熱いコメントが届いた。コメント全文・一覧は以下のとおり。
コメント 一覧 ※敬称略・順不同
すべてを覆い隠すほどの埃に咽せた。
そして光を浴び、
空中を舞う埃の煌めきに、胸が詰まった。
浮世の塵を逃れる少女と男が、
この上なくまばゆい。
そうだ、日常と白昼夢は地続きなんだ。
心と心に境界線などないように。
内田也哉子(文筆家)
曇り空とグッドミュージック。 英国の優れた青春映画は常にその二つで象られていることを、フォンテインズD.C.やブラーの名曲が
主人公に寄り添う本作が、またしても証明した。
粉川しの(音楽ライター)
荒れた土地でも昇る朝日はとてもキレイだ。 どんなに汚い落書きだろうとも、そこにはなけなしの希望や愛が映っている。
そんな社会の片隅で、私たちは馬鹿みたいに煌めくスパンコールドレス姿で歌いながら踊るのだ。
降矢聡(映画配給)
飛べないから行き場がないのに、飛べるから悲しい。
そんなやり切れなさや、どうしようもなさの裏にこびりついた希望を、この映画はちゃんと見せてくれる。
尾崎世界観(ミュージシャン・作家)
産まれた国も育った環境も家族さえも、誰も選ぶ事は出来ない。けれど、自ら“飛び立つ”ことは出来るかも知れない。
そんな“飛翔感覚”を夢見させてくれる。 映画界では既に高高度を滑空しているバリー・コーガンやフランツ・ロゴフスキの演技は鳥肌ものだし、新人ニキヤ・アダムスのまだ小さな羽根も力強い。 劇中でかかるUKアンセムも浮遊感がある。
小島秀夫(ゲームクリエイター)
バリー・コーガンとフランツ・ロゴフスキという現在最もスクリーン映えする“顔”を持つ二人に負けていない
ニキヤ・アダムスの鮮烈な存在感。 現実から希望を導き出す勇気に、少女を救う優しいファンタジーに泣かされた。
山崎まどか(コラムニスト)
無責任な大人に産み落とされた雛たちはこの理不尽な籠を突き破れるのだろうか。
無遠慮に見つめ、心配する僕の目の前で愛や憎、虚に実も全部スクランブルして
血を流しても大丈夫と歌い、少し笑った。まだ飛べないのなら走ればいいだけだと。
一観客の浅薄な想像を超える強い映画だ。
SYO(物書き)
どうしようもない家族や貧困や身体の変化から逃れたくて空を眺めても、鳥みたいに現実からは飛び去れない。
それでも「心配ない」とこの奇妙な成長譚は繰り返す。たしかに、きっと、大丈夫。
本作を見届けたあとじゃ不思議と未来を信じられるはずだ。
ISO(ライター)
12歳の少女の表情、彼女がじっと見つめる先、それを追っていくだけで世界はこんなに不可思議で、難しくて、理不尽で、だけれど、優しくも見えるのだと、魔法をかけられたような気持ちになる。
瀬田なつき(映画監督)
ハリウッド大作を蹴ってこっちに出たバリー・コーガンが白眉。
このまま年を取ったようなワーキング・クラスのおっさんたちが周りにいっぱいいるぞと笑い、いつしか泣いていた。
ブレイディみかこ(ライター)
いったいどうやったらこんな物語を編み出せるんだろう。静かな目まぐるしさに圧倒されました。
音楽の使い方のセンスが良すぎ。 地に足のついた英国映画の名作がまた一つ誕生しました。観て良かった。
岡田惠和(脚本家)
昨年この映画に出会って、心を奪われ続けた。
世界中で現実がフィクションを凌駕する時代に、イギリスから届いた宝石のような寓話。
底辺からのイマジネーションで、飛躍的な夢を見るマジックリアリズム。 こんなPure cinemaの誕生を待っていた。
池松壮亮(俳優)
バード ここから羽ばたく
2025年9月5日(金)新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座ほか全国公開
監督・脚本:アンドレア・アーノルド
出演:ニキヤ・アダムズ、バリー・コーガン、フランツ・ロゴフスキ
2024年|イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ|英語|119分|ヨーロピアンビスタ|5.1ch|原題:BIRD |日本語字幕:石田泰子
提供:ニューセレクト|配給:アルバトロス・フィルム
© 2024 House Bird Limited, Ad Vitam Production, Arte France Cinema, British Broadcasting Corporation, The British Film Institute, Pinky Promise Film Fund II Holdings LLC, FirstGen Content LLC and Bird Film LLC. All rights reserved.
公式サイト bird-film.jp
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