権利問題から世界的に鑑賞が叶わず、長らく幻の名作と言われていた“疾走系”犯罪映画の金字塔『ジャグラー/ニューヨーク25時』が4Kリマスターされ、『ジャグラー/ニューヨーク25時 4K修復版』として12月5日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開。このたび、多彩な著名人11名からコメントが、「バンビ~ノ!」等で知られる漫画家せきやてつじからはイラストが到着した。さらに蓮實重彦による評論の劇場パンフレットへの再録も決定した。

1970年代終わりのまだ危険で猥雑だった頃のニューヨーク。シングルファザーの元警官ボイドは、学校に送る途中の娘キャシーを、富豪の娘と勘違いした誘拐犯に目の前で連れ去られてしまった。警察はアテにならないばかりか、ボイドに恨みをもつ元同僚の巡査部長からは逆に執拗に追われるハメに…。タクシー運転手、ポルノショップの女、サウスブロンクスの不良グループ、動物登録所の女など、都会に生きる人々が入り乱れ、ノンストップの奪還劇が始まった。その息つく間もないスピード感と臨場感にあふれる物語に多くの観客が熱狂するも権利問題から世界的に長らく鑑賞が難しかった〈幻の名作〉が、満を持して4Kリマスターされ、劇場のスクリーンに還ってくる。
今回、本作に熱狂した多彩な著名人11名からコメントが到着。アニメ「ガールズ&パンツァー」等で知られるアニメーション監督の水島努監督は「45年前に映画館で観てから、ずっと待ちこがれていた作品!」と興奮冷めやらぬコメントを寄せ、ゲームクリエイターの小島秀夫は「トム・クルーズばりに、走り続けるジェームズ・ブローリンの勇姿とカオスなエネルギーに脈動していた当時のジャグラーな“ニューヨーク”を堪能して欲しい。」と熱く語る。また青山学院大学陸上競技部の監督である原晋は「愛する娘の為、戦い走り続けるパワーに息をのむ。」と綴った。著名人のコメント全文・一覧は記事下にて。
さらに漫画「バンビ~ノ!」「寿エンパイア」等の漫画家・せきやてつじからは、本作の主要な登場人物3名を描いた本編の緊迫感が伝わってくるイラストが到着。せきやは「『ジャグラー/ニューヨーク25時』はずいぶん昔から観たかった映画でしたが、ようやく観ることが出来て、感無量です。」とコメントも寄せている。
また、蓮實重彦が本作を評した評論「たやすく走りだそうとはしない映画がいきなり疾走しはじめることの感動について」の劇場パンフレットへの再録が決定。文途中に句点が一切なく読点のみの、全体がたった一つの文章という驚愕の映画論「シネマの煽動装置」に所収されている評だ。
なお、北米仕様の 4K UHD は修復作業時のミスから一部シーンに乱れがあったことが報告されているが、日本公開にあたってつくられた上映素材は、当該箇所も修復されたマスターから制作されたものとなっている。
『ジャグラー/ニューヨーク 25 時 4K 修復版』は12月5日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開。ムビチケオンライン券が1,600 円(税込)で発売中。
著名人コメント
タイトルが出るまでの冒頭ほんの数分間、
クリフ・ゴーマンによる「食事」シーンの異常な切れ味だけで、
我々「『ジャグラー』観てる勢」(笑)がなぜこれほど長年に渡って騒ぎ続けてきたか、
瞬時にご理解いただけるだろう……!
―宇多丸(RHYMESTER)
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ああ、これだ。懐かしい。そうだ。思い出した。これが僕らが子供の頃にアメリカ映画で擬似体験したあのヤバい“ニューヨーク”だ。危険とバイオレンス、鬱積と冒険に満ち溢れた僕らの“25時”だ。ジュリアーノ元市長があの“街”をクリーンにしたのは、1990年代に入ってからだ。 45年ぶりの4K修復版上映。この機会を観逃すな。トム・クルーズばりに、走り続けるジェームズ・ブローリンの勇姿とカオスなエネルギーに脈動していた当時のジャグラーな“ニューヨーク”を堪能して欲しい。
―小島秀夫(ゲームクリエイター)
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70年代末がもう80年代の曙を見ている事を快楽で立証するミッシングリンク的傑作。
ジャズが一切ならない、瓦礫の山がCGではないNYC。
―菊地成孔(音楽家/文筆家)
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圧倒的疾走感!!
見てくるだけで目がギラギラして、脳からアドレナリンが放出されている。
焦燥と暴力のリズム。荒々しさと生々しさ。
映画を見終わっても、心臓の鼓動だけが残されるような。
―大森時生(テレビ東京 プロデューサー)
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45年前に映画館で観てから、ずっと待ちこがれていた作品!
疾走感に臨場感は言うまでもなく、一瞬の脇キャラもみんな魅力的で、
そんなにお金をかけなくても、妙にカメラをブラさなくても、
極上のアクション映画ができるんだ、というお手本のような映画です。
全ての人におすすめします。
―水島努(アニメーション監督)
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私の記憶が正しければ、30代の頃観てると思います。
加工の難しいCGの無い時代、手作り感溢れるリアルなノンストップ作品に魅了された。
「ゴッドファーザー」でのクレメンザ役のリチャード・S・カステラ―ノ(トネリ警部補役)が味のある演技を。
さぁ現代を生きる皆さんは約半世紀前の作品をどう受け止めるか?楽しみです。
―井上順(役者、エンタティナー)
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危険で、汚くて、不条理で、時々人情深い。
そんな、あの頃のNYを詰め込んだ『ジャグラー』は技術的な事ではなく、今では作ること
の出来ない唯一無二の映画なんだと思う。
個人的にはマリア役のジュリー・カーメンの美しさにヤラれたので、劇場にもう一度行こうと思います。
―山下敦弘(映画監督)
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走れ!逃げろ!ライフルをぶっ放されるぞ!
にわかにニューヨーカーとなった我々はもう駆け出すしかない。
追ってるはずが追われる身となり、幾重ものチェイスの迫力がここに極まる。
体感型サスペンスの金字塔だ。
―矢田部吉彦(前東京国際映画祭ディレクター)
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人生には時として思いもよらぬ出来事が起こる。
そんな不幸な出来事が身内に襲いかかって来た時、人はどんな行動をとるのだろうか?愛する娘の為、戦い走り続けるパワーに息をのむ。
―原晋(青山学院大学陸上競技部 監督)
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一本のぶってぇ線を観ているみたいな映画。
もちろん安心してなんて観れやしないんだが、
このパワー、運動を観るために私って映画を観てるのかもなーなんて思わせられるほどの筆圧だ。
ハラハラしてえやつ全員集合!ジャグラー観んぞ!
―Rachel(chelmico)
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『ジャグラー/ニューヨーク25時』はずいぶん昔から観たかった映画でしたが、ようやく観ることが出来て、感無量です。映画は70年代末の危険なニューヨークの街が存分に活写され、現在ではこのような街が匂い立つような映画は撮影自体不可能だと思われます。ソルティックの過去に囚われたキャラクターには悲哀を感じざるを得ませんでした。
―せきやてつじ(漫画家)
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娘を救いたい父親の必死さと都会の片隅で抑圧された狂気。
両者の熱が滾りまくっている!
デジタルじゃなくアナログ。おしゃれさよりも泥臭さ。
剥き出しの熱で見ているこちらまで熱くなってしまう。
それに、当時のニューヨークの臨場感がすごい!
熱気や喧騒がそのまま納められている。あの大都会でこれを撮るなんて信じられない!
汗と情熱は時を経ても少しも色褪せていない。
―アキラ100%(お笑い芸人/俳優)
まとめ(注目ポイント)
- “疾走系”犯罪映画の金字塔『ジャグラー/ニューヨーク25時 4K修復版』が12月5日より全国順次公開。
- 水島努監督や小島秀夫ら11名の著名人コメントと、せきやてつじのイラストが解禁された。
- 蓮實重彦による評論のパンフレット再録決定。
ジャグラー/ニューヨーク25時 4K修復版
2025年12月5日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
STORY
元警察官で現トラック運転手のショーン・ボイドは妻と別れ、一人娘キャシーと二人で暮らしていた。今日はキャシーの15歳の誕生日。ボイドはバレエ公演のチケットをプレゼントし、学校に行くキャシーをセントラル・パークまで送り、二人にとっていつもと変わらない平穏な一日が始まるはずだった。しかし突然、キャシーは見知らぬ車に引きずり込まれてしまう。目の前で娘を誘拐されたボイドは必死に後を追うも、追跡途中で車の横転事故を起こし、病院に搬送されてしまう。病院でケガの手当を受けつつも、トネリ警部補率いるNY市警察捜査チームによる事情聴取に業を煮やしたボイドは病院を抜け出し、独自に娘の捜索に走り出す。こうしてニューヨークを舞台にした、ボイドVS誘拐犯VS市警察の長い一日が始まった。
監督:ロバート・バトラー 製作:ジェイ・ウェストン 製作総指揮:アーノルド・コペルソン
原作:ウィリアム・P・マッギヴァーン
脚本:ビル・ノートン・Sr、リック・ナトキン 撮影:ヴィクター・ケンパー 編集:アーガイル・ネルソン
出演:ジェームズ・ブローリン 、クリフ・ゴーマン、リチャード・S・カステラーノ、ダン・ヘダヤ、ジュリー・カーメン、アビー・ブルーストーン
アメリカ / 1980年 / 101分 / カラー /4K PG:12 原題:NIGHT OF THE JUGGLER
字幕翻訳:小林伊吹
提供:TC エンタテインメント、是空 配給:ザジフィルムズ
©1980 GCC Films, Inc
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