2008年の日本公開以来、国内では配信されることなく、“幻”とされ続けてきたカルト的ファンタジー大作『落下の王国』の4Kデジタルリマスター版が全国公開中。このたび本編に登場する二人の勇者、博物学者・ダーウィンと仮面の男にスポットを当てた本編映像が解禁された。また著名人からの推薦コメントが到着した。
11月21日(金)に封切られた本作は満席回が続出し、公開3日間で動員23,284名、興行収入37,861,370円を記録する好スタートを切った(11月21日(金)~23日(日))。洋画不況といわれる中、約17年前の作品のリバイバル上映にもかかわらず異例の反響となっており、“幻の映画”として長らく語り継がれてきた本作への期待が興行に結びついた形となった。
そんな大ヒットを記録している本作より、新たな本編映像が到着。スタントマンのロイが少女アレクサンドリアに語る壮大な“おとぎ話”の世界から、二人の勇者にスポットを当てた映像となっている。

ロイが紡ぐ物語は、巨悪・総督オウディアスへの復讐を誓う、個性あふれる5人の勇者にまつわるもの。今回解禁されたのは、その一員である英国出身の博物学者ダーウィン(レオ・ビル)を紹介する映像。英国紳士を連想させる黒いハットに、赤・白・黒の大胆なマントをまとい、虫眼鏡で生物を観察する姿は、知性と遊び心が同居する独特の存在感を放つ。さらに、ダーウィンの衣装は、何十種類もの色に染めた毛をカツラと同じ技法で植え込んだという石岡瑛子執念の造形で、その奇想と情熱をより鮮明に体現している。


命ある万物を愛するダーウィンは、相棒の猿・ウォレスと共に幻の蝶、アメリカーナ・エキゾティカを追い求めていた。その執念を嘲笑うかのように、総督オウディアスはなんと追い求めていた幻の蝶の“死骸”を送りつけるという非情な行動に出る。ダーウィンが暴君に深い憎しみを抱くに至る瞬間を、叫びのあとに広がる“バタフライ礁”の幻想的な映像が象徴的に切り取っている。
もう一つの本編映像は、謎に満ちた“仮面の男”・黒山賊の素性に迫るもの。弟・青山賊とともに総督オウディアスから死刑を宣告されながらも、鮮やかに逃亡に成功。別々に逃げることで生還を図りつつ、胸に刻んだ暴君への復讐を果たすべく、密かに暗躍を開始する。黒山賊の衣装は、スペインの闘牛士や日本の侍のイメージが継ぎ合わされ、ユニセックスなシルエットを備えた独創的な佇まいが特徴だ。勇者たちを束ね、先陣を切るリーダーとして物語を大きく動かすこの仮面の男の存在は、今後の展開を揺るがす重要な鍵となりそうだ(衣装情報出典:「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」展示会解説)。
また本作に感銘を受けた著名人から推薦コメントが到着。黒木華、TAPPEI、吉田大八、永井聡、長島有里枝、吉岡美樹という各界を代表する著名人がコメントを寄せている。コメント全文・一覧は以下のとおり。
著名人コメント ※順不同・敬称略
黒木華(俳優)
現実の痛みに沈むふたりが、想像の世界でやさしく触れ合う。初めてこの映画を観た時に感じた想像力の強さを改めて感じました。CGでは描けない、本物の風景が持つ光と影が、ふたりの物語により強さをもたらしている気がします。
現実の荒さの中に、こんなにも繊細であたたかな幻想が咲くことが、ただ美しく、希望を感じました。
TAPPEI(タトゥーアーティスト)
狭くて陰気な部屋の中、2人だけでする空想物話、
それでも無邪気な脳内の世界はどこまでも広がっていくということを再認識させられました。
狂気的な熱量で作られた映像の美しさと洒落っ気と完成度、圧倒される作品です。
長島有里枝(写真家)
5人の勇者と木の精霊の心踊る冒険譚に、夢の中ではいつも6人目の戦隊ヒーローだった自分の子供時代を重ねずにいられなかった!
身体よりも深い傷を心に負ったロイとアレキサンドリアが、物語を介してそれぞれの痛みをともに乗り越える、優しくてこの上なく美しい作品。
吉岡美樹(映像作家)
「落下の王国」を10年越しに鑑賞し、心の中に眠っていた惚れ惚れとした記憶が鮮やかに蘇りました。
ターセム監督の甘美で色彩豊かな世界が画面いっぱいに目まぐるしく広がって、ただただうっとりさせられます。
永井聡(映画監督)
ただただ、圧巻。ターセムをはじめ、フィンチャーやスパイク・ジョーンズは映画の世界に脚を踏み入れる前から広告の世界では大スターだった。昔、駆け出しのCM監督だった私の憧れの監督達だった。
他の二人が映画というメディアにアジャストしていった一方でターセムはCMの手法そのものを映画に持ち込んでいた(最近はアジャストしているが)。壮大なスケールと緻密に計算されたアートディレクション、こんなロケーションで撮影出来るなんて心から嫉妬した。
4Kデジタルリマスターで観る意味、価値のある作品。
吉田大八(映画監督)
実はまだビデオでしか観ていない。だから映画館の大きなスクリーンからあの世界へ連れて行かれたら最後、もう戻ってこれない。覚悟を決めてひたすら唱えよ、石岡瑛子!石岡瑛子!!石岡瑛子!!!
まとめ(注目ポイント)
- “幻”のファンタジー大作『落下の王国』4Kデジタルリマスター版が全国公開中。
- 約17年前の作品のリバイバル上映にもかかわらず満席回続出の異例のヒットスタート。
- 二人の勇者、ダーウィンと仮面の男に焦点を当てた本編映像を解禁。
- 石岡瑛子が手掛けた勇者たちの独創的衣装にも注目。
- 黒木華ら著名人6名から推薦コメントが到着。
落下の王国 4Kデジタルリマスター
2025年11月21日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、グランドシネマサンシャイン 池袋 ほか 全国公開
STORY
時は1915年。映画の撮影中、橋から落ちて大怪我を負い、病室のベッドに横たわるスタントマンのロイは、自暴自棄になっていた。そこに現れたのは、木から落ちて腕を骨折し、入院中の5才の少女・アレクサンドリア。ロイは動けない自分に代わって、自殺するための薬を薬剤室から盗んで来させようと、思いつきの冒険物語を聞かせ始める。それは、愛する者や誇りを失い、深い闇に落ちていた6人の勇者たちが、力を合わせて悪に立ち向かう「愛と復讐の叙事詩」だった。
監督:ターセム 『ザ・セル』
出演:リー・ペイス 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『キャプテン・マーベル』、カティンカ・アンタルー
2006年/アメリカ/ビスタ/5.1ch/120分/原題:THE FALL
配給:ショウゲート
© 2006 Googly Films, LLC. All Rights Reserved.
公式サイト rakkanooukoku4k.jp
この記事が気に入ったらフォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow WEEKEND CINEMA

































































