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イタリアの巨匠ミケランジェロ・アントニオーニが1960年代末、アメリカに渡り、人類の未来を幻視した壮大な黙示録『砂丘』(1970)。1996年のレイトショー再公開からちょうど30年ぶりとなる今年3月13日(金)より、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開されることが決定した。あわせて、ティザービジュアルと日本オリジナルの特報が解禁された。

『夜』(1961)でベルリン映画祭・金熊賞、『赤い砂漠』(1964)でヴェネツィア国際映画祭・金獅子賞、『欲望』(1966)でカンヌ国際映画祭・パルムドールを受賞。1960年代、世界三大映画祭のすべての最高賞を受賞し、文字通り映画界の頂点に立ったミケランジェロ・アントニオーニ監督。このイタリアの巨匠が初めてアメリカにわたり、全世界注視の下に完成させた野心作が『砂丘』(1970)だ。

1960年代末、ロサンゼルス。学生集会での虚しい議論に嫌気が差したマークは、拳銃を手に学内で弾圧行為に及ぶ警官隊にひとり立ち向かう。だが発砲のチャンスを逸して逃走、飛行場でセスナを奪い大空に飛び立った。一方、L.A.の不動産会社で秘書として働くダリアは、会議に参加するため車で広大な砂漠を横断していた。偶然出逢ったふたりは不毛の地、「死の谷」にある〈ザブリスキー・ポイント〉に辿り着く。ふたりがそこで視たものとは一体……。

あらゆるものを無に帰す広大な砂漠の風景、国家権力の暴力と政治的無力感、大量生産/大量消費を煽る広告と看板の氾濫、そしてそれら全てを一気に吹き飛ばす映画史上最大の大爆発―『砂丘』は1960年代の反体制カウンターカルチャーの破壊、空洞化した近代社会の疎外感と、そこに生きる人間たちの虚無、そして大国アメリカの現実と未来をイタリアの巨匠が幻視した壮大な黙示録であり、後にアントニオーニの盟友となるヴィム・ヴェンダース監督の『パリ、テキサス』(1984)にも連なる〈異邦人が視たアメリカ〉の先駆けともなった重要作だ。

主演はアントニオーニが自身のイメージに合うキャストを求めて2年、ついに街中でスカウトした新人マーク・フレチェットとダリア・ハルプリン。音楽はピンク・フロイドを筆頭に、グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシア、カレイドスコープ、ジョン・フェイヒー、ローリング・ストーンズ、ヤングブラッズの、ロック、サイケデリック、フォークなど様々な楽曲が効果的に使われている。

自由を描いたアメリカン・ニューシネマの代表格『イージー★ライダー』(1969)がアメリカの神話を作ったとするならば、同じく自由を扱った『砂丘』はその神話を解体した作品。ベトナム戦争のさなか、異邦人アントニオーニが描いたアメリカのヴィジョンはアメリカ本国をはじめ、世界中で賛否両論を巻き起こしたが、初公開から半世紀以上を経てさまざまな再評価の声が高まっている。暴走する文明の極致としてのアメリカを幻視したアントニオーニの視線は、今なお変わらぬ鋭さでディストピアと化した現在のアメリカの姿をも予見していたといえるだろう。

このたび解禁となったティーザービジュアルは、アメリカ初公開当時のデザインを使用。「死の谷」の乾いた大地で主演の男女が戯れる写真に星条旗のデザインを施した巨大な原題ロゴが配置され、タイトルの前には「アントニオーニの」と堂々と監督名が謳われている。「死の谷で、夢を見た」のコピーは、今回の劇場公開用の新たなコピーだ。

同時に解禁となった特報は、ピンク・フロイドの「51号の幻想 - Come in Number 51, Your Time Is Up」の不穏なフレーズとともに「死の谷」の風景から始まるが10秒経たずに音楽が爆発、L.A.の街並みと連なるハイウェイ、無限の砂漠、巨大広告看板、果てしない道などアントニオーニが見た超大国アメリカの姿が映し出され、カラーテレビジョンの無音の爆発で締め括られている。

まとめ(注目ポイント)

  • 『砂丘』3月13日より新宿武蔵野館ほか公開1996年のレイトショー以来30年ぶりの再公開。イタリアの巨匠アントニオーニによる米国進出作。
  • 資本主義社会の虚無と爆発を描く野心作物質文明への反逆や政治的無力感を投影。「死の谷」を舞台に現代アメリカの姿を予見した黙示録。
  • ピンク・フロイドらロック界の伝説が集結ジェリー・ガルシアやストーンズなど豪華楽曲を使用。特報では「51号の幻想」が不穏に鳴り響く。
  • 日本オリジナルの特報&ビジュアルが解禁初公開時のデザインに新コピーを配したビジュアルと、街や砂漠の風景を切り取った特報映像。
作品情報

砂丘
2026年3月13日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開

出演 マーク・フレチェット ダリア・ハルプリン ロッド・テイラー
監督・脚本:ミケランジェロ・アントニオーニ 製作:カルロ・ポンティ 脚本:フレッド・ガードナー サム・シェパード トニーノ・グエッラ クレア・ペプロー 
撮影監督:アルフィオ・コンティーニ 美術デザイン:ディーン・タヴォラリス 編集協力:フランコ・アルカッリ
音楽作曲・演奏:ピンク・フロイド ジェリー・ガルシア カレイドスコープ ジョン・フェイヒー ザ・グレイトフル・デッド ロスコー・ホルコム パティ・ペイジ
ローリング・ストーンズ ザ・ヤングブラッズ 

MGM提供 カルロ・ポンティ制作 原題 MICHELANGELO ANTONIONI’S ZABRISKIE POINT
提供:キングレコード 配給:コピアポア・フィルム

1970年|アメリカ|カラー|スコープサイズ|モノラル|上映時間:113分

©2026 WBEI

公式サイト zabriskie-point2026.com

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