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2024年のベルリン国際映画祭アムネスティ国際映画賞受賞をはじめ、数々の世界的な映画祭で41冠の快挙を成し遂げた群像ヒューマンドラマ『アイ・ワズ・ア・ストレンジャー』が6月19日(金)より全国公開。このたび、「一夜の運命の交錯」を描く特別映像が解禁された。

シリア内戦下で引き裂かれる家族と、彼らに関わる人々の姿を多角的に描き出す群像ヒューマンドラマ『アイ・ワズ・ア・ストレンジャー』。今回解禁された特別映像では、医師・兵士・密航業者・詩人・船長という、それぞれ異なる場所・立場で生きる5人の視点が、少しずつ重なり合いながら映し出されていく。

シリア・戦地の病院で働く医師アミラは、突然の爆撃によって故郷を追われ、娘を連れて国外への避難を決意。反政府組織の手引きで車のトランクへ身を潜める。一方、国境警備にあたる兵士ムスタファ。検問にやってきた車のトランクからアミラ親子が引きずり出される。ムスタファは、将校からアミラ親子を撃つよう命じられ銃を構える…。

さらに、トルコでは密航業者マルワンが、難民キャンプで国外脱出を望む人たちへボート出航の説明を行い、ライフジャケットなどの準備を進めていく。その難民キャンプで暮らしていた詩人ファティとその家族も、新たな人生を求め危険な航海へ踏み出す決断を下す。そして海の向こう、ギリシャでは沿岸警備隊の船長スタヴロスが、日々流れ着く難民ボートの救助に追われていた。

やがて夜明け前、暗闇の海へとボートが押し出される。その船には、アミラ親子、ファティ一家、そして兵士ムスタファの姿もあった。「沿岸警備隊が見えたら、ナイフでボートを刺せ」――。密航業者マルワンの非情な言葉に、「我々は泳げないが…」と不安をにじませるファティ。しかしマルワンは答えることなく、「良い旅を」とだけ告げ、ボートを見送る。

別々の場所で、それぞれの事情を抱えながら生きていた5人。その選択や葛藤が連鎖するように交わり、やがてある一夜に、ひとつの運命へと収束していく――。今回解禁された映像は、多層的な視点が緊張感とともに繋がっていく本作ならではの群像劇の魅力を、凝縮して映し出す内容となっている。

さらに、本作を鑑賞した各界の著名人15名から絶賛コメントが到着。長年にわたり難民支援活動に携わってきた表現者のサヘル・ローズは、「『難民』という言葉で片づけてしまう、その無関心を、この作品は静かに壊していく」とコメントを寄せ、“難民”という言葉の奥にある、一人ひとりの人生や痛みに思いを巡らせた。

また、中東やウクライナなど数々の紛争地を取材してきた戦場ジャーナリストの須賀川拓は、「戦禍を逃れた1400万人という途方もない数のドラマを、ひとりずつ手繰り寄せていく。数々の戦場で見てきたリアルが、そこにはある」と、本作に映し出されるリアリティを称賛。また、難民や貧困を取材し続けるフォトジャーナリストでメディアNPO Dialogue for People副代表の安田菜津紀も、「生活基盤の全てから引きはがされた先に、『よそ者』扱いされる孤独は続く」と、難民たちが直面する現実に言及している。

さらに、社会や個人の痛みを鋭い言葉で表現し続けるミュージシャンの春ねむりは、「言葉を無くし立ち尽くす登場人物たちの隣で、われわれもまた立ち尽くすしかなく、それを共にするところからしか始められない未来について考えたい」とコメント。本作が描く痛みの先にある、希望へと言葉を寄せている。コメント全文・一覧は以下のとおり。

著名人コメント全文(以下五十音順、敬称略)

◆宇野維正(映画ジャーナリスト)
安易なヒューマニズムや理解に逃げることなく、
複雑なものは複雑なものとして提示し、
それでも他者を見つめ続ける作品の胆力に唸った。
編集も撮影も劇伴もすべてが超一級だが、
それ以上の何かを観客の誰もが受け取るはず。

◆川上泰徳(中東ジャーナリスト)
シリア内戦を逃れ、ゴムボートで地中海を渡る難民という、日本からは遠い世界の過酷な現実を、それに関わる5人の人間のドラマとして描く。
問題の背景や構造に踏み込む作品ではない。だが、人間の濃密な時間を切り取る構成は秀逸だ。
説明を抑えることで、不可能な状況を生きる人間のリアリティが浮かび上がる。

◆サヘル・ローズ(表現者)
守るべきものは何か。
自分の家族のために他者を犠牲にするのか、
見知らぬ誰かのために手を差し伸べるのか。

極限の中で、人間の善悪や正しさは崩れていき、
答えの出ない問いが、容赦なく突きつけられる。

たとえ生き延びたとしても、
失われた祖国や家族は戻らない。
癒えることのない傷を抱えながら、
それでも彼等は、生きていくしかない。

「難民」という言葉で片づけてしまう、
その無関心を、この作品は静かに壊していく。

一人ひとりに名前と人生があることを突きつけながら、
いまも続く現実を、私たちに『自分ごと』として迫ってきます。

どうか、目をそらさずに最後まで観てほしい。

◆SYO(物書き)
理不尽な社会と暴力に怒り、市民の無事を祈り、ただ平和を願い…
見事なラストシーンに至るまで、感情を激しく揺さぶられ続けた。
我々は見守ることしかできない。だが、心で手を差し伸べている。

◆末廣末蔵(ジャンル映画大好きツイッタラー)
言葉を失う、いや言葉に窮する、ただただ穏やかな日常を希求する家族達の群像劇。シリア内戦を舞台としながらも、我々の現実も確実に重なり合ってくる展開に背筋が冷える。
信心と義勇と理想と猜疑が複雑に入り組んだ世界で、それでも必死で愛を繋ぐひと達、絆を繋ぐひと達、そして希望を繋ぐひと達の姿に心を揺さぶられながらも、その裏に忍び寄る憎悪を繋ぐひと達の存在に怯える。

◆須賀川拓(戦場ジャーナリスト)
目を逸らしてはならない。この映画は、戦禍を逃れた1400万人という途方もない数のドラマを、ひとりずつ手繰り寄せていく。数々の戦場で見てきたリアルが、そこにはある。交錯する残虐な冷たさと温かさは、人間として何を受け止めるべきかを静かに教えてくれた。いまこの時代に、この作品に出会えたことに感謝したい。

◆高橋和夫(放送大学名誉教授)
シリア難民、取り締まる兵士、密航業者、そして難民を救うギリシア人船長、それぞれの視点からの映像が、難民問題を多面的に描き出す。この映画を見た後には、難民問題の立体像を手でつかんだような感覚に出遭(であ)うだろう。

◆堤伸輔(ジャーナリスト・テレビコメンテーター)
「この世の地獄」と言われたシリア内戦でも最も激しく悲惨な戦闘が繰り広げられたアレッポ。
そこから命懸けの国外脱出を目指す3組の人々、介在する冷酷な密航業者、そして勇敢なギリシャ沿岸警備隊船長。
私たちが知るべき悲しい現実がここに凝縮され、ストーリーとなって心に響いてくる。
2011年から今日まで家や故郷を追われたおよそ1400万のシリアの人々すべてが、この物語を共有している。

◆春ねむり(ミュージシャン)
来るべき救済はここにはない。ただ喪失だけがあり、喪失までの記憶をわれわれは共に旅する。この旅路が過剰な演出に過ぎないと言えるほど、現実が平和ならよかったのに!言葉を無くし立ち尽くす登場人物たちの隣で、われわれもまた立ち尽くすしかなく、それを共にするところからしか始められない未来について考えたい。

◆前嶋和弘(上智大学教授、政治学者)
紛争下で引き裂かれる人々の5つの物語。許せない残虐さの中で、自分や家族、あるいは目の前の苦しむ人々の実存のために、抑圧体制に抗い、荒海に向かいながら、勇気をもって立ち上がる。その強さに震える。この映画を体験することで、人々は自分の心の奥にも必ずずっしりとあるこの勇気と人間性を再確認するだろう。そこには国籍も職業も立場も全く関係ない。

◆前田有一(映画批評家)
日本でも議論が続く「難民・移民問題」。だが私たちは、その現実をどこまで知っているのだろう。この映画の怒涛の最終盤と信じがたい幕切れには、強烈なショックを受けた。今後この話題で何かを語るなら、見逃せない一本と言わざるを得ない。

◆松尾貴史(俳優)
日常が一瞬で崩壊する恐怖は、辛うじて平和な日本でも現実味を強くしている。留まっても逃避しても危険だらけの世界になってしまった。映画という擬似体験で本当に良かったと感じる。

◆森直人(映画評論家)
ハリウッドで数々の話題作を送り出してきた気鋭のプロデューサー、ブラント・アンダーセンが長編監督デビュー作で放つ熱く鋭い一手。異なる人生・場所・環境の因果的な連鎖。『クラッシュ』や『バベル』の設計法を継ぐマルチストーリーは、政治の境界線に埋もれた現実をエモーショナルに掘り起こす。

◆安田菜津紀(メディアNPO Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)
苛烈な弾圧、危険な航海、その渦巻く不条理の中で、他者への搾取を生存手段とする者も現れる。生々しい「旅」を越えてもなお「ゴール」ではない。生活基盤の全てから引きはがされた先に、「よそ者」扱いされる孤独は続くのだ。

◆綿井健陽(ジャーナリスト・映画監督)
この映画に登場する人物たちは、誰か「見知らぬ人」だった。どこかの「よそ者」だった。身近ではない「他人」だった。だが、彼らストレンジャーたちは同時に、誰かにとって「大切な人、かけがえのない人、愛する人」だった。それは恐らく、誰かではなく、誰もが人生で両方経験することに違いない。

まとめ(注目ポイント)

  • 『アイ・ワズ・ア・ストレンジャー』6月19日公開 2024年ベルリン国際映画祭アムネスティ国際映画賞受賞、世界の映画祭で41冠を達成した群像ヒューマンドラマ。
  • 5人の視点が交錯する特別映像解禁 医師、兵士、密航業者、詩人、船長という異なる立場の人物たちが、一夜の運命へと収束する物語。
  • シリア難民問題を多角的に描く群像劇 戦禍に翻弄される人々の選択と葛藤を、それぞれの立場から丁寧に映し出した構成。
  • 著名人15名から絶賛コメント到着 サヘル・ローズ、須賀川拓、安田菜津紀らが作品のリアリティと問題提起の力を高く評価。
  • 難民一人ひとりの人生に光を当てる作品 “難民”という言葉の背後にある個人の物語を描き、現代社会へ鋭い問いを投げかける一作。
作品情報

アイ・ワズ・ア・ストレンジャー
2026年6月19日(金)よりTOHOシネマズシャンテほかにて全国順次公開

STORY
独裁政権が続くシリアで、政府軍と反政府組織との内戦が激化。シリアの医師アミラは娘と共に安全な国へ逃れるため危険な国境越えを決意する。国境を守るシリア兵ムスタファは、残虐な政府軍に不信感を抱き、命令に従う兵士であるべきか、心ある人間でいるべきか苦悩する。一方、トルコの密航業者マルワンは病弱な息子とアメリカで暮らすため、難民をギリシャ行きのボートに乗せて荒稼ぎしようとする。ファティは妻子を連れてそのボートに乗り込むが、死の危機に直面。そして嵐の海を航行する難民を発見したギリシャ沿岸警備隊のスタヴロスは、人命救助に全力を尽くすのだが──。

監督:ブラント・アンダーセン 出演:オマール・シー、ヤスミン・アル・マスリー、ジアド・バクリ、ヤヤ・マヘイニ、コンスタンティン・マルクーラキス
配給:ハーク  配給協力:フリック

原題:I WAS A STRANGER|2024|アメリカ・ヨルダン・パレスチナ|英語・アラビア語|104分|カラー|映倫G

© 2025 Refugee The Film.LLC

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