第78回カンヌ国際映画祭監督週間オープニング作品『君の見る世界をなぞる』が8月21日(金)より全国順次公開。このたび、監督のメッセージ動画&コメントが到着した。
16歳の青年エンゾを取り巻く環境を、南仏の美しい風景とともに捉えた映画『君の見る世界をなぞる』。日本公開を前に、ロバン・カンピヨ監督が本作を制作した経緯や映画を通して描いたものについて語った日本宛の特別メッセージ動画が到着した。
「日本の皆さんに映画を届けられることを嬉しく思います」という監督は「この作品は私にとってとても大切な作品です。というのも、もとは私の親友ローラン・カンテの企画でしたが、彼が亡くなってしまったため私が監督を引き継いだからです」と説明。「どうかこの映画を劇場で楽しんでいただけたら幸いです」と呼びかけた。

本作は、憧れを抱く職場の先輩ヴラドとのもどかしい関係性だけでなく、エンゾの心の揺らぎを形づくる要因のひとつとして、家族とのぎこちない関係性も丁寧に描き出している。カンピヨ監督はエンゾを取り巻く家族の在り方について「家族とは、おそらく社会の中で一番“偶然によって成り立つ構造”なのかもしれません。エンゾは、家族の中でどこか“居場所を失った者”のように感じています。ローラン(・カンテ)は思春期の少年を、成長しようともがくさなぎのような存在として描くのではなく、むしろ家族から完全に切り離された人物として提示することにこだわりました」と明かし、“家族”が必ずしも安心できる居場所にはならない可能性を見せている。

そんな家族から孤立しようとしている息子を理解しようと奮闘する父親について、「私たちは父親のもつ矛盾性に興味がありました。慈悲深くありたいと思いながら、心配するあまり過干渉になってしまうところです。エンゾの父は、料理や洗濯などの家事をしますが、彼は汚れた服を拾うことを口実にエンゾの部屋に入り、息子を監視しているようにも見えるのです。私たちを惹きつけたのは、まさにこうした曖昧さなのです」と、愛情とその危うさを孕む人物像について語る。誰にとっても身近な存在である一方、自分で選ぶことのできない“家族”という関係性。偶然によってつながれた関係性ゆえに息苦しさを感じてしまうエンゾの姿は、誰もが自らの記憶と重ね合う瞬間があるだろう。
先輩の見る世界を理解したいと願うエンゾ、エンゾの見る世界を理解したいと望む両親、様々な思惑が交差する映画『君の見る世界をなぞる』。16歳のエンゾが直面する葛藤と欲望の行方は、劇場で確かめてみよう。
まとめ(注目ポイント)
- 『君の見る世界をなぞる』8月21日公開2026年8月21日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国順次公開。
- ロバン・カンピヨ監督から日本へ特別メッセージ本作の制作経緯や映画を通して描いたものについて語る監督メッセージ動画が到着。
- ローラン・カンテから引き継いだ企画カンテが手がけた企画を盟友ロバン・カンピヨが引き継ぎ、監督として完成させた作品。
- エンゾを取り巻く“家族”の曖昧さ16歳のエンゾと家族のぎこちない関係性、父親の愛情と過干渉の危うさを描写。
君の見る世界をなぞる
2026年8月21日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開
STORY
南仏の裕福な家庭で育った16歳のエンゾは、学校に馴染めず、建築現場で見習いとして働いている。そこで出会ったウクライナ出身の青年ヴラドに憧れを抱き、惹かれていくが、彼は兵役のため戦争へと向かわなければならない。満ち足りた生活を送る家族への反発、進むべき道のわからない将来への不安、そして親しい人が奪われる戦争の現実。自分の感情を制御できぬまま、エンゾが過ごす夏は、静かに形を変えていく。
監督:ロバン・カンピヨ(『BPM ビート・パー・ミニット』)
出演:エロワ・ポユ、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、エロディ・ブシェーズ、マクシム・スリヴィンスキー ほか
2025年|フランス、ベルギー、イタリア|フランス語、ウクライナ語|カラー|アメリカンビスタ|5.1ch|102分
PG12|原題:ENZO|字幕翻訳:リネハン智子|配給:樂舎
©Les Films de Pierre / Lucky Red / Page 114 / Les Films du Fleuve / France 3 Cinéma / AMI, Alexandre Mattiussi




