A24が現代人を蝕む"ワンオペ問題"に切り込む衝撃作『ワンオペレーション』が9月18日(金)より全国公開。このたび、主人公リンダ(ローズ・バーン)の暮らすアパートの天井が突如崩落し、巨大な“穴”が出現する本編冒頭の映像と新たな場面写真が解禁された。
本作の製作には『リコリス・ピザ』『ビール・ストリートの恋人たち』などを手がけ、第98回米アカデミー賞では、『ワン・バトル・アフター・アナザー』で作品賞受賞プロデューサーとなったサラ・マーフィ(A24作品初参加)、『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』『アンカット・ダイヤモンド』『グッド・タイム』などを手がけてきたジョシュ・サフディ、ロナルド・ブロンスタインが参加。さらに編集には、『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』『ボーはおそれている』などアリ・アスター監督作品を手がけてきたルシアン・ジョンストン、撮影には『アメリカ陰謀論: オクトパスを暴く』など、主にドキュメンタリー作品で知られるクリストファー・メッシーナが名を連ねている。

こうした才能が結集した本作では、映像だけでなく、照明、色彩、音響、空間に至るまで、主人公リンダの精神状態に呼応するように設計されている。ブロンスタイン監督自身、「実際に何が起きているか」ではなく「それがどう感じられるか」を捉えるため、徹底的にリンダの主観に入り込んだ、表現的な映画を目指したと語っている。
撮影を担当したメッシーナは、主演のローズ・バーンの顔へ極端なまでにカメラを近づけ、観客がリンダのパーソナルスペースに入り込んだかのような息苦しさを生み出した。さらに35ミリフィルムならではの質感によって、整いすぎていない、生々しい世界を構築。色彩や照明も、病院やモーテル、野原など、リンダが置かれる場所ごとに異なる感触を与えている。
そして本作では、伝統的な劇伴音楽の代わりに、セラピー室のホワイトノイズや栄養管の警告音、ベビーモニター、天井の“穴”から響く音まで、さまざまな音がリンダの主観的な世界を形作る。音響デザイナーのルイ・ガルシア(『ROMA/ローマ』『ミッドサマー』)とフィリペ・メセダー(『ライトハウス』『WEAPONS/ウェポンズ』)は、現実の音を再現するだけではなく、「リンダにはどう聞こえているのか」という視点から音を構築。病院のシーンでは少年院の環境音をベースにするなど、観客の無意識に働きかける音響を作り上げている。

さらに、極限状態を描く本作には、ブラックユーモアも重要な役割を果たしている。ブロンスタイン監督は、観客を暗く、不快で、怖い場所へ連れていく一方で、映画が“爆発”しないための「小さな逃し弁」としてユーモアを意図的に組み込んだと説明。緊張と笑いが隣り合う独特のリズムによって、リンダの感情の揺れをそのまま体験させる構成となっている。
今回解禁された本編映像では、そんな世界観の出発点ともいえる、リンダの日常が一瞬にして崩れ去る映画冒頭の“穴”のシーンを捉えている。平穏だったはずのアパートに突如として異変が起こり、轟音とともに天井が崩落。巨大な穴が出現し、リンダは予期せぬ事態へと放り出されていく。

この天井の崩落は、デザインチームが実際の天井を崩落させて撮影したもの。撮影できる機会はわずか2回しかなく、崩落を目の当たりにしたローズ・バーンの驚きは、その瞬間に生まれた本物の反応だという。住居のトラブルとして現れた“穴”は、やがてリンダの人生に広がる不在や喪失、そして現実と妄想の境界を象徴する存在へと姿を変えていく。
数々の作品で独自の映像表現を追求してきたスタッフたちが、映像、音、空間、特殊効果の細部まで積み重ねて生み出した『ワンオペレーション』。監督が「体験する映画」と語るその世界は、観客をリンダの主観のただ中へと引き込み、スクリーンの向こう側ではなく、自分自身の感覚として物語を体感させていく。
本作は、『ミッドサマー』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』など数々の話題作を送り出してきた気鋭スタジオのA24が製作。本来は複数人で担うべき育児や家事、仕事を一人で背負う"ワンオペレーション"という現代社会の構造的問題を、スリラー、心理ドラマ、ダークコメディが融合した予測不能な物語として描き、主人公の日常とアイデンティティーが崩壊していく様を、観る者に追体験させる衝撃作となっている。
まとめ(注目ポイント)
- 『ワンオペレーション』9月18日公開ローズ・バーン主演、A24製作の衝撃作が9月18日より全国ロードショー。
- 天井崩落から始まる日常の崩壊本編冒頭映像では轟音とともに天井が崩落し、巨大な“穴”が出現する。
- 実際の崩落が生んだローズ・バーンの反応撮影機会わずか2回の天井崩落で生まれた、主演俳優の本物の驚きを収録。
- 映像・音響・空間で描くリンダの主観35ミリフィルムや環境音を駆使し、主人公の精神状態を観客に追体験させる構成。
- “ワンオペ”がもたらす極限状態育児、家事、仕事を一人で背負う現代社会の構造的問題を予測不能な物語として描く。
ワンオペレーション
2026年9月18日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
STORY
家事と育児、セラピストの仕事に追われるリンダは、原因不明の病を抱える幼い娘の世話に追い詰められていた。顧客の患者への対応、娘の担当医からの叱責、出張中の口うるさい夫からの電話──休まる暇もない日々の中、自宅アパートの天井が突然崩落し、娘とともに海辺の格安モーテルへ移り住むことに。誰にも頼れない孤独のなかで限界を迎えた彼女は、思いもよらぬ事態へと飲み込まれていく──。
監督・脚本:メアリー・ブロンスタイン
出演:ローズ・バーン、コナン・オブライエン、エイサップ・ロッキー、ダニエル・マクドナルド
2025年/アメリカ/英語/113分/2.39:1/5.1ch/カラー/原題:If I Had Legs I’d Kick You/日本語字幕:堀上香/配給:東京テアトル、シンカ
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