今年で23回目を迎えるスペイン・ポルトガル語圏を主軸とした映画の祭典「ラテンビート映画祭(LATIN BEAT FILM FESTIVAL)」の開催が決定した。2026年10月26日(月)から11月4日(水)まで開催される第39回東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門にて、「第23回ラテンビート映画祭 IN TIFF」と題し、スペインやラテンアメリカの最新話題作、全4作品が上映される。

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2003年6月に「バスク映画祭」としてスタートした「ラテンビート映画祭」は今年で23回目を迎える。「ラテンビート映画祭」は、スペイン・ラテンアメリカ映画の最新注目作をどこよりも早く日本に紹介する映画祭。コロナ禍の2020年より東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門内にて「ラテンビート映画祭 IN TIFF」がスタートした。
今回の注目作品は、3つの時代を交錯させながらクィア男性たちの人生と欲望を描いた『La Bola Negra(原題)』。第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にて監督賞を受賞し、第99回アカデミー賞国際長編映画賞のスペイン代表に選ばれた話題作だ。
ほかにも、年齢も境遇も異なる男女の心の交流を描き、エキュメニカル審査員賞とベルリナー・モルゲンポスト読者審査員賞を受賞した『ハエ』、1986年メキシコW杯準々決勝アルゼンチン対イングランド戦を題材にしたスポーツ・ドキュメンタリー『あの試合』、ニュー・ジャーマン・シネマを代表する女優にして歌手のイングリッド・カーフェンが、2025年にパリのブッフ・デュ・ノール劇場で披露した一夜限りのコンサートを収めたドキュメンタリー『私の人生の16の瞬間』がラインナップ。

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「第23回ラテンビート映画祭 IN TIFF」のチケットは、10月17日(土)から販売開始となる。
上映作品
『ハエ』(原題:Moscas/英題:Flies)
2026年/メキシコ|102分|モノクロ|スペイン語
監督/製作/共同脚本/編集:フェルナンド・エインビッケ
出演:テレシタ・サンチェス、バスティアン・エスコバル、ウーゴ・ラミレス
【作品紹介】
メキシコの実力派監督が描くオフビートなヒューマンドラマ
2008年の『レイク・タホ』にて、ベルリン国際映画祭でアルフレッド・バウアー賞を含む2部門受賞&金熊賞ノミネートを果たしたほか、『オルモと夏のステレオ』(25)の日本公開も控えるメキシコのフェルナンド・エインビッケ監督の最新作。メキシコシティのアパートを舞台に、孤独な中年女性と9歳の少年の交流を描いたヒューマンドラマで、本年度ベルリン国際映画祭エキュメニカル審査員賞を受賞した。
巨大な集合住宅で、誰とも深く関わらず、厳しく律した生活を送るオルガ。彼女は経済的な事情からアパートの一室をある男に貸すが、彼は9歳の息子クリスティアンも内緒で連れ込んでいた。クリスティアンの存在に気づいたオルガは、とあることをきっかけに、彼と思いがけない絆を築いていくが……。
オルガ役のテレシタ・サンチェスは、2023年の第20回ラテンビート映画祭上映作『夏の終わりに願うこと』(上映時タイトル『Totem(原題)』)にも出演。エインビッケ監督は、2010年の第7回でオムニバス『レボリューション』の参加監督(「ようこそ」担当)の1人としてゲスト来日を果たしている。
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『La Bola Negra(原題)』(英題:The Black Ball)
2026年/スペイン|159分|カラー|スペイン語
監督/共同脚本:ハビエル・カルボ、ハビエル・アンブロッシ
出演:ギタリカデラフエンテ、ミゲル・ベルナルデウ、ペネロペ・クルス
配給:トランスフォーマー
【作品紹介】
2027年アカデミー国際長編映画賞スペイン代表作!
“ロス・ハビス”と呼ばれる監督コンビとして、スペインの映像エンターテインメントを席巻してきたハビエル・カルボとハビエル・アンブロッシが、スペイン内戦中に銃殺されたスペインの詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカによる未完の遺稿を基に、1932年、1937年、2017年という3つの時代に生きる3人のクィア男性の人生を交錯させた壮大なドラマ。本年度カンヌ国際映画祭監督賞を受賞したほか、サン・セバスチャン映画祭でも観客賞を受賞。2027年アカデミー国際長編映画賞スペイン代表にも選ばれている。
異なる時代のスペインを生きる3人の男たちを、欲望と苦しみ、そして受け継いできた遺産が結びつける。1930年代で描かれるのは、共和国軍の兵士セバスティアンがガルシア・ロルカの実在の恋人ラファエルに抱く秘めた想い。2017年のマドリードでは、アルベルトが母親の抵抗に遭いながらも壊れた家族を修復しようとする。
スペインの人気シンガー、ギタリカデラフエンテが映画デビューを果たすほか、Netflix「エリート」で注目のミゲル・ベルナルデウ、名女優ペネロペ・クルスも出演。製作には巨匠ペドロ・アルモドバルも名を連ねている。ちなみにロス・ハビスは、『ホーリー・キャンプ!』を引っさげ、2017年の第14回ラテンビート映画祭でゲスト来日を果たしている。
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『あの試合』(原題:El Partido/英題:The Match)
2026年/アルゼンチン・スペイン合作|91分|カラー・モノクロ|スペイン語・英語
監督/脚本:フアン・カブラル、サンティアゴ・フランコ
原作:アンドレス・ブルゴ
出演:ゲーリー・リネカー、ホルヘ・バルダーノ、オスカル・ルジェリ
【作品紹介】
マラドーナの“神の手”──伝説の一戦が意味したものとは?
ディエゴ・マラドーナの“神の手”ゴールで知られる、1986年FIFAワールドカップ・メキシコ大会準々決勝のアルゼンチン対イングランド戦を多角的な視点から振り返り、両国の間で2世紀以上にわたって続いてきた対立の歴史をたどるドキュメンタリー。本年度のカンヌ国際映画祭で初披露された。
本作は、“神の手”を含む貴重なアーカイブ映像と、イングランド代表のストライカー、ゲーリー・リネカー、ウイングのジョン・バーンズ、ゴールキーパーのピーター・シルトン、アルゼンチン代表フォワードのホルヘ・バルダーノ、センターバックのオスカル・ルジェリらの証言を交え、アステカ・スタジアムで行われた伝説的な一戦を振り返る。さらにはグラウンド外にも視線を向け、試合のわずか4年前に勃発したフォークランド紛争(フォークランド諸島におけるイギリスとアルゼンチンの軍事衝突)の記憶や両国の国民感情が、この試合にどのように投影されたのかを浮かび上げる。
監督のひとりフアン・カブラルは、CM、ミュージックビデオを手掛けてきたアルゼンチン出身の気鋭監督。英「イブニング・スタンダード」紙の「ロンドンで最も影響力のある100人」にも選出されている。
『私の人生の16の瞬間』(原題:Seize moments de ma vie/英題:Sixteen Moments of My Life)
2026年/フランス・スペイン合作|86分|カラー|ドイツ語・フランス語
監督/製作/編集:アルベルト・セラ
出演:イングリット・カーフェン、モルフォルツ
【作品紹介】
“ファスビンダーのミューズ”のコンサートを鬼才監督が記録!
ラテンビート映画祭でもすっかりお馴染みとなった、スペイン・カタルーニャ出身の異才アルベルト・セラ監督の最新作。女優、歌手であり、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督のミューズとして数々のファスビンダー作品に出演し、ニュー・ジャーマン・シネマの象徴的歌姫となったイングリット・カーフェンが、パリの歴史的建造物ブッフ・デュ・ノール劇場で行った一夜限りのコンサートを記録したドキュメンタリー作品。本年度ロカルノ映画祭で上映された。
演奏はセラ作品の音楽を手掛けるモルフォルツが担当。彼らが制作した楽曲にカーフェンが即興で歌を乗せる形で作り上げていった16曲はカーフェンの自伝的な内容で、オペラ、キャバレー、エディット・ピアフ風のスタイルを行き来する。セラ監督の前作『孤独の午後』と同様に被写体に集中する姿勢が貫かれ、観客席のショットが一切入らない形でカーフェンらの唯一無二のパフォーマンスが捉えられる。
前述の『孤独の午後』は、2024年の第21回ラテンビート映画祭にて上映。2022年の第19回ラテンビート映画祭では、同年のカンヌ国際映画祭パルム・ドール候補『パシフィクション』が上映されている。
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まとめ(注目ポイント)
- 第23回ラテンビート映画祭 IN TIFF開催第39回東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門にて上映。
- 注目作『La Bola Negra』はカンヌ監督賞受賞第79回カンヌ国際映画祭監督賞受賞作で、アカデミー賞スペイン代表作。
- 全4作品を上映年齢も境遇も異なる男女の心の交流を描く『ハエ』などを上映。




