2020年カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションに認定されたフランス映画『スザンヌ、16歳』が8月21日(土)より公開。公開に先駆けて第2弾ビジュアルが完成した。また女優・小川紗良、ゲームクリエイター・小島秀夫、NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」作曲家・世武裕子、イラストレーターの網中いづるといったアーティスト&クリエイターから絶賛コメントが到着した。
本作は、 フランスの超新鋭スザンヌ・ランドンが脚本・監督そして主演を務めた作品。彼女が15歳の時に執筆したのは、パリ・モンマルトルを舞台に高校生が年の離れた大人の男性に恋をする、ひと夏の物語。当時、誰にも打ち明けられず、自身の内側に抱えていた思春期の憂うつな感情や恋愛への憧れを脚本へと昇華させた。この脚本を元に19歳で映画制作に着手。主演として複雑で不安定な少女の内面を体現し、監督としてその繊細さを瑞々しくスクリーンに映し出した。
ダンスを介した男女のやり取り、現代演劇の演出ほか、映画、文学、舞台、音楽といったあらゆるカルチャーの名作へのオマージュを盛り込みながら、新世代のやわらかくも鋭い感性で綴られた本作。時代を超え、年齢や性別を超えて誰の心にも通じる普遍性と斬新さをあわせ持つ、まったく新しいフランス映画だ。
このたび解禁された第2弾ビジュアルに描かれているのは、同じ方向に傾きながら物憂げな表情のヒロイン・スザンヌと恋の相手のラファエル。劇中の印象的なシーンを切り取ったビジュアルとなった。
ピュアでフレッシュ、そして心を揺さぶる本作に、アーティスト&クリエイターから続々と絶賛コメントが寄せられた。コメント一覧は以下の通り。
15歳で脚本を書きあげ、19歳で主演と監督を務めたスザンヌ・ランドンとは?
彼女が恋した映画『スザンヌ、16歳』とは?
スマホもパソコンもSNSも登場しないティーンエイジ映画なんてあるの?!と惚れたかもしれない。
台詞や説明要素も、上映時間さえ極限に抑えたシンプルさ。そこから醸しだされる透明感。スザンヌは既存の表現に縛られない奔放な演出で、16歳に熾る“初恋”の揺らぎをピュアに映像化している。
さらに、スザンヌは“初監督作”であるにも関わらず、既に独自のスタイルを確立している。情報過多な日常に退屈している我々はひととき「スザンヌ、16歳」に恋するはずだ。
小島秀夫(ゲームクリエイター)
ソーダの気泡のようにささやかな声で、不器用に発せられるスザンヌの言葉。それに対して身体はなんとなめらかで、本心を雄弁に物語るものだろう。
自ら描き演じ切った、「スザンヌ・ランドン」としか言いようのないアンビバレントな叙情詩を、数年後の彼女自身がどう思うのかということに、心がひりひりしている。
小川紗良(役者・映像作家・執筆家)
清潔な白いシャツとヘアゴムやソーダの赤色のコントラストに、瑞々しさと強さを感じる。憧れだった青春映画のノスタルジーや自分の遠い記憶も重ねて見入ってしまった。
網中いづる(イラストレーター)
思春期の頃、『なまいきシャルロット』に出会ったときを思い出す。アンバランスで物憂げながら、ゆかしく自分らしく意思を持って歩む16歳のスザンヌに、再び私は憧れを抱く。赤いゴムで無造作に髪を束ね、ざくろソーダを愛飲し、恋しくて踊る彼女がとても愛おしい。
甲斐みのり(文筆家)
彼女の名前から、鳴り物入りで映画デビューしたのかな?と思っていたら(失礼)、
縦横無尽にスクリーンを生きていて、柔和で瑞々しく、可愛いのにカッコいいのだからビックリしてしまった!
この作品に出会ってからというもの、ふと思い返しては、フレンチ女子のズルい魅力満載な彼女が気になって仕方がない。
やられた。
世武裕子(映画音楽作曲家)
16歳の夏、ソーキそばを食べていた時に、ひと回り年上の好きだった人が麺はこうやって啜るんだよと教えてくれた。“教えてくれた”って思ってた、この映画を見るまでは。グレナデンソーダで退屈を赤く染めながら、赤いスクーターには乗らないスザンヌのことが好き。
首藤凜(監督・脚本家)
甘くて、ちょっと酸っぱくて刺激的なグレナデンソーダの味がする、パーフェクトなティーンエイジ・ムービー。気持ちの変化を言葉に頼らず動作に込めた演出と、その延長線上にあるダンスに舌を巻く。
青野賢一(ビームス ディレクターズルーム クリエイティブディレクター・ライター・DJ)
解説的な言葉を拒むことでランドンの「映画」は、リズムとテンポと喜劇性を獲得した。男の姿ではなく劇場の(ファサド)に向けてニンマリ笑う幕切れが仄めかすのは――
16歳の、ザクロ色の恋? 大切なのは「映画」なんだから、恋の行方なんて……。
工藤庸子(フランス文学・東京大学名誉教授)
スザンヌ、16歳
2021年8月21日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
《STORY》スザンヌは16歳。同年代の友人たちに退屈している。恋に憧れはあるけれど、学校の男の子たちが魅力的とは思えない。ある日彼女は、劇場の前で年の離れた舞台俳優のラファエルと出会う。彼もまた繰り返される舞台や仲間たちとの付き合いに退屈していた。そんな二人はすぐに恋に落ちる。けれどスザンヌは、彼に夢中になればなるほど、不安にもなりはじめる。自分が思い描いていた“16歳の時”が、どこかに消えていってしまいそうで…
2020年/フランス/77分/原題:16 Printemps(Seize Printemps)
【キャスト】スザンヌ・ランドン、アルノー・ヴァロワ(『BPMビート・パー・ミニット』)、フレデリック・ピエロ、フロランス・ヴィアラ、レベッカ・マルデール
【スタッフ】監督・脚本: スザンヌ・ランドン 編集:パスカル・シャヴァンス、音楽:ヴァンサン・ドレルム
公式HP:suzanne16.com
この記事が気に入ったらフォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow WEEKEND CINEMA