本年11月11日(木)~14日(日)の期間に開催することが決定した「フランス映画祭2021 横浜」のラインナップ発表会見が10月14日(木)に実施され、全11作品のラインナップが発表された。また会見には今年のフェスティバル・ミューズに決定した杏が登壇した。
フランス大使館の大使公邸にてオンライン配信の形で開催された記者会見には、杏(フェスティバル・ミューズ)、山中竹春(横浜市長)、田川丈二(日産自動車株式会社 専務執行役員 チーフサステナビリティオフィサー)、フィリップ・セトン(駐日フランス大使)が登壇。
大きな拍手に迎えられて登場した杏は「大変光栄です。女優として早10年、こうして国際的な文化芸術の架け橋ということで大役を任されました。来月の映画祭も楽しみにしています」とにこやかに挨拶した。
好きなフランス映画について聞かれると、女優では「アヌーク・エーメさんがすごく好き」と明かし、好きな作品については画家アメデオ・モディリアーニの伝記映画である「モンパルナスの灯」を挙げた。
また、フランス映画を観ることによる自身への影響について聞かれると「絵がとにかく美しいですよね。空の色、人の表情が絵葉書の様につながっている様に感じる。自分が表現していく上で参考になるな、というように観ています」と言い、フランス映画へ出演のオファーがあったら?の質問には「その様な話があったら嬉しい。ひとつオーディションをうけた作品もあったが実現しなかったので、チャレンジしてみたい」と前向きに返答をした。
また、フランスという場所に対しての思い出については、「私にとってパリ、フランスは青春そのもの」という。10代の頃からパリコレ等で活躍していた当時に想いを馳せ、「今のようにスマホもなかった時代なので、地図を持ってアドレスをめくりながらオーディションに行き、英語もフランス語も分からない状態でとにかく飛び込んで、最先端のファッションの現場に行くことができた」となつかしく語る。そしてその時の経験が「私のどこかで熟成されている」と今も大事にしていると語った。
また、今回会場となる横浜の印象については、「とにかく映える街ですよね。「デート〜恋とはどんなものかしら〜」の撮影が全て横浜だったので、朝も昼も夜も綺麗。歴史もあって、美味しいご飯もあって、とても思い出のある場所となっている」と語った。
最後に、フランスに旅行に行くとしたら、何をしたいか?と問われると、「カフェでお茶をしたり、パンを買ったり、そんなあたりまえのことをしたいなと思います。ミュージアムにも行きたいな」と大好きな街に想いを馳せた。
ラインナップ発表にあわせて予告編も解禁された。ユニフランスのダニエラ・エルストナー代表は「多彩で豊かなフランス映画の中から、今年は11作品を選びました。『ヴォイス・オブ・ラブ』をはじめ、女性の活躍をうかがえる作品をご紹介します」と語っている。全11作品のラインナップは以下の通り。
作品情報 *全11作品
オープニング作品
『ヴォイス・オブ・ラブ』(仏: ALINE)
第74回 カンヌ国際映画祭
アウト・オブ・コンペティション部門正式出品(2021)
監督・脚本・主演:ヴァレリー・ルメルシエ
出演:シルヴァン・マルセル、ダニエル・フィショウ、アントワーヌ・ヴェジナ
2020/フランス・カナダ/シネマスコープ/126分/音楽映画、ドラマ
配給:セテラ・インターナショナル
©Rectangle Productions/Gaumont/TF1 Films Production/De l'huile/Pcf Aline Le Film Inc./Belga
フランスが誇る国民的スター、ヴァレリー・ルメルシエが、ユーモアとフィクションを交えながらセリーヌ・ディオンの半生を愛を込めて忠実に再現。世界的歌姫の知られざる愛の物語を「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」などセリーヌ・ディオンの大ヒット曲や不滅の名曲約30曲に乗せて大迫力のライブシーンで描き出す。歌で人々を幸せにする夢に向かって進んだ、二つの魂の絆が《愛の声》に乗ってすべての人の心に響く。
ドライブインシアター作品
『セヴェンヌ山脈のアントワネット』(仏: ANTOINETTE DANS LES CÉVENNES)
第73回カンヌ国際映画祭 正式出品(2020)
監督:キャロリーヌ・ヴィニャル
出演:ロール・カラミー、バンジャマン・ラヴェルネ
2020/フランス/シネマスコープ/95分/コメディ
©DR
小学校教師のアントワネットは、生徒の父親ウラジミールと不倫中。夏休みに密かにバカンスを共にするのを楽しみにしていた。だが、ウラジミールは家族とセヴェンヌ国立公園にハイキングに行くことになり、二人のバカンスは中止に。諦めきれないアントワネットは、自分もロバを予約してウラジミールを追いかける!
『約束』(仏: LES PROMESSES)
第78回ヴェネチア国際映画祭(2021)
監督:トマ・クルイトフ
出演:イザベル・ユペール、レダ・カテブ、ネドラ・アヤディ
2021/フランス/シネマスコープ/98分/ドラマ
© 2021, 24 25 FILMS – WILD BUNCH – FRANCE 2 CINEMA - ELLE DRIVER
パリ郊外の市長をつとめるクレモンスは、まもなく任期を終え、政治家人生の幕を閉じようとしていた。長年、忠実な右腕のヤジッドと共に、市の貧困や失業、スラム街の問題に真摯に取り組んできたクレモンスは、最後の大仕事を成し遂げるために、市民の説得に頭を悩ます。そんなある日、彼女に大臣職への誘いが舞い込み、政治人生を終わらせることを躊躇し始めるクレモンス。自分の政治家人生と数々の約束・・・。彼女が選択するのは…?
『分裂』(仏:LA FRACTURE)
第74回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門(2021)
監督:カトリーヌ・コルシニ
出演:ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、マリナ・フォイス、ピオ・マルマイ
2021/フランス/シネマスコープ/98分/ドラマ
©DR ©CHAZ Productions
ラフとジュリーは、破局寸前のカップル。ある日、転倒して腕の骨を折ったラフは、救急に運ばれ、ジュリーも駆けつける。その日は、パリで「黄色いベスト運動」の大規模デモがあり、救急はデモで怪我をした人々で溢れていた。長い待ち時間の間に、ラフはデモで足を怪我したヤンと知り合い、自分の偏見や思い込みに気づく。病院の外では、デモ隊と警察の攻防がさらに激しさを増し、病院は臨時閉鎖されることに。病院内は更に混乱し、長い夜は続く…。
『ウイストルアム - 二つの世界の狭間で -』(仏:OUISTREHAM)
カンヌ国際映画祭 監督週間(2021)
第69回サン・セバスティアン国際映画祭 ベスト・ヨー
ロピアン・フィルム 観客賞(2021)
監督:エマニュエル・カレール
出演:ジュリエット・ビノシュ、エレン・ランベール
2021/フランス/アメリカンビスタ/106分/ドラマ
©DR©Christine Tamalet
著名な作家のマリアンヌは、次の本の題材となる雇用不安の取材のため、フランス北部でリサーチをすることに。低所得者の雇用の現状を知るために、マリアンヌは素性を隠し、掃除婦として働き始める。彼女は、人々の金銭的な不安や、見えていなかった社会問題を身をもって体験すると同時に、共に働く仲間たちの間の助け合いや、強い絆にも気づき、執筆は順調に進んだが…。
『あなたが欲しいのはわたしだけ』(仏: VOUS NE DÉSIREZ QUE MOI)
第59回NY映画祭 (2021)
第69回サン・セバスティアン国際映画祭(2021)
監督:クレール・シモン
出演:スワン・アルロー、エマニュエル・ドゥヴォス
2021/フランス/アメリカンビスタ/95分/ドラマ
©︎DR
1982年。著名作家で映画監督のマルグリット・デュラスの最後の恋人、ヤン・アンドレアは、友人のジャーナリストに、自分とデュラスの関係、デュラスに対する思いをインタビュー形式で録音して欲しいと頼む。インタビューで明らかにされる、彼らの愛の形とは…。
『DÉLICIEUX(原題)』(仏:DÉLICIEUX)
監督:エリック・ベナール
出演:グレゴリー・ガドゥボワ、イザベル・カレ
2020/フランス・ベルギー/シネマスコープ/112分/歴史ドラマ
配給:彩プロ
©︎2020 NORD-OUEST FILMS―SND GROUE M6ーFRANCE 3 CINÉMA―AUVERGNE-RHôNE-ALPES CINÉMA―ALTÉMIS PRODUCTIONS
1789年、革命直前のフランス。大胆でありながら誇り高い料理人のピエールは、主人である傲慢な公爵に解任されるが、彼の側で料理を学びたいと願う女性ルイーズの助けを借りながら、世界で初めて一般人のために開かれたレストランを営むこととなる。店はたちまち評判となるが、公爵にその存在を知られることとなってしまう。
『アプローズ、アプローズ!』(仏:UN TRIOMPHE)
監督:エマニュエル・クールコル
出演:カッド・メラッド、マリナ・ハンズ
2020/フランス/2.39:1/105分/コメディ・ドラマ
配給:リアリーライクフィルムズ
©2020 – AGAT Films & Cie – Les Productions du Ch’timi / ReallyLikeFilms
売れない俳優のエティエンヌは、生活費のために刑務所での演劇ワークショップの講師の仕事を引き受ける。しかし、演技経験ゼロの収容者たちの演技力に驚いた彼は、本物の劇場で彼らと一緒に芝居をすることを決意する。公演までに引き起こる様々なトラブルを乗り越え、無事に最終公演を迎えられるのか? 実話に基づく、人間の冒険の物語。
『東洋の魔女』(仏: LES SORCIÈRES DE L'ORIENT)
監督:ジュリアン・ファロ
出演:谷田絹子、松村好子、篠崎洋子、松村勝美、半田百合子
2020/フランス/シネマスコープ/100分/ドキュメンタリー
配給:太秦
©UFO Production
日本で最初のオリンピックが開催された1964年。次々とメダルを獲得していく日本人の姿に国民たちは熱狂し、なかでも、圧倒的な実力を見せたのが女子バレーボール代表だった。「東洋の魔女」が真に成し遂げたものとは何だったのか? その秘密が今、解き明かされる。
『月の守護者の伝説』(仏:MUNE, LE GARDIEN DE LA LUNE)
監督:アレクサンドル・エボヤン、ブノア・フィリポン
2014/フランス/シネマスコープ/85分/ファンタジー・アニメーション
配給:リスキット
©︎Onyx Films-OrangeStudio-Kinology
ここは月と太陽が同時に存在する世界。主人公ミューンは、ひょんなことから月の守護者に選ばれた。しかし、いくつものミスを犯し、冥界の王が太陽を盗む好機を与えてしまった。太陽の守護者ソホーンと、蝋でてきた少女グリムと共に、ミューンは冒険に出かけ、伝説の守護者となる。
『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』
(仏:SALVATOR MUNDI, LA STUPÉFIANTE AFFAIRE DU DERNIER VINCI)
監督:アントワーヌ・ヴィトキーヌ
出演:ロバート・サイモン、ルーク・サイソン
2021/フランス/ヴィスタ/100分/ミステリー・ノンフィクション
配給:ギャガ
©2021 Zadig Productions
ダ・ヴィンチ最後の『傑作』!? 誰が、どうやって、その絵を13万円から510億円に生まれ変わらせたのか!? 華やかなオークションの裏で、暗躍する者たちと蠢く陰謀──美術界に潜む闇と巨額の取引の実態を生々しく暴いていくミステリー小説を超えた欲望まみれのノンフィクションムービー!
フランス映画祭2021 横浜 Festival du film français au Japon 2021
■期間:11月11日(木)~11月14日(日)
■会場:みなとみらい21地区中心に開催
■主催:ユニフランス
■共催:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、横浜市
■特別協賛:日産自動車株式会社
■協賛:CNC、PROCIREP、TitraFilm
■公式HP:https://www.unifrance.jp/festival/2021/
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