『DUNE/デューン 砂の惑星』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、主人公ポール役にティモシー・シャラメを選んで正解だったと確信した瞬間を明かした。そのシーンをシャラメが見事に演じた瞬間、喜びのあまりカメラの後ろで踊り出してしまったほどだという。

"Denis Villeneuve" by Gage Skidmore is licensed under CC BY-SA 2.0
1965年のフランク・ハーバートの傑作SF小説「デューン」を、原作小説の大ファンだったというドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が完全映画化した『DUNE/デューン 砂の惑星』。空前の豪華キャストが話題を呼んでいるが、特に注目されているのが“次世代ハリウッドのホープ”と呼ばれるティモシー・シャラメだ。“未来が視える”能力を持つ主人公ポール・アトレイデスの葛藤と成長をリアルな演技で体現している。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は撮影の初期に、彼を主役に抜擢して正解だったと確信した瞬間があったという。「The A.V. Club」のインタビューで次のように語っている。
「本当のことを言いましょう。最初の方で撮影したシーンに、「ゴム・ジャッバールの試練」がありました(ベネ・ゲセリットの教母の前でポールが箱に手を入れるシーン)。それは不思議な、無意識のうちに変化していくプロセスです。そのシーンを撮影したとき、私はティモシーの中にまさにそのような変化を見ました。主人公ポール・アトレイデスが別のものになっていくのをこの目で見たんです。そのとき、ティモシーは私を見ていませんでしたが、私はカメラの後ろで踊っていました。私は“なんということだ、彼は本当に素晴らしい”と思いました。そして“映画の神様、ありがとうございます。私は正しいポール・アトレイデスをキャスティングしました”と思ったんです」
Embed from Getty Imagesベネチア映画祭のティモシー・シャラメとドゥニ・ヴィルヌーヴ監督
傑作小説『デューン』の映画化にはこれまで多くのクリエーターが挑んできたが、その壮大な内容ゆえにほとんどが失敗に終わっている。そうした歴史を踏まえれば、監督にのしかかるプレッシャーは想像を絶するものだったに違いない。しかしシャラメの名演はそんな監督の不安を一瞬で払しょくしてしまったようだ。監督は「彼なくしてDUNEはなかった」とまで言い切っている。
『DUNE/デューン 砂の惑星』は10月15日より全国公開中。