初の極右政権成立にゆれるブラジル社会の高校生たちを追った青春群像ドキュメンタリー『これは君の闘争だ』にラッパーのダースレイダーや哲学・思想史研究等をする森元斎ら著名人からの称賛コメントが多数到着した。あわせて新ビジュアルも解禁された。
2019年度ベルリン映画祭のジェネレーション部門で初公開され、アムネスティ・インターナショナル映画賞と平和賞を受賞。その後各地の映画祭で上映を重ね山形国際ドキュメンタリー映画祭にて優秀賞を受賞した『これは君の闘争だ』。映画内では学校占拠、道路封鎖、学生たちが自ら学校を守るために奮闘するテン年代のリアルな学生運動を描いており彼らの姿は映画を観ているものに対しても高揚感と躍動感を与えてくれる。
公開まで1か月を切り、公開日が11月6日(土) に決定。そして、新ビジュアルの完成と共に各業界で活躍する著名人より応援コメントも到着した。
ラッパーのダースレイダーや哲学・思想史研究等をする森元斎をはじめとし、「明け方の若者たち」等でも知られる小説家・カツセマサヒコやリーガルリリーのたかはしほのかなど、各分野で活躍する“いま”をみつめアートで届けるクリエイターによる、「われわれ、やるしかなくない?」「いま、ここにも届きました」「パワーをもらい日常を見つめなおすきっかけとなった」など多くの称賛の声&応援コメントが続々と届いている(コメント全文は以下にて)。
『これは君の闘争だ』は11月6日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。
著名人コメント
この映画を見て頭を抱えた。成功だけを描いた作品ではなく、闘争ゆえに失ったものや、訪れてしまったものも生々しく映し出す。自分自身は?間違っていないだろうか?だが、 足は止めない。彼らのように。
REINO(ラッパー)
眼前の敵には負けても、実は考え方を変えれば、勝ってしまっていることがある。政治家どもがいかなる奴らなのかを世界に知らしめ、高校生の課題が何なのかを知らしめることができる。闘争は決して負けないのだ。
森元斎(長崎大学教員、哲学・思想史研究)
遊撃的に繰り出される3つの声のナレーションに一瞬でひきこまれ、変幻自在の映像にひたすら「かっけえ……」とつぶやく。『チリの闘い』の「同志たち」に勝るとも劣らない魅力的な人々。しかし、運動への幻滅やトラウマをにじませながらそれでも路上に立つ彼らの情動をカメラがミクロに捉えるとき、単なる羨望ではない、私のなかのなにかが共振する。人々の身体と言葉がつくりだす「特別な場」を記憶に刻む、歴史的な傑作だ。
新谷和輝(ラテンアメリカ映画研究者)
三人の若者が、自分たちの社会運動を振り返り、語る。政治に絶望し、嘆くだけで終わらせない。私たちは生きていかなければならない。声を上げれば社会は変わる、声は波紋となり社会を震わせる、その希望に賭けよう。さあ、自分の言葉で語ろう。これは私の闘争だ。
西原孝至(映画監督)
ビート!ビート!ビート!
この作品にはビートが溢れている。最初から最後までリズムが鳴り響く。
「誰もが唇と身体を触れ合わせたくてドキドキ。夜通し踊ってイケイケ」、これこそがビートによってもたらされる到達地点だ。学生たちはビートによって社会の外側まで躍り出て、異性も同性も年齢も国籍も関係なく混ざり合い、愛し合う。この感覚をお互いに確かに感じあってから彼らは社会に戻っていくのだ。
ダースレイダー(ラッパー)
燃えるような音楽・実践・アジテーション、マジで全部他人ごとじゃなかった。何も手元になくたって、魂と肉体を持っているならできることがある。
われわれ、やるしかなくない?
高島鈴(ライター、アナーカ・フェミニスト)
ドキュメンタリー映像とラップ音楽の不思議なコンビーションが癖になる。エネルギッシュな彼らのムーブメント、もう大人には止められない! 同じ学生という立場から、パワーをもらい日常を見つめ直すきっかけとなった。
charo(映画イラストレーター)
冒頭、映画の制作会社のロゴが続くお馴染みの映像に重ねられた声に、惹きつけられる。ブラジルでの公立学校への予算削減に反対する運動を主導した、かつての学生たちの声だ。生活の活気と生々しい闘争の痛みまで、過去を冷静に見定めた希望と不安の声。それは、未来につながるラップのマイクリレーみたいで、沈鬱に対抗するかのよう。
鈴木 みのり(ライター)
日本から見ると地球儀の反対側にある国ブラジルの高校生たち。
人々は言葉を音に乗せて、戦列歩兵で進んで行きます。
その足音は若くて美しく残酷な命の歌と共に確かに刻まれていきました。
陸と空は、繋がっています。いま、ここにも届きました。
たかはしほのか (リーガルリリー)
疾走感あふれる彼女たちの声は、理不尽にまみれた毎日を黙認せず、立ち上がる勇気を与えてくれる。
学校を占拠し、自分たちの描く「自由」を実践して暮らすその様子は未来への希望そのものに思えた。
カツセマサヒコ(小説家)
これは君の闘争だ
2021年11月6日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督、脚本:エリザ・カパイ 撮影:エリザ・カパイ、ブルーノ・ミランダ 編集:エリザ・カパイ、ユリ・アマラウ 音楽:Décio 7
ナレーション:ルカス・“コカ”・ペンチアド、マルセラ・ジェズス、ナヤラ・スーザ 音響:Confraria de Sons & Cigars プロデューサー:アリアナ・ジェネスカ
2019 年/93 分/HD/16:9/ブラジル/ドキュメンタリー
(原題“Espero tua (re)volta” 英題:Your Turn)
配給:太秦
▽公式HP
www.toso-brazil.jp
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