ウクライナ国境近くの町「ノボチェルカッスク」で今から60年前に起きた衝撃の虐殺事件を描く『親愛なる同志たちへ』(4月8日公開)の本編映像が解禁された。ストライキ参加者に対し、ソ連軍が行った衝撃の銃撃シーンが収められている。

モノクロ映像が残酷さよりも静謐な恐ろしさを際立たせる

第77回ヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、第93回米アカデミー賞国際長編映画賞・ロシア代表に選定された本作は、『暴走機関車』(85)、『映写技師は見ていた』(91)やタルコフスキー作品の共同脚本などで知られる巨匠アンドレイ・コンチャロフスキー監督が、1962年にソ連の地方都市ノボチェルカッスクで実際に起こった虐殺事件と向き合ったヒューマン・ドラマ。ソ連崩壊後の1992年まで30年間、国家に隠蔽されてきた衝撃的な歴史の真実に迫った作品だ。この不穏な世界情勢と地続きにあり、決して遠い過去の話と言えない重いメッセージをはらんでいる。

1962年6月1日、ソ連南部ノボチェルカッスクの機関車工場でストライキが勃発した。「雪どけ」とも称されたフルシチョフが目指した豊かな共産主義統治にも陰りが見え始め、困窮にあえぐ労働者たちが物価の高騰や給与カットに抗議の意思を示したのだ。社会主義国家で大規模なストライキが起こったことに危機感を覚えた政権は、スト鎮静化と情報遮断のために最高幹部を現地に派遣、翌日には約5000人の市民への銃撃を開始した。熱心な共産党員で市政委員も務めるリューダは、18歳の愛娘スヴェッカの身を案じ、凄まじい群衆パニックが巻き起こった広場を駆けずり回る。三つ編みに青いリボン…スヴェッカはどこにいるのか、すでに銃撃の犠牲者となって“処分”されてしまったのか。長らく忠誠を誓ってきた共産党への疑念に揺れるリューダが、必死の捜索の果てにたどり着いた真実とは……。

このたび解禁された本編映像は、約5000人のデモ隊が占拠した広場に銃声が鳴り響き、阿鼻叫喚のパニックが引き起こされる虐殺事件のシーン。その緊迫感に息をのまずにいられない。モノクロ映像が残酷さよりも静謐な恐ろしさを際立たせ、当時のソ連の冷徹な空気を見事に映し出している。

『親愛なる同志たちへ』は4月8日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館 ほか全国公開。

作品情報

親愛なる同志たちへ
2022年4月8日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館 ほか全国公開

監督・脚本:アンドレイ・コンチャロフスキー (『暴走機関車』(85) 『映写技師は見ていた』(91)『パラダイス』(16))
出演:ユリア・ビソツカヤ (『くるみ割り人形 3D』(09)『パラダイス』(16))、ウラジスラフ・コマロフ、アンドレイ・グセフ 
2020年/ロシア/ロシア語/121分/モノクロ/スタンダード/5.1ch/原題:Дорогие товарищи! /英題: Dear Comrades! /日本語字幕:伊藤美穂/提供:ニューセレクト

配給:アルバトロス・フィルム

© Produced by Production Center of Andrei Konchalovsky and Andrei Konchalovsky Foundation for support of cinema, scenic and visual arts commissioned by VGTRK, 2020

公式サイト shinai-doshi.com

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