イタリアが世界に誇る巨匠ナンニ・モレッティ監督、待望の最新作『3つの鍵』(9月16日公開)の予告編が完成した。

第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、「モレッティの大いなる帰還」「開かれた世界への招待」と海外メディアからも高い評価を受けた本作は、イスラエルの作家エシュコル・ネヴォ「Three floors up」の原作舞台をローマに移し、3つの物語を3つの時間を軸に再構成した作品。デビュー以来一貫してオリジナル作品を手掛けてきたモレッティ監督、初の原作映画化となる。
今回解禁になった予告編は、ローマの高級住宅街のアパートに暮らす 3 つの家族が、ひとつの事故をきっかけに、扉の向こうに隠している素顔が露になる様を、スリリングな展開で描く。
ある夜、アパートに車が衝突し、女性が亡くなる。幸せな家族らの日常に、歪みが生じはじめる。車を運転していたのは、3 階に暮らす息子アンドレア(アレッサンドロ・スペルドゥティ)。犯罪者となった息子のことで苦しむヴィットリオ(ナンニ・モレッティ)とドーラ(マルゲリータ・ブイ)夫妻。

一方、仕事場が事故で崩壊した 1 階のルーチョ(リッカルド・スカマルチョ)とサラ(エレナ・リエッティ)夫妻は、娘を隣の老紳士レナード(パオロ・グラツィオージ)に預ける。しかし、レナードは壊れているという娘の言葉に耳を傾けずにいたために、娘とレナードは行方不明に。公園で無事発見されるものの、ルーチョはレナードが娘に危害を加えたと疑い、「娘に何をした」と掴みかかる。

2 階のモニカ(アルバ・ロルヴァケル)は、夫が不在でひとり育児をする孤独を吐露。部屋に現れる不吉なカラスを見つめ、怯えている。

あの日、どこで道を見失ったのか…。「夫か息子かの選択を強いるなんてむごすぎる、でも私は選んだ」と力強く宣言する 3 階のドーラ。“人生の謎を解く鍵はいくつもある”のキャッチコピーとともに、アルゼンチンタンゴを踊る人々を、アパートの門の前で見守る3つの家族。
それぞれの選択がもたらす運命の行方、そして苦しみの末に、人生を切り開いていく未来を予感させる。巨匠モレッティ、熟練の演出で見せる緊迫したドラマに、期待が高まる予告編だ。
また今回、『息子の部屋』でカンヌ国際映画祭のパルム・ドールを受賞以来、カンヌの常連となったモレッティ監督に、カンヌ国際映画祭総代表ティエリー・フレモーからの賞賛コメントも到着した(コメントは以下にて)。
『3つの鍵』は9月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、UPLINK吉祥寺ほか全国ロードショー。
カンヌ国際映画祭総代表ティエリー・フレモー コメント
ナンニ・モレッティは存命する最も偉大な映画監督のひとりであり、俳優・作家・詩人でもある。
全力で戦う方法を知っている、敗北を恐れないアーティストだ
3つの鍵
2022年9月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、UPLINK吉祥寺ほか全国ロードショー
STORY
ある夜、建物に車が衝突し女性が亡くなる。運転していたのは3階に住むジョバンニとドーラの裁判官夫婦の息子アンドレアだった。同じ夜2階のモニカは陣痛が始まり、夫が長期出張中のためたった一人で病院に向かう。仕事場が事故で崩壊した1階のルーチョとサラの夫婦は、娘を朝まで向かいの老夫婦に預けた。後日、認知症の老夫と娘が行方不明になりルーチョは娘に何か起きたのではと疑念を持ち始める。
第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式上映
監督・脚本:ナンニ・モレッティ『息子の部屋』『ローマ法王の休日』 原作:エシュコル・ネヴォ
出演:マルゲリータ・ブイ『ローマ法王の休日』、リッカルド・スカマルチョ『あしたのパスタはアルデンテ』、アルバ・ロルヴァケル『幸福なラザロ』、ナンニ・モレッティ
2021年/119分/イタリア・フランス映画/原題:Tre piani/ 字幕:関口英子/ 後援:イタリア大使館/特別協力:イタリア文化会館/配給:チャイルド・フィルム
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