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1月13日(金)より再上映中の『戦場のメリークリスマス 4K修復版』のトークイベントが1月14日(土) に開催され、ゲストとして日本で最も大島渚監督に詳しいといわれる映画評論家・樋口尚文が登壇した。

第36回カンヌ国際映画祭で、そのテーマを巡って大きな話題を巻き起こした本作は、デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし、内田裕也などの本業が俳優ではない個性的なキャスティングで原作者の日本軍俘虜収容所での体験を描いた、戦闘シーンが一切登場しない異色の“戦争”映画。昨年の上映時には緊急事態宣言発令による一部劇場での上映中止などに見舞われた本作が、最終上映期限が2023年3月末に迫ったこのタイミングで最終リベンジ上映中。

上映終了後、たった今鑑賞を終えた観客の盛大な拍手に迎えられ、樋口尚文が登場。老若男女で満員になった会場を見渡し、「朝10時の初回に来ているのは“戦メリ少女”転じて“戦メリシニア”ばかりかと思いきや、良い感じに若い方も多く感激しました」と公開当時を知らない年代の観客も多く来場していることに触れ、おだやかなムードでトークショーはスタート。
日本でいちばん大島渚に詳しいといわれる樋口と大島渚監督との出会いは、6歳の頃『忍者武芸帳』を観てトラウマとも言うべき衝撃を受けたことがはじまりなのだとか。その約10年後に樋口は実際に大島監督と出会い、亡くなるまでの約44年間にわたり親交を深めたという。
ある日大島監督から、「樋口くん、明日からね、アメリカ行ってさ、ロバート・レッドフォード口説くんだよ」と上機嫌で伝えられたと語る樋口。しかしアメリカに赴いた大島監督はレッドフォードに「アート映画には出ない」と出演を断られることになる。ところがそれによってデヴィッド・ボウイの出演が決まり、さらに役者に専念したいというデヴィッド・ボウイに音楽を断られたことで坂本龍一の音楽が生まれたことについて言及し、「大島さんはあらゆるアクシデントをプラスに転化していく才能がある」と断言。
また坂本龍一については、「大島監督の過去作品を観てファンだったらしいので、当時YMOとしてテクノポップの範疇だった立場でオファーを受けて、一流の音楽作家たちに名を連ねて作曲するというのはやりがいがあったのではないかと思いますね」と当時を振り返った。
途中、客席に「原作をお読みになった方は?」と樋口が尋ねると、多くの手が挙がる場面が。最初に原作を読んだ際には、大島監督がなぜこのような上品な原作を?と思ったと語る樋口だが、キスシーンのくだりで「これやりたいがためにか!」と分かったのだそう。
そのヨノイとセリアズのキスシーンについて、実は撮影に失敗していたが、コマを伸ばすことでスローモーションとして凌いだシーンだったという樋口が大島監督から実際に聞いた制作秘話が登場。日本国内での資金調達や、税制優遇制度のあるニュージーランドでの撮影決行など、七転八倒を経たのにも関わらず監督がいちばん撮りたかった瞬間の撮影に失敗したとなると、普通なら怒り狂うはずだ。しかし大島監督は、その失敗したコマをスローモーションに伸ばした 10 通りほどのシーンを、恐る恐る編集のスタッフに見せられ、怒るどころかなんと喜んだのだとか。「映画は企画から制作中まで、映画そのものがアクシデントと言えるほど思うようにいかないが、それをハッピーアクシデントに変えていくのが監督の度量。大島さんはアクシデントにめげたり怒ったりせずチャンスに変える天才だった。映画の本質的なエッセンスの部分で映画的な人だった」と大島監督を絶賛し、トークショーは幕を下ろした。
その後ロビーでは、樋口にサインを求める観客などで賑わい、トーク終了後も盛況のなか、イベントは終了した。

『戦場のメリークリスマス 4K 修復版』は、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、立川シネマシティ、アップリンク吉祥寺ほかにて連日満員御礼の大ヒット上映中。
戦場のメリークリスマス 4K修復版
2023年1月13日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次“最終”公開
出演:デヴィッド・ボウイ、トム・コンティ、坂本龍一、ビートたけし、ジャック・トンプソン、ジョニー大倉、内田裕也
監督・脚本:大島渚 脚本:ポール・マイヤーズバーグ 原作:サー・ローレンス・ヴァン・デル・ポスト「影の獄にて」 製作:ジェレミー・トーマス
撮影:成島東一郎 音楽:坂本龍一 美術:戸田重昌
1983年/日本=イギリス=ニュージーランド/英語・日本語/123分/ビスタサイズ/ステレオ
協力:大島渚プロダクション 配給・宣伝:アンプラグド
©大島渚プロダクション
公式サイト oshima2021.com
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