ミュージカルの金字塔『屋根の上のバイオリン弾き』のバックストーリーを追ったドキュメンタリー映画『屋根の上のバイオリン弾き物語』が3月31日(金)より公開。このたび、舞台版や本作の出演者であり、3月8日に87歳で亡くなった俳優トポルの生前の貴重なインタビュー映像が解禁された。

「いわば翻訳のような感覚で、舞台のシーンを映画に置き換えた」

ヒットミュージカルとして世界的に広く知られている『屋根の上のバイオリン弾き』は短篇小説『牛乳屋テヴィエ』を原作に、牛乳屋を営むユダヤ人一家を描く物語。1964年ブロードウェイで初演され、ロングラン公演に。1971年には『夜の大捜査線』などの名匠ノーマン・ジュイソン監督によって映画化され、アカデミー賞3部門で受賞を果たした。本作はそんな名作『屋根の上のバイオリン弾き』の成立過程を丹念に追い、日本ではほぼ知られていない意外な事実を明らかにしていくドキュメンタリー映画。

このたび解禁されたのは、舞台や映画版の主役テヴィエを演じ、本作にも登場しているイスラエル人俳優のトポルのインタビュー映像。先日3月8日、87歳で逝去したトポル。そのニュースは世界中を駆け巡り、多くの哀悼のメッセージがSNSに溢れた。

今回の映像は本編の中に含まれる、彼の晩年(2009年)の貴重なインタビュー映像となっている。ノーマン・ジュイソン監督とのエピソードや舞台版と映画版との違いを語り、「映画に必要なのはカメラのための演技。劇場の最後列ではなく、数メートル先のカメラのための演技が必要だ。いわば翻訳のような感覚で、舞台のシーンを映画に置き換えた」と明かしている。

また「テヴィエを演じる時、私は父と祖父と曽祖父を追悼していた」と自身の家族のことなどを感慨深く語っている。

『屋根の上のバイオリン弾き物語』は3月31日(金)〜ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺にてロードショー。

トポル
Chaim Topol
1935年9月9日~2023年3月8日

イスラエル、テルアビブ生まれ。イスラエル軍が指揮したアマチュア劇に出演したのが始まりで、その後ハイファに自らの劇団を設立。ミュージカル版「屋根の上のヴァイオリン弾き」では、1967年にロンドンでテヴィエ役を演じて以降、2,030回に渡り公演を行った。映画版ではアカデミー主演男優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞主演男優賞他を受賞した。『フラッシュ・ゴードン』(1980年/マイク・ホッジス監督)、『007/ユア・アイズ・オンリー』(1981年/ジョン・グレン監督)『ナチ・ハンター/アイヒマンを追え』(1979年/ピーター・コリンソン監督)『ジョセフ・ロージー 四つの名を持つ男』(1998年/中田秀夫監督/ドキュメンタリー)等出演作多数。

作品情報

屋根の上のバイオリン弾き物語
2023年3月31日(金)〜ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺にてロードショー

【監督・製作・編集】ダニエル・レイム
【脚本】ダニエル・レイム/マイケル・スラゴウ 【製作】サーシャ・バーマン 【音楽】デヴィッド・レヴォルト 【撮影】シニサ・クキッチ
【出演】ノーマン・ジュイソン/ロバート・ボイル/ジョン・ウィリアムズ/トポル
【ナレーション】ジェフ・ゴールドブラム(『ジュラシック・パーク』『ザ・フライ』)
【配給】パンドラ

2022 年/米国/カラー/英語/88 分/原題:Fiddler’s Journey to the Big Screen

© 2022 Adama Films, LLC

公式サイト http://www.pan-dora.co.jp/yanenoue/

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事