渋滞だらけのパリの街をタクシーで巡りながら撮影する驚きの方法とは？『パリタクシー』メイキング映像解禁

フランス初登場新作NO.1の大ヒットを記録した映画『パリタクシー』がいよいよ今週末4月7日（金）より公開。美しいパリの名所をタクシーで巡る本作はいったいどのように撮影されたのか。このたび、その驚きの裏側を明かすメイキング映像が解禁された。

国民的シャンソン歌手のリーヌ・ルノーと、大人気コメディアンのダニー・ブーンというフランスに愛される2大スターが共演した本作は、オープニングからラストまで、「まさか」がぎっしり詰まった意外すぎる感動作。不愛想なパリのタクシー運転手が偶然乗せたのは、92歳のマダム。終活に向かう彼女の依頼は、人生を過ごしたパリを横断する“寄り道”だった。そしてその“寄り道”は、いつしか2人の人生を大きく動かす驚愕の旅へと変貌していく。監督・脚本は『戦場のアリア』のクリスチャン・カリオン。

パリの名所を巡る本作の美しい映像を見れば、実際にパリの街中で撮影されたと思う人が多いはず。しかし渋滞だらけのパリで運転するのは至難の業。さらに撮影当時93歳のリーヌ・ルノーを牽引車から撮影し、何度も彼女にやり直させるのは危険すぎる。そこで今回は今までにない革新的な撮影技術が採用されることになった。

今回解禁されたメイキング映像では、その撮影の裏側を監督やキャストたちが語っている。旅するように美しいパリを巡る珠玉の映像体験は、なんとスタジオ撮影によるものなのだ。

「パリで運転しながら撮影するのはかなり大変」ということで、スタッフは事前にタクシーの道のりを全て車にカメラをつけて撮影することに。空や道路を全て撮影し、空の光や橋の下を歩く人も全方位から数週間かけて撮影を実施した。

リーヌ・ルノーとダニー・ブーンは「素晴らしかったのは、グリーンバックで撮影しなかったことだよ」と振り返る。グリーンバックだと、俳優たちは自分の周りで起きていることを見ることができず、すべてポストプロダクションで処理されるため、何が起きているのかを把握ができない。しかし本作はそれとは正反対の試みだった。

スタジオ撮影時には、タクシーの周囲に非常に解像度の高い3m×8mの4KのL字型スクリーンをいくつか設置。そこに事前に撮影した映像が投影された。スクリーンに囲まれたリーヌとダニーは、完全に演技に没頭。監督も「没入できる空間を作るよう心がけた。まるで“アクション！”と同時に車が動き出すんです」とその裏側を明かす。

リーヌとダニーは実際に運転している感覚だったそうで、「自転車とすれ違う時や車を追い抜くときは本当に追い抜いているような感覚だった。素晴らしい体験だった」と振り返っている。

このような技術を使ったのはこの作品が初めてだという。映画のほぼ半分のシーンに使われているこの技術手法が、今後の都市部での撮影の未来になるかもしれない。実際にどのような映像に仕上がっているかは劇場で確かめてみよう。

『パリタクシー』は4月7日（金）新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町ほか全国公開。