ヒューゴ(新人監督賞)受賞など世界中の映画祭を席巻している新鋭シャルロット・ル・ボン監督の長編デビュー作『ファルコン・レイク』が8月25日(金)より公開。このたび、各界の著名人より絶賛コメントと描き下ろしイラストが到着した。
湖畔の避暑地を舞台に、14歳になる少年と16歳の少女が辿る“忘れられないひと夏”を描いた『ファルコン・レイク』。監督は、俳優としても活躍するシャルロット・ル・ボン。長編デビュー作ながら、16mmフィルム撮影による映像美と独自の世界観が高く評価され、カンヌ国際映画祭での上映を皮切りに、シカゴ国際映画祭ゴールド・ヒューゴ(新人監督賞)を受賞するなど世界中を席巻している。原作は、日本でも人気を博すバンド・デシネ (フランス語圏のマンガ)の名手バスティアン・ヴィヴェスによる「年上のひと」(リイド社刊)。監督自ら脚本を手掛け、原作をベースにしながらも映画オリジナルの要素で想像し得ない物語を紡いだ。
そんな本作をひと足先に鑑賞した各界の著名人総勢13名から、公開への期待が膨らむ絶賛コメントが到着。また、イラストレーターのたなかみさきから、少年バスティアンと少女クロエをモチーフにした描き下ろしのイラストも到着した。コメント全文・一覧は以下にて。
『ファルコン・レイク』は8月25日(金)渋谷シネクイントほか全国順次ロードショー。
著名人コメント(順不同・敬称略)
よその家族の旅にまざったみたいに親密な映像。自然界の光と音、暗闇と静寂がすばらしい!
微妙な年齢の子供たちにだけ見える世界の姿があることを、ひさしぶりに思いだした。
—— 江國香織(小説家)
形作られる前の若き2人が、寄り添う姿が痛々しくもとても良かった。2度と無いであろう、かつての自分の心情を思い出し、胸がギュっと熱くなりました。
—— MEGUMI(女優/プロデューサー)
大人でもなく、子どもでもなく。そのあわいを揺蕩う少年少女の放つ光は、危うく、儚く、美しく。繊細な彼らの心の動きが、16mmのフィルムで仄暗くノスタルジックに切り取られる。おとなになるって、なんて残酷なんだろう。
こんな不穏で不安で眩しい夏を、忘れられるわけがない。
—— 宇垣美里(フリーアナウンサー/女優)
避暑地の湖畔、自然の豊かさと漂う不穏の中で
子どもと大人の間にいる2人の「閉じ込めてしまいたい夏」を見た気がしました。
—— たなかみさき(イラストレーター)
ひと夏の青年の淡い恋、などではなく
生と死
ここに自分の身体や心が在るということは
一体どういうことなのだろうと
見えない湖のなか彷徨うような夏だった
—— 枝優花(映画監督・写真家)
特別な関係だからこそ生まれるコミュニケーション。
地面から数センチ浮いているような気持ちや、目をこらしても何ひとつ見えない真っ暗な心の距離。
まだなにものでもない若さを持て余しながら過ごすヴァケーションが焼き付いた青春映画。
—— 川辺素(ミュージシャン/ミツメ)
美しく甘酸っぱい、青春映画……そう思っていたら、たちまち鳥肌が止まらなくなるような衝撃のラストが待ち受けていた。開いた口も塞がらないまま見届けながら、いままでの2人の会話を反芻して、すべてがそのラストまでの伏線だったことを思い知る。
多かれ少なかれ、人は誰でも子どもから大人へ成長するときには痛みを伴うもの。自分にとってはどんなものだったか。今一度、思い出してみたくなった。
—— 瀬戸あゆみ(モデル/Dear Sisterhoodディレクター)
男の人と結婚して、男の子を育てて、もしかしてと少しわかってきたことがあった。この映画を観ながらそれが確信に変わりかけていたところに、そんな感受性では消化させてくれないというホラー体験をさせてもらった。
これこそが、この少年たちの夏の追体験なのかもしれません。こんな映画体験初めてでした。美しい夏で終わらせてくれよ。
—— 青柳文子(俳優/モデル)
白黒の乾いた筆致で描かれた原作の世界が、ロケーションを変え、まるで別の感触の作品に生まれ変わった。
16ミリフィルム撮影のニュアンスに富んだ緊張感ある映像が、少年と少女の孤独と連帯を鮮やかに浮き立たせる。
—— 原正人(フランス語翻訳家)
湖畔の水面を撫でる風が、暗闇に浮かび上がるシーツの白さが、思春期特有の仄暗い官能を運んでくる。
少年と少女の間に生まれる、恋とも友情とも言えない絆の行く末が鮮烈だ。
—— 山崎まどか(コラムニスト)
思春期に特有の、恋や性や、未知のものへの憧れ、戸惑い。
そして誰にでも訪れる、少し背伸びした季節との別れ。
その最後の瞬間が、これほどまで儚く、切なく描かれるなんて。16mmフィルム、スタンダードサイズの映像は、この物語をただの甘美な青春劇にはしない。
—— 門間雄介(ライター/編集者)
「幽霊は水辺に出やすい」と俗にいうが、これは避暑地の湖畔を舞台にした、恋と夏のゴーストに魅入られた少年と少女の物語。ピクチャレスクなシーンがジグソーパズルのようにすべてはまったラストシーン、背中に冷たい汗が一筋ツーッと走った。
—— 青野賢一(文筆家/選曲家)
湖畔のコテージ、年上の人、背伸びして飲むワイン。バカンス映画らしいモチーフが揃っていても、どこか手触りが違う。
この映画には大人たちがこれまで見ないふりをしてきたものが映り込んでいるのだ。
わたしたちはきっと、子ども期を経て大人になることを受け入れるまでの猶予期間、危うかったあの頃の幻影をいつまでも追い続けている。それに気がついたとき、背筋は冷え鼻の奥にツーンと刺激が走った。
深入りしてはいけないような、初めての感覚だった。
—— 奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)
ファルコン・レイク
2023年8月25日(金)渋谷シネクイントほか全国順次ロードショー
STORY
もうすぐ14歳になる少年バスティアンは、母の友人ルイーズのもとでひと夏を過ごすため、家族でフランスからカナダ・ケベックの湖畔にあるコテージを訪れる。森、湖、深い自然に囲まれて過ごす数日間。メランコリックで大人びた雰囲気の3つ年上のルイーズの娘・クロエに惹かれていくバスティアンは、彼女を振り向かせるため幽霊が出るという湖へ泳ぎに行くが──。
監督・脚本:シャルロット・ル・ボン
出演:ジョゼフ・アンジェル、サラ・モンプチ、モニア・ショクリ
原作:バスティアン・ヴィヴェス「年上のひと」(リイド社刊)
提供:SUNDAE 配給:パルコ 宣伝:SUNDAE
原題:Falcon Lake|2022 年|カナダ、フランス|カラー|1.37:1|5.1ch|100 分|PG-12|字幕翻訳:横井和子
© 2022 ‒ CINÉFRANCE STUDIOS / 9438-1043 QUEBEC INC. / ONZECINQ / PRODUCTIONS DU CHTIMI
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