映画ファンから絶大な支持を得る気鋭の製作・配給会社A24が北米配給権を獲得し、世界中の映画祭でも話題を呼んだ驚異の英国発ワンショット・ミステリー『メドゥーサ デラックス』が10月14日(土)より全国順次公開。このたび、本編冒頭1分間のアニメーション映像、監督からのコメント、監督による描き下ろしイラストポスターが解禁された。また有栖川有栖、奈良裕也ら著名人からの絶賛コメントも到着した。
本作は、年に一度のヘアコンテスト当日に、優勝候補と目されていたカリスマ美容師の変死体が発見され、色彩美と驚異のワンショットで事件の真相を追っていく英国発ゴシップ・ミステリー。監督・脚本は、新鋭トーマス・ハーディマン。美容師の親を持ち、美容院で育った異色の経歴の持ち主で、自身のルーツとしても特別な“髪”をテーマにしたマーダーミステリーを作り上げた。
このたび解禁された本編抜粋映像は、冒頭の1分間の映像。舞台はヘアクリーム、霧吹き、ドライヤー、くし、ブラシ、ハサミ、メイクブラシ、カーラー、ヘアスプレー、ピン止め、ヘアアイロンなど、ヘアケアに欠かせないグッズが散乱している砂漠だ。
そこに、盾と刀を持った兵士がやってくる。やがて現れるのは、ギリシャ神話に登場する怪物メドゥーサ。女神アテナの怒りを買い、姿を変えられてしまったとされる。美しい髪が自慢だったが、髪の毛は蛇となり、直視した者を石にしてしまう力があった。劇中で兵士とメドゥーサは、死闘を繰り広げ、やがてメドゥーサは首を切られ、討ち取られてしまう。
カメラはどんどん引いていき、それらが繰り広げられていたのは実はヘアブラシの中だった、ということがわかる。さらには、そのブラシは警察による捜査が終わるまで会場を出られなくなってしまった美容師クリーヴの楽屋にあるものだった、というなんともイマジネーション溢れる内容だ。
美容師コンテスト開催直前にカリスマ美容師の変死体が発見され、「どうなってるの? なぜここにいろって?」「私たちも警察に取り調べを受けるわね」と、アニメーションは楽屋で、関係者の間にまさに衝撃が広がる瞬間につながってゆく。
ワンショット撮影だけでなく、さらにはアニメーションと実写の融合にも挑戦する、A24が認めた新たな才能の持ち主、トーマス・ハーディマン監督による本編への期待が高まる冒頭映像となっている。
監督は、メドゥーサという名前をタイトルに入れた意図について「メドゥーサは、その髪に暴力性がある特徴的な髪の持ち主です。この映画にもそれが表れており、髪をテーマにした殺人ミステリーになっています。メドゥーサは、男性的な視点で描かれてきた、古典的な女性差別の神話だと思います。世界の外にはじき出された存在が、魔女として語られてゆくプロセスと似ています。この神話の起源について、疑問を投げかけたいとも思いました。この映画は、神話を解体する物語です。私は女性が中心の世界を描きたいと思いました」と語っている。
今回トーマス・ハーディマン監督自身による、描きおろしイラストポスターも到着。ビジュアルは11人の容疑者のうちのひとりで、ハイポニーのヘアスタイルをしたモデル、イネスがいぶかしげな表情をしたもの。監督のオリジナリティと作品への愛が詰まったポスターとなっている。
さらに、本作を一足先に観た作家の貴志祐介、ヘアメイクアップアーティスト(SHIMA)の奈良裕也ら著名人から絶賛コメントが到着した。コメント全文・一覧は以下にて。
『メドゥーサ デラックス』は10月14日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。
著名人コメント
こんなミステリーがあるとは!全編ワンショット数珠つなぎの映像魔術は、最後まで緊張感を切らさない。
貴志祐介(作家)
人の執着心が最終的に何を生み出すのかを学んだ。
ユージンのキャストに合わせたヘアはアーティスティックで素晴らしい、
そのヘアが一瞬にして消えてゆくシーンは更に衝撃的だった。
TETSU(Hair Stylist)
迷宮のような物語をワンショット撮影で綴った本作を象徴するのが作中の音楽。
終盤のカタルシスに感服した。
青野賢一(文筆家/DJ)
独特な世界観、映像の美しさや音も相まって、狂気を感じました。
ユージンの作るヘアの美しさはもちろん、作りかけの造形美にもはっとしました。
ユカハイラック(メイクアップアーティスト)
殺人事件の犯人はだれ‼️自分もよく美容系コンテストの審査員をしますが開催直前にもしこんな事が起こってしまったら⁉️と感情移入して楽しめました。
内容も尚のこと映像の色彩美となによりユージン‼️モデル達のヘアーを担当という豪華ぶり、僕も憧れのヘアーアーティストの中の1人です。
違う目線からの見方もファッションもとても刺激を受ける一本でした。
奈良裕也(ヘアメイクアップアーティスト(SHIMA))
嫉妬と噂と欲にまみれた一夜をワンカット風にぐるぐる。ゴージャスな悪夢はエンドロールまで続く。
よしひろまさみち(映画ライター)
謎めいた殺人事件を真相に導くのは、迷宮的なワンショットの映像。
映画はこんなこともできるのか、という体験をした。
有栖川有栖(作家)
メドゥーサ デラックス
2023年10月14日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督:トーマス・ハーディマン/撮影:ロビー・ライアン/ヘアスタイリング:ユージン・スレイマン/音楽:コアレス
出演:アニタ・ジョイ・ウワジェ、クレア・パーキンス『秘密と嘘』、ダレル・ドゥシルバ「警視ファン・デル・ファルク アムステルダムの事件簿」、デブリス・スティーブンソン、ハリエット・ウェッブ、カエ・アレキサンダー『レディ・プレイヤー1』『マレフィセント2』、ルーク・パスカリーノ『スノーピアサー』
原題:MEDUSA DELUXE/2022/イギリス/英語/101分/1:33:1/5.1ch/後援:ブリティッシュ・カウンシル/日本語字幕:金関いな
配給:セテラ・インターナショナル
© UME15 Limited, The British Film Institute and British Broadcasting Corporation 2021
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