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選りすぐりの香港映画を上映する「香港映画祭2023 Making Waves - Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力」が11月2日(木)よりYEBISU GARDEN CINEMAにて開幕し、映画祭のオープニング作品『風再起時』の上映前にオープニング・セレモニーが実施され、ダヨ・ウォン、ラム・カートンら豪華来日ゲストが登壇した。

写真左から
マニ・マン(『7月に帰る』プロデューサー)
スン・フェイ(『風再起時』脚本)
フィリップ・ユン(『風再起時』監督)
ソイ・チェン(『マッド・フェイト』監督)
ラム・カートン(『マッド・フェイト』主演)
ダヨ・ウォン(『毒舌弁護人 〜正義への戦い〜』主演)
ジャック・ン(『毒舌弁護人 〜正義への戦い〜』監督)
グラディス・リー(『ブルー・ムーン』主演)
アンディ・ロー(『ブルー・ムーン』監督)
『風再起時』、『7月に帰る』のQ&Aも実施

昨年、香港特別行政区設立25周年を記念して開催され、連日満員御礼の大盛況となった「香港映画祭 Making Waves – Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力」。本映画祭は、才能豊かな新人監督作品や、今なお輝きを放ち続けるクラシックの名作など、選りすぐりの香港映画を上映する企画で、今年もイタリア・ウディーネ、インドネシア・バリ、デンマーク・コペンハーゲン、スウェーデン・ストックホルムなど世界各地を巡回し、日本では11月5日まで開催される。

今年は、アーロン・クォックとトニー・レオンの初共演が話題の犯罪ドラマ『風再起時』(2022)よりフィリップ・ユン監督、脚本のスン・フェイ、今年の旧正月に公開され香港歴代興収第1位(※2023年9月1日時点)に輝いた法廷ドラマ『毒舌弁護人〜正義への戦い〜』(2023)より主演のダヨ・ウォン、ジャック・ン監督、昨年の上映作でチケット即完だった『リンボ』のソイ・チェン監督最新作『マッド・フェイト』(2023)より、主演のラム・カートン、ソイ・チェン監督、それぞれに秘密を抱える家族の再生を描いた『ブルー・ムーン』(2023)より、出演のグラディス・リー、アンディ・ロー監督、香港の人気ボーイズグループ「MIRROR」のアンソン・コン主演『7月に帰る』よりプロデューサーのマニ・マンが、本映画祭にあわせて来日した。

セレモニー冒頭、ウィンサム・アウ(香港特別行政区政府 駐東京経済貿易代表部 首席代表)より「2回目となる本映画祭をここ東京で開催し、選りすぐりの香港映画を日本の観客の皆さんにお届けできることを大変うれしく思います」と挨拶があった後、豪華来日ゲストが劇場後方より客席の通路を通って登場。歓声と大きな拍手に迎えられ、登壇者の挨拶がスタート。

この日、一足先に上映された『7月に帰る』のプロデューサーのマニ・マンは「「見に来ていただきありがとうございます。来年東京で映画を撮る予定があります。またその時日本の皆さんとお会いできるとうれしいです」と語り、『風再起時』のフィリップ・ユン監督は「こんばんは、本日は足を運んでくれて、ありがとう(日本語)」とにこやかに挨拶。『マッド・フェイト』のソイ・チェン監督も「日本の観客のみなさん、こんばんは。香港映画を好きになって映画をみにきてくれて、いつも多大なるサポートをしてくださってありがとうございます」と感謝の言葉。

さらに昨年に続き本映画祭のために来日した主演のラム・カートンは日本語で「こんばんは!」と挨拶したあと、「またやってきました。またお会いできることになりうれしいです」と満面の笑顔。そして「大スターの僕をどんなふうに(隣にいる)ソイ・チェン監督がどう演出しているのか注目してみてください!」とジョークで会場を沸かせた。

『毒舌弁護人〜正義への戦い〜』のダヨ・ウォンはなんとすべて日本語で「わたしは毒舌弁護人です。よろしくおねがいします」と話すと登壇ゲストからも思わず歓声が。今回はワールドプレミアとなる『ブルー・ムーン』のグラディス・リーも「はじめまして。私はグラディスです」と日本語での挨拶のあと「この作品はどこか日本の作品と似ているところがあります。ぜひお楽しみください」と、ゲストみな終始にこやかで、満員の客席の熱気も感じられるセレモニーとなった。

続いて、『風再起時』上映後には、再び、フィリップ・ユン監督、脚本のスン・フェイが登場。フィリップ・ユン監督ははじめに「この作品は香港で生まれ育った私の思い、香港という街への感情がすべて込められている映画です」と挨拶。また脚本のスン・フォイは「私は実は200何回もこの映画をみましたが、皆さん気にいってくださるとうれしいです」と一言あり、Q&Aがスタート。

まず、本作で意外にも初共演となったアーロン・クォックとトニー・レオンについて質問が及ぶと、フィリップ・ユン監督は、「トニーはウォン・カーウァイ監督などアートムービーの世界で活躍し、賞も受賞。アーロンは最初はアイドル的な存在で近年実力派として大活躍しています。そして実は撮影現場でもアーロンは情熱的で、トニーはあまり話さない、実に対照的な二人でした」と説明。

さらに「この二人と仕事をしていると、アーロンは朝型、トニーは夜型とでもいいましょうか、アーロンは現場で監督の私よりも要求が高くてもう一度やろうといってきたりします。一方、トニーは撮影が終わって夜になると私のところにメッセージがバンバン届くんです。今日の撮影はどうだった?とか、私の役柄のことなどもう少し物語のことを話して、とか。夜になるとトニーとそんなやりとりをしていました」とユーモアを交えながら監督が知る名優二人の興味深い一面を披露。

また、本作の演技で2023年香港電影金像奨最優秀助演男優賞を受賞した『Mr.BOO!』シリーズで知られるベテラン俳優マイケル・ホイは監督の幼いころからのアイドルだったそうで、「父親に連れていかれた映画館で最も人気のある映画俳優であり、ある種、香港人の持っている価値観そのものを代表していた」と話し、本作の中で絶賛されたマイケル・ホイのセリフについてはすべて脚本にあったものだが彼に言わせるのがぴったりだと思ったと続け、「彼は役者になる前、英語の先生でした。文法にはうるさかったけど(笑)、アドバイスをたくさんくれました。今回一緒にできて本当にうれしかったです」とフィリップ・ユン監督。

また脚本のスン・フェイは「私はマイケル先輩とよんでいますが、現場を見にいき台本どおりかなと思いきや、マイケル先輩のいうセリフと私の書いたセリフはどこか微妙に違うんです。でも彼の話し方、表現が、私の書いた文章よりも彼のキャラクターにしっくりきていることを発見しました」と明かす。

またフィリップ・ユン監督は「私はこの作品がすべての香港映画のファン、また香港映画に対してある種のプレゼントにしようと思った。だからこの作品にはマイケル・ホイが登場しないとだめですよね」とも述べ、香港のレジェンドに対する愛を感じるQ&Aとなった。

また同じく11月2日(木)には、香港の人気ボーイズグループ「MIRROR」のサブリーダーAKことアンソン・コン主演『7月に帰る』が日本初上映。舞台挨拶と上映後のQ&Aにはプロデューサーのマニ・マンが登壇した。

まずアイドルであるアンソン・コンのキャスティング理由を聞かれ、「カメラテストをしたとき、彼はメイクもなし髪もセットしておらず、すごく役柄に似ていてぴったりだと思った」と第一印象を話し、「新人の俳優を起用することで、脚本に描かれていない部分の新しいものを与えてくれるのではないかと期待もありました」という。

また、小説家出身のネイト・キーが本作で長編デビューし脚本も担当しており、この作品はMM2という新人監督プロジェクトの3作品のうちの一本でもある。このプロジェクトについては、「これまでの警察ものやカンフー映画だけではなく、これからの香港映画はどういう方向に向かっていくのか、香港映画の未来を考え、クリエイティブな人である監督に任せてみたいと考えていました」と熱く語るマニ・マン。香港の民間伝承や都市伝説を描きつつ、「この映画の中で言いたかったのは、このような怪現象に直面したとき我々はどういう対応するのか、『見て見ぬふりをする』のではないか、そんなことを描いてみた」とテーマも説明した。

開催情報

香港映画祭2023 Making Waves - Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力

日程:2023年11月2日(木)~5日(日)
会場:YEBISU GARDEN CINEMA

主催:香港特別行政区政府 駐東京経済貿易代表部  香港国際映画祭協会  協力:大阪アジアン映画祭
助成:香港特別行政区政府 創意香港  電影発展基金

公式サイト https://makingwaves.oaff.jp/

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