アキ・カウリスマキ監督の最新作『枯れ葉』が12月15日(金)より全国公開。このたび、本作に登場する姉妹シンセ・ポップ・デュオ「マウステテュトット」の撮りおろしコメント映像と本編演奏シーンの映像が解禁となった。
アキ・カウリスマキ監督最新作にして復帰作となる『枯れ葉』は、孤独を抱えながら生きる女と男が、人生で最初で最後のかけがえのないパートナーを見つけようとする心優しいラブストーリー。今年のカンヌ国際映画祭の審査員賞、2023年国際批評家連盟の年間グランプリに見事輝き、先ごろアカデミー賞国際長篇映画賞部門のフィンランド代表にも選出された。また本国フィンランドでは、動員20万人を超え(フィンランドの人口は約550万人)、カウリスマキ最大のヒット作『過去のない男』を超える動員数を記録、フィンランドのみならずフランスやドイツでも大ヒットするなど各国で快進撃を続けている。
このたび新たに解禁された本編映像は、主人公の一人ホラッパがある決心をするカラオケバーでの一幕。「この世で寿命が尽きたら地中深くに埋めて欲しい」という歌詞を聞き、表情を変えるホラッパの姿が捉えられている。解禁された映像からも可笑しみと切実さに満ちた、最高のラブストーリーが感じられ、これまでと同様、貧しい市民の悲喜劇を厳しくもユーモアに描くカウリスマキらしさが伝わってくる。
劇中で演奏をしているのは、「マウステテュトット」。ヘルシンキ在住のアンナ・カルヤライネン(ギター)とカイサ・カルヤライネン(キーボード)姉妹からなるポップ・デュオで、バンド名はフィンランド語で「スパイス・ガールズ」の意味。アキ・カウリスマキ監督も彼女たちの音楽の大ファンと公言している。
本作の出演の経緯について、アンナは「学生映画コンペの審査員に呼ばれたんです。その頃はちょうど3枚目のアルバム制作で忙しくて、最初は断ったんです。でも主催者側は明らかに私たちがアキのファンだって知っていて、「カウリスマキに会えるよ?」と、切り札を出してきました(笑)。速攻で考え直して、行くことにしたんです。それがアキとの出会いでした。その後で、アキがキノ・ライカでの私たちのライブをブッキングしてくれたんです。ライブも目前になった頃に、それが映画の撮影だって話を聞いたんです」と打ち明ける。カイサは「私たちのシーンは一晩だけでいつもと同じように演奏しただけ。自分自身を演じました」とクールに撮影当時を振り返っている。
彼女たちが劇中で歌っている楽曲は「悲しみに生まれ、失望を身にまとう」。アキ・カウリスマキ監督自らが「マウステテュトット」の楽曲を、時間をかけて一通り聴き込み、選曲したという。
大好きなアキ・カウリスマキ監督の作品に出演できたことについて、アンナは「アキの世界の一部になったということは、今でも信じられないですね。特にアキの作品では音楽が重要な要素です。本当に実現するとは思えないほど夢のような事なので、どんな気分かというと…、言葉にならないですね」と感無量。カイサも「なんかこう、夢が実現しちゃったという感じです」と話した。
『枯れ葉』は12月15日(金)よりユーロスペースほか全国ロードショー。
マウステテュトットとは? MAUSTETYTÖT
フィンランドのヴァーラ出身、ヘルシンキ在住のアンナ・カルヤライネン(ギター)とカイサ・カルヤライネン(キーボード)姉妹からなるポップ・デュオ。バンド名 MAUSTETYTÖT はフィンランド語で「スパイス・ガールズ」の意味を持つ。2019 年 2 月にリリースしたファースト・シングル「Tein kai lottorivini väärin (宝くじを外した気がする)」が 1 か月でYouTubeの再生数 219,000 回、Spotify の再生数 245,000 回を記録し話題になる。翌 10 月にファースト・アルバム「Kaikki tiet vievät Peltolaan(すべての道はペルトラへ続く)」を発表。2020 年に発表したセカンド・アルバム「Eivät enkelitkään ilman ssipiä lennä(翼がなければ天使も飛べない)」はフィンランドのチャートで第2位を記録。同年、フィンランドのグラミー賞といわれるエンマ・ガーラでロック・オブ・ザ・イヤー、バンド・オブ・ザ・イヤーの2冠に輝いた。2023 年 3 月に 3 枚目のアルバム「Maailman onnellisin kansa (世界で最も幸せな国民)」をリリースした。
枯れ葉
2023年12月15日(金)よりユーロスペースほか全国ロードショー
STORY
北欧の街ヘルシンキ。アンサは理不尽な理由から仕事を失い、ホラッパは酒に溺れながらもどうにか工事現場で働いている。ある夜、ふたりはカラオケバーで出会い、互いの名前も知らないまま惹かれ合う。だが、不運な偶然と現実の過酷さが、彼らをささやかな幸福から遠ざける。果たしてふたりは、無事に再会を果たし想いを通じ合わせることができるのだろうか…?
監督・脚本:アキ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン
出演:アルマ・ポウスティ(『TOVE/トーベ』)、ユッシ・ヴァタネン(『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』)
ヤンネ・フーティアイネン、ヌップ・コイヴ
2023年/フィンランド・ドイツ/81分/1.85:1/ドルビー・デジタル5.1ch/DCP/フィンランド語/原題『KUOLLEET LEHDET』/英語題『FALLEN LEAVES』
配給:ユーロスペース 提供:ユーロスペース、キングレコード
© Sputnik
Photo: Malla Hukkanen
公式サイト kareha-movie.com
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