「愛とは決して後悔しないこと」の名セリフで大ヒットした恋愛映画『ある愛の詩』(70)や娘のテイタムと共演した『ペーパー・ムーン』(73)などで人気を博したハリウッド男優、ライアン・オニールが12月8日に亡くなったことを家族がSNSで公表した。享年82。
米ロサンゼルスで生まれたが、父が作家・脚本家で、母が女優だったため幼少期はヨーロッパで過ごすことが多かった。単身帰国して、一度西ドイツに滞在した後、再びアメリカに帰って、俳優活動を始め、64年TVシリーズ「ペイトン・プレイス物語」に出演して知られるようになり、映画にも進出。1970年に主演した『ある愛の詩』が大ヒットして、彼もアカデミー賞主演男優賞候補になる。73年にピーター・ボグダノヴィッチ監督と組んだ『ペーパー・ムーン』では当時10歳の娘テイタム・オニールと共演し、これもヒットして、テイタムが史上最年少のアカデミー賞(助演女優賞)受賞俳優になった。
それ以外にも75年にはスタンリー・キューブリック監督の『バリー・リンドン』に主演したり、バーブラ・ストライサンドと共演したコメディ『おかしなおかしな大追跡』(72)も全米大ヒットするなど、70年代はトップスターの一人として君臨。他にもこの時代は『夕陽の挽歌』(71)『おかしなおかしな大泥棒』(73)『ニッケルオデオン』(76)『遠すぎた橋』(77)『ザ・ドライバー』(78)『メーン・イベント』(79)と絶好調だった。
80年代以降は徐々にキャリアに衰えが目立ち、娘テイタムとの不和や、私生活のパートナーだったファラ・フォーセットとの破局、慢性白血病(のちに寛解)の発覚などが続いたが、00年代もTVシリーズ「デスパレートな妻たち」などに登場するなど活動を続けていた。一方で07年には息子グリフィンに銃を発砲したり、08年には違法薬物所持で逮捕されるなどトラブルが続いたことも。
その死をかつての共演者たちが悼んでいる。バーブラ・ストライサンドはX(旧Twitter)で『ライアン・オニールの訃報を聞いてとても悲しい。私たちは2本の映画『おかしなおかしな大追跡』『メーン・イベント』を一緒に作りました。彼は面白くて魅力的で、記憶に残るでしょう」とコメント。
ミア・ファローは共演シーンの画像をXに投稿し、「親愛なるライアン、安らかに眠ってください」とポストした。