身分を隠して高級娼館に潜入した作家エマ・ベッケルの2年間を描いた小説『La Maison』を映画化した『ラ・メゾン 小説家と娼婦』が12月29日(金)より公開。このたび、岩井志麻子、児玉美月、鈴木涼美ら著名人から推薦コメントが到着。あわせて、新ポスタービジュアルと主演アナ・ジラルドからのコメントが入った本編映像が解禁された。
実際に娼館で働いた体験を小説にするという大胆すぎる取材方法が賛否両論を巻き起こした小説『La Maison』はアンダーグラウンドで生きる女性たちのリアルな姿が大きな共感を呼び、世界16ヵ国で大ベストセラーに。本作はこの小説を基に、『ワンダーボーイ』(19)で熱い注目を浴び、『マダムのおかしな晩餐会』(18)、『THE INFORMER 三秒間の死角』(19)など女優としても活躍する気鋭の女性監督アニッサ・ボンヌフォンが映画化した作品。
このたび解禁されたのは、アナの妖艶な表情と魅惑的な肢体を隠すことなく、全面に押し出した新ポスタービジュアル。娼婦として働く覚悟ができたアナの「全てをさらけ出す」意思と決意が滲み出てくるような新デザインとなっている。
あわせて解禁された本編映像は、主人公エマと妹が、娼婦に対するお互いの「正論」をぶつけ合うシーン。娼婦として働く姉をどうしても受け入れられない妹が「姉が身体を売ったお金で暮らしたくない」「姉が娼婦の仕事を誇らしく語るなんて嫌なの」と訴える。しかしエマは「それは悪いこと?」「男が私に従う感覚が好きだし、お金があると安心できる」「決めつけないで」とアナは自らで「選ぶ」自由を主張する。
また映像の冒頭では、エマを演じたアナ・ジラルドが本作を通して「偏見や批判的な視線が少しでも変わり、新しい女性のビジョンを持ち帰ってくれたら嬉しいです」とその想いを語っている。
さらに今回、著名人からの推薦コメントも到着。作家の岩井志麻子は「小説家は、小説を書くために危ない体験をしてみるのではない。危ない体験をしたいから、小説を書く人でいなきゃならないのだ。私にはわかる」、映画文筆家の児玉美月は「この映画のような娼館を舞台にしたエロティックな作品はこれまでも幾度となく観てきたかもしれないが、『ラ・メゾン』がそれらと決定的に異なるのは女性の作家と女性の監督が幸福な化学反応を起こしているところにある。 厄介で複雑極まる女たちは、規定された二項対立の檻から華やかに脱獄してゆく」と述べ、作家の鈴木涼美は「人が娼婦になる時の引力は、論理や理性、友情、恋人、愛さえも凌駕するほど強靭だと思う。女たちの肉体を前に本を書きたいという彼女の欲望がどこか空虚に聞こえるこの作品は、そういう意味でとても誠実な映画だと思った。それにしても、金銭で何かを埋め合わせる男女の関係は場所や時代を超えてとても似ているものだ」と語る。
文筆家・映画監督・元AV女優の戸田真琴は「娼婦は汚れない。汚されていない。娼婦は汚れているのだと感じる側が、本当は自らの魂を自分で汚している。全ては買う側、見る側にかかっている」、アダルトビデオ監督の二村ヒトシは「風俗店にお客として行ったことあるすべての人と、風俗店で働いたことがあるすべての人に観てもらいたい。どんなふうに思ったか、感想が聴きたい。 でも、いちばん観てもらいたいのは、風俗店で働いた経験はないけど、ときどき自分のセックスや恋愛や女性性について真剣に考えてしまう普通の女性たちです」と本作への想いを寄せる。コメント全文・一覧は以下にて。
『ラ・メゾン 小説家と娼婦』は12月29日(金)より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開。
著名人コメント全文(敬称略・50音順)
★岩井志麻子(作家)
小説家は、小説を書くために危ない体験をしてみるのではない。危ない体験をしたいから、小説を書く人でいなきゃならないのだ。私にはわかる。
★児玉美月 (映画文筆家)
この映画のような娼館を舞台にしたエロティックな作品はこれまでも幾度となく観てきたかもしれないが、『ラ・メゾン』がそれらと決定的に異なるのは女性の作家と女性の監督が幸福な化学反応を起こしているところにある。 厄介で複雑極まる女たちは、規定された二項対立の檻から華やかに脱獄してゆく。
★鈴木涼美 (作家)
人が娼婦になる時の引力は、論理や理性、友情、恋人、愛さえも凌駕するほど強靭だと思う。女たちの肉体を前に本を書きたいという彼女の欲望がどこか空虚に聞こえるこの作品は、そういう意味でとても誠実な映画だと思った。それにしても、金銭で何かを埋め合わせる男女の関係は場所や時代を超えてとても似ているものだ。
★戸田真琴 (文筆家・映画監督・元AV女優)
娼婦は汚れない。汚されていない。娼婦は汚れているのだと感じる側が、本当は自らの魂を自分で汚している。全ては買う側、見る側にかかっている。
★二村ヒトシ (アダルトビデオ監督)
風俗店にお客として行ったことあるすべての人と、風俗店で働いたことがあるすべての人に観てもらいたい。どんなふうに思ったか、感想が聴きたい。 でも、いちばん観てもらいたいのは、風俗店で働いた経験はないけど、ときどき自分のセックスや恋愛や女性性について真剣に考えてしまう普通の女性たちです。
ラ・メゾン 小説家と娼婦
2023年12月29日(金)より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
監督:アニッサ・ボンヌフォン 原作:「La Maison」エマ・ベッケル著 出演:アナ・ジラルド、オーレ・アッティカ、ロッシ・デ・パルマ、ヤニック・レニエ、フィリップ・リボット、ジーナ・ヒメネス、ニキータ・ベルッチ
2022年/フランス、ベルギー/フランス語、英語、ドイツ語/89分/カラー/1:2.35/5.1ch/原題:La Maison/字幕翻訳:安本熙生 /R-18/配給:シンカ
© RADAR FILMS - REZO PRODUCTIONS - UMEDIA - CARL HIRSCHMANN - STELLA MARIS PICTURES
本作は“French Cinema Season in Japan”の一環として、ユニフランスの支援を受けて公開されます。
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