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第73回ベルリン国際映画祭にて史上最年少で主演俳優賞を受賞したスペイン映画『ミツバチと私』(全国順次公開中)の公開を記念してトークイベントが1月13日(土)に行われ、ゲストとして、ジェンダーやセクシュアリティの視点、フェミニズム、クィア理論について執筆活動を行っている作家の鈴木みのりと、映画監督のほかに、映画評の執筆活動も行っている鈴木史が登壇した。

「(主人公の)お兄ちゃんが好き」と意気投合

本作は、自分の性別に悩み「本当の自分」を探す8歳の主人公と、葛藤しながらも寄り添う家族の物語。2020年に男優賞・女優賞が廃止され、性別区分のない主演俳優賞、助演俳優賞が新設されたベルリン国際映画祭では、主演のソフィア・オテロがまさにそれを体現する形で、史上最年少の9歳にして最優秀主演俳優賞受賞を成し遂げた。手がけたのは、数々の短編を監督し、『Chords』(22)では第75回カンヌ国際映画祭の監督週間で上映された実績を持つスペイン人監督のエスティバリス・ウレソラ・ソラグレン。

本作の公開を記念して、新宿武蔵野館にてゲストを迎えたトークショーが開催。上映終了後、たった今鑑賞を終えた観客の盛大な拍手に迎えられ、鈴木みのりと鈴木史が登壇。さっそく本作の感想として、鈴木みのりは「多層的でいろんな見方ができ、映画として素晴らしい」と率直な感想を述べた。更に、「バスク地方の風景や俳優の表情など、映像や音だけでも見ごたえがあり、語るべき点がたくさんある」と本作の魅力が一つだけではないことにも言及。自身も映画監督として活動する鈴木史は、「カメラを手持ちで撮影しているため、揺れている感じや、ソフィア・オテロの機微が描かれていて素晴らしかった」と監督の視点から、撮影の技法についてもコメントした。

次に「名指し」というテーマを巡ってトークが展開。鈴木みのりは、「トランスジェンダーや性別違和を訴える子どもたちにとって、名指しは大事なテーマである」と言及。さらに本作の主人公が“アイトール”や“ココ(バスク地方では(坊や)を意味する)”と複数の名前で呼ばれていることに、「最初は混乱した」とコメントするも、最終的に“ルシア(主人公が憧れる聖ルチア)”という名前が登場することから、「名前を獲得していくドラマとして構成がよかった」と熱く語った。これに対し、鈴木史も同意を示した。

また、自分がドレスを着たことが原因で家族が喧嘩になったことから、森の中に失踪した主人公を、家族が探すシーンについて触れた。兄が耐えきれなくなり“ルシア”と叫ぶことについて「うまく行っていなかった家族が、それぞれの役割を初めて引き受けられている。むしろお兄ちゃんやお母さんが誕生した産声とも言える」と解説。さらに「周囲の人々の(主人公に対する)アプローチ」が本作の鍵となっていることを熱弁した。このシーンについて鈴木みのりも家族それぞれの役割を発見していくという分析が腑に落ちたと、賛同の様子を見せた。

続けて、物語のモチーフになっているバスク地方についてのトークが展開。鈴木史は「薄暗い森が家族の不安を象徴し、ルシア(ラテン語で光)と叫ばれることで光が開ける様子がバスク地方を写しただけでなく、物語の比喩にもなっている」と解説。「中心部から離れた場所にあるバスク地方と、主人公がシンクロしてくる部分もおもしろい」と鈴木みのりも感慨深く語った。

そして2人は、「(主人公の)お兄ちゃんが好き」と意気投合。鈴木史は「ラストシーンの涙で上手く”ルシア”と叫ぶ事ができない姿を観て、お兄ちゃんらしさを獲得したのだと感じた」と好きなシーンを力説。さらに、好きなシーンはどこかと尋ねられた鈴木みのりは、主人公が大叔母のルルデスに「生まれ変わったら女の子になれるかなという」と問うたシーンを挙げた。ルルデスから「もう女の子だよ」と言われたにも関わらず、主人公が真に受けすぎていない感じが好きと明かした。

最後に「喜びの瞬間が無数にあったと思い出させてくれるような作品」と本作の魅力を語り、終始笑顔が絶えない中、イベントは幕を閉じた。

『ミツバチと私』は新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開中。

作品情報

ミツバチと私
2024年1月5日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

STORY
夏のバカンスでフランスからスペインにやってきた家族。8歳のアイトールは、自分の性自認が分からず、違和感と居心地の悪さの悩み、心を閉ざしていた。母はそんなアイトールを愛しながらも向き合い方に迷っている。ある日、叔母が営んでいる養蜂場でミツバチの生態を知ったアイトールは、ハチや自然と触れ合うことで心をほどき、多様性を受け入れ、ありのままで生きていきたいという思いを強くしていく――。

監督・脚本:エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン 撮影:ジナ・フェレル・ガルシア 美術:イザスクン・ウルキホ 編集:ラウル・バレラス
出演:ソフィア・オテロ パトリシア・ロペス・アルナイス アネ・ガバライン

2023年/スペイン/128分/1:1.85/スペイン語・バスク語・フランス語/英題:20,000 SPECIES OF BEES/カラー/5.1ch/字幕:大塚美左恵

配給:アンプラグド 後援:駐日スペイン大使館

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