インド映画の特集上映「インディアンムービーウィーク2024パート1」が今週末6月7日(金)より4週間にわたり、東京・キネカ大森にて開催される。初上映作品と過去の人気作品を合わせ、全14作品が上映される。
国語が存在せず、地域ごとに公用語が並立する多言語大国インド。その映画産業もまた、言語ごとに幾つにも分かれ、それぞれが独自の映画的風土をもち、各言語を母語とする観衆から厚い支持を得ている。“映画大国インド”から、インド映画を専門に配給するSPACE BOXが、近年の話題作や過去上映の人気作品をピックアップした全14作品を「インディアンムービーウィーク2024パート1」として紹介する。
今回は、人気俳優ヴィジャイ主演作『タライヴァー』のほか、サンジャイ・リーラー・バンサーリー監督が「ロミオとジュリエット」を翻案した『ラームとリーラー』を初上映。全14本の上映作品は以下のとおり。
上映作品
初上映作品
タライヴァー(原題: Thalaivaa)
1988年に起きたムンバイの暴動に懲りてマドラスに戻るラトナムは、恩人ラーマドゥライからその息子ヴィシュワを預かる。25年後、成長したヴィシュワはシドニーでダンサーとして活躍していた。ムンバイに住み続ける父のラーマドゥライは人々から慕われるドンだったが、息子には身分を偽っていた。ヴィシュワは恋人と共にムンバイを訪れ、父に再会するが、そこで予期せぬ暴力が彼らを襲う。人気俳優ヴィジャイを、『神さまがくれた娘』(2011年)のA・L・ヴィジャイ監督が撮った作品。
監督 A・L・ヴィジャイ
出演 ヴィジャイ、アマラ・ポール、サティヤラージ、ラーギニ・ナンドワーニ
ジャンル スリラー
2013年/タミル語/175分/ G相当
字幕 日本語
©Sri Mishri Productions
※日本語字幕版初上映
ラームとリーラー(原題:Goliyon Ki Rasleela Ramleela)
舞台は西インド、グジャラート州のとある村。ここでは2つの部族が抗争を繰り返していた。ホーリー祭の日に出会ったラームとリーラーはお互いに一目で恋に落ちるが、相手が対立する部族の出身であることを知る。「ロミオとジュリエット」の翻案。『バジラーオとマスターニー』(2015年)、『パドマーワト 女神の誕生』(2018年)で知られる映像の魔術師サンジャイ・リーラー・バンサーリー監督と、ディーピカー、ランヴィールが最初にタッグを組んだ作品で、多くの映画賞を受賞した。
監督 サンジャイ・リーラー・バンサーリー
出演 ディーピカー・パードゥコーン、ランヴィール・シン/プリヤンカー・チョープラー(カメオ出演)
ジャンル ドラマ、ロマンス
2013年/ヒンディー語/156分/ G相当
字幕 日本語
©️Bhansali Productions ©️Eros Worldwide
※IMW初上映(新訳字幕版にて上映)
アンコール上映作品
無職の大卒(原題:Velaiilla Pattadhari)
大学で土木工学を学んだラグヴァランは、時代の花形のIT専攻でなかったばかりに、職が見つからない。理解ある母と、隣に越してきたシャーリニの二人から励まされ、大きなチャンスを掴むが、大手建設会社の御曹司と対決することになる。「職のない若者」というインド映画の定番テーマを、ダヌシュならではのキレのあるアクションとダンス、恋愛、ファミリー・センティメントで彩った、爽やかで痛快な一作。
監督 ヴェールラージ
出演 ダヌシュ、サムドラカニ、アマラ・ポール
ジャンル ドラマ、コメディ、アクション
2014年/ タミル語/ 133分/ G
字幕 日本語
©️Escape Artists Motion Pictures ©️Wunderbar Films
永遠の絆(原題:Viswasam)
テーニ地方に住むドゥライは有力者だったが、その腕力頼みの生き方に嫌気がさした妻に去られている。村人の懇請もあり、彼はムンバイに出かけて行き、妻と縒りを戻そうと試み、娘を襲撃者から守る。カラフルな田舎の祝祭、お約束の乱闘、コテコテのお笑いなど、伝統的娯楽映画を踏襲しながらメッセージを含む。タミル語映画界で人気を集めるアクション俳優、アジット・クマール主演の大ヒット作。
監督 シヴァ
出演 アジット・クマール、ナヤンターラ、ジャガパティ・バーブ、アニカ、ヴィヴェーク、ヨ
ギ・バーブ
ジャンル コメディ、ドラマ、アクション
2019年/ タミル語/146分/G
字幕 日本語
©️Sathya Jyothi Films
兄貴の嫁取物語(原題:Veeram)
5人兄弟の長兄のビナーヤガは腕っぷしが強く、村人たちからも尊敬されていたが、異性関係では超硬派で、女性との付き合いは全くなかった。それぞれの恋人とゴールインしたいのに長兄に言い出せない4人の弟たちは、策略を巡らし、村にやってきた美術修復家の女性コーペルンデヴィとビナーヤガとの間に恋を芽ばえさせようとする。しかし彼女の一家は全員が徹底した非暴力主義者だった。アジット・クマールとタマンナー(『バーフバリ』シリーズ)共演のアクションコメディ。
監督 シヴァ
出演 アジット・クマール、タマンナー、サンダーナム、ナーサル
ジャンル コメディ、アクション
2014年 / タミル語 / 160分/ G(暴力シーンあり)
字幕 日本語
©️Vijaya Productions
ウスタード・ホテル(原題:Ustad Hotel)
裕福な家庭に生まれドバイで育ったファイジはシェフになるのが夢だったが、それに反対する父から勘当される。カリカットの祖父の元に身を寄せ、祖父の経営する大衆食堂を手伝いながら成長していく。カリカットのムスリム社会を背景に、マラバール・ビリヤニ、パロタなど、ケーララ州の名物料理の垂涎ものイメージを交えながら、青年の成長をのびやかに描く。
監督 アンワル・ラシード
出演 ドゥルカル・サルマーン、ニティヤ・メーノーン、ティラカン、シッディク、マームッコーヤ
ジャンル ドラマ
2012年/ マラヤーラム語/ 151分/ G
字幕 日本語
©️Magic Frames
シャンカラーバラナム 不滅のメロディ(原題:Sankarabharanam)
南インド古典声楽の巨匠シャンカラ・シャーストリと、彼を崇めるトゥラシ。娼家に生まれたトゥラシは神前の巫女のようにシャンカラに仕えたいと望んでいたが、残酷な運命はそれを許さない。二つの純粋な魂の彷徨の道筋を彩る古典音楽と古典舞踊の饗宴。ひたすらに芸を磨く求道と神への無私の信仰が一つになる圧巻のクライマックス。インド映画の「芸道もの」の系譜の中で一時代を画し、南インド全域でヒットした、金字塔と言われる名作。
※2015年にデジタルリマスターされたタミル語吹替版。
監督 K・ヴィシュワナート
出演 J・V・ソーマヤージュル、マンジュ・バールガヴィ、トゥラシ・シヴァマニ、アッル・ラーマリンガイヤ
1979年(2015年リマスター版)/ タミル語 / 136分/ G
字幕 日本語
©️Poornodaya Movie Creations
ジガルタンダ(原題:Jigarthanda)
映画監督を目指すカールティクは、映画監督コンテスト番組に出場する。セミ・ファイナルで選外になりかけたが、審査員を務めたプロデューサーから長編映画の製作を持ちかけられる。提示された条件は、壮絶なギャングの抗争をテーマにした映画をつくることだった。カールティクはおっかなびっくり、南インドのマドゥライで悪名を轟かせる凶悪なギャングのボス、セードゥに関してリサーチを始める。タミル語映画界の鬼才、カールティク・スッバラージ監督が撮った、ギャングスター・ミュージカル。
監督 カールティク・スッバラージ
出演 シッダールト、ボビー・シンハー、カルナーカラン、ナーサル
ジャンル ドラマ / コメディ
2014年/タミル語/171分/ PG-12
字幕 日本語
©️Group Company
ジガルタンダ・ダブルX(原題:Jigarthana Double X)
新米警察官のキルバイは不可解な事件に巻き込まれ、自身が牢に繋がれる。彼は、政界に強いコネクションを持つ悪徳警視ラトナクマールに脅されて、マドゥライ地方のギャングの親分シーザーの暗殺を命じられる。シーザーに近づくために、彼はサタジット・レイ門下の映像作家と身分を偽り、彼を主演にした映画を撮るふりをする。カールティク・スッバラージ監督が激烈な社会批評を盛り込んだ衝撃作。
監督 カールティク・スッバラージ
出演 ラーガヴァー・ローレンス、S・J・スーリヤー、ニミシャ・サジャヤン
ジャンル スリラー
2023年/タミル語/172分/ PG12
字幕 日本語
©Stone Bench Films ©Five Star Creations ©Invenio Origin
後継者(原題:Varisu)
大企業オーナー一族が住む屋敷に、当主と衝突して家を出ていた三男ヴィジャイが戻ってくる。彼は事業を引き継ぎバラバラの家族を結びつけようとする。ヴィジャイ(マスター 先生が来る!)主演、インドで2023年1月に公開されたヒット作。
監督:ヴァムシー・パイディパッリ
出演:ヴィジャイ、ラシュミカー・マンダンナ、サラトクマール
ジャンル:ファミリードラマ、アクション
2023年/タミル語/169分/G
字幕 日本語
©️Sri Venkateswara Creations ©️PVP Cinema
マジック(原題:Mersal)
チェンナイの低所得者層地域で開業するマーラン医師は、低額で患者を診る人徳者で、国際会議でも表彰される。しかしその周りで医療関係者の不審死が起こり、警察は彼を拘束して尋問する。そこで浮かび上がったのは、ヴェトリという名の彼と瓜二つの奇術師だった。V・ヴィジャエーンドラ・プラサード(『バジュランギおじさんと、小さな迷子』)が脚本に加わった、娯楽性がある社会派スリラー。
監督 アトリ
出演 ヴィジャイ、サマンタ、カージャル・アグルワール、ニティヤ・メーノーン、S・J・スーリヤー、サティヤラージ
ジャンル スリラー、アクション
2017年 / タミル語 / 169分 / R15+(肉体損壊の描写あり)
字幕 日本語
© Sony Music India © Sri Thenandal Films
英語字幕上映作品(いずれもIMW初上映)
Seethakaathi(原題:シーダカーディ)
ベテラン舞台俳優のアイヤは舞台上で急死する。死後に行われた公演で、ある劇団員の演技が劇的に変化し、関係者はアイヤの魂が彼に乗り移っていると確信する。公演を見た映画監督がその俳優を自作の主演に抜擢し、映画は大ヒット。俳優の中にいるアイヤが人気スターとなる怪現象が起こる。『途中のページが抜けている』の監督、キャストが再集結した、新感覚のスリラードラマ。
監督 バーラージ・ダラニダラン
出演 ラージクマール、マウリ、アルチャナ、バガヴァティ・ペルマール、ヴィジャイ・セードゥパティ
ジャンル ドラマ、スリラー
2018年/ タミル語/ 173分/ 映倫区分G相当
字幕:英語
©️Passion Studios
Nenjam Marappathillai(原題:魂は忘れない)
キリスト教の養護施設で育った孤児マリヤムは、施設への恩返しとして献金するために、紡績会社経営者の裕福な家庭のベビーシッターの職を得る。屋敷の主人ラームゼーは、妻の不在時にマリヤムをレイプして殺し、使用人に死体を処分させる。彼女の魂は屋敷に戻り、犯人たちを追い詰めていく。S・J・スーリヤーの演技が話題になった怪作ホラー。
※性暴力を想起させるシーンがあります。
監督 K・セルヴァラーガヴァン
出演 S・J・スーリヤー、レジーナ・カサーンドラ、ナンディター・シュウェータ
ジャンル ホラー
2021年/ タミル語/ 150分/ 映倫区分PG12相当
字幕:英語
©️Escape Artists Motion Pictures ©️GLO Studios
Vaaranam Aayiram(原題:千の象を倒す者)
対テロ作戦のためカシミールに赴くスーリヤ少佐のもとに、父クリシュナンの死の知らせが届く。1970年代にチェンナイの大学生だったクリシュナンとマーリニの恋物語、結婚して生まれたスーリヤとクリシュナンとの友達のような交歓、成長したスーリヤが出会った女性メーガナとの恋愛などが回想によって綴られ、現在の彼ができるまでを物語る。親子二代をスーリヤが熱演した人間ドラマ。
監督 ガウタム・メーナン
出演 スーリヤ、サミーラ・レッディ、ラムヤー、シムラン、ディーパ・ナレーンドラン、アジャイ
ジャンル ドラマ、ロマンス
2008年/ 169分/ タミル語/ 映倫区分G相当
字幕:英語
© Aascar Film Pvt. Ltd © Cloud Nine Movies
インディアンムービーウィーク2024パート1
【開催日程・上映劇場】
2024年6月7日(金)〜 7月4日(木)
東京:キネカ大森
https://ttcg.jp/cineka_omori/movie/1118900.html
【チケット料金】
日本語字幕作品:2,000円(税込)均一
英語字幕作品:3,000円(税込)均一
※全席指定/入替制
※特別興行のため、各種割引・招待券・株主優待券はご使用になれません
【主催】SPACEBOX
公式サイト https://imwjapan.com/
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