中国映画のニューウェイブを巻き起こし、第五世代の先頭を走ったチャン・イーモウ監督のデビュー作から代表的な3作品が今再びHDレストア版でスクリーンに甦り、「張芸諜 チャン・イーモウ 艶やかなる紅の世界」として12月27日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開されることが決定した。あわせてキービジュアル&予告編が解禁された。
中国映画の中で世界にその名を知らしめる監督として活躍する巨匠チャン・イーモウ。監督デビュー作である『紅いコーリャン』が第38回ベルリン国際映画祭グランプリを受賞して以来、数々の賞を受賞し、一躍、中国現代映画の旗手として世界的にその名を轟かせた。そんな彼が名女優コン・リーとコンビを組んだ初期3作品である『紅いコーリャン』『菊豆〈チュイトウ〉』『紅夢』がチャン・イーモウ監督監修によってHDレストア化され、『張芸諜 チャン・イーモウ 艶やかなる紅の世界』と称して全国順次公開される。
文化大革命後の1980年代に、北京電影学院を卒業した“第五世代”と呼ばれる映画人たちの一人として、“紅”を基調とした個性的な作品で世界を驚かせ、現代中国映画の礎を築いた一人として、中国映画を代表する巨匠となったチャン・イーモウ。作品だけでなく、今回上映する3作品の主演を演じるコン・リー、『初恋のきた道』(1999)で映画デビュー兼主演となったチャン・ツィイー、『サンザシの樹の下で』(2010)で映画デビュー兼主演となったチョウ・ドンユィといった、今や中国を代表する女優たちをこれらの作品で発掘するなど、演出だけでなく俳優の能力を見極める眼力にも定評がある。また『英雄HERO』(2002)、『グレートウォール』(2016)などのハリウッド超大作で世界的大ヒットを飛ばし、2008年夏と2018年冬の両オリンピックの開会式および閉会式の総監督を手掛けるなど、中国映画界のみならず中国を代表する一人として活躍している。
なお、上映劇場にて各作品初回入場者限定でコン・リーポストカード(3種アトランダム配布・限定枚数)をプレゼント。上映作品の詳細は以下のとおり。
上映作品
紅いコーリャン 原題:紅高梁 RED SORGHUM
第38回ベルリン国際映画祭グランプリ(金熊賞)
第8回中国金鶏奨最優秀物語賞・最優秀撮影賞・最優秀音楽賞・最優秀録音賞
第11回百花奨最優秀物語賞
主演:コン・リー チアン・ウェン トン・ルーチュン リウ・チー チー・チュンホァ
製作:ウー・ティエンミン 原作:モー・イェン 撮影:クー・チャンウェイ 音楽;チャオ・チーピン
製作:1987年/中国/カラー/シネマスコープ/91分
日本初公開:1989年1月27日
© 1988, Xi'an Film Studio, All rights reserved
1920年代末の中国山東省の小さな村で、貧しい農家の娘である九児(コン・リー)は、家の経済的困窮を救うために、売られたかのような形で造り酒屋の李の元に嫁ぐことになった。嫁入りの途中、コーリャン畑で強盗に襲われるが、それを助けたのが余占鰲(チアン・ウェン)だった。嫁入り後再び実家に戻ることになった九児はあのコーリャン畑で余と再会し、二人は結ばれる。九児は嫁ぎ先に戻るものの夫は行方不明となっており、未亡人となった彼女は代わりに酒屋を切り盛りし、やがて余と結婚する。子供も生まれ、幸せな日々を送っていたが、やがてその村に日本軍が侵攻してきた…
菊豆〈チュイトウ〉 原題:菊豆 JU DOU
第43回カンヌ国際映画祭ルイス・ブニュエル賞
主演:コン・リー リー・パオティエン リー・ウェイ チャン・イー チェン・チエン
製作総指揮:徳間康快 チョン・ウェンズー 原作・脚本:リウ・ホン 撮影:クー・チャンウェイ ヤン・ルン
製作:1990年/中国=日本/カラー/シネマスコープ/94分
日本初公開:1990年4月28日
© 1990, China Film Co-Production Corporation, Xi'an Film Studio, All rights reserved
1920年代の中国。染物屋の楊金山(リー・ウェイ)に金で買われて嫁いできた菊豆(コン・リー)は、子供が作れない金山の鬱憤に虐待されて死んだ前妻二人同様に、毎日のように彼から折檻を受けていた。楊の甥であり同居している楊天青(リー・パオティン)はその姿に同情していたが、彼女に思いを寄せ、それを知った菊豆はやがて彼と不倫関係に落ちる。天青の子を身ごもった菊豆は、生まれた息子に天白と名付け、金山の子として育てていく。ある時、金山は脳卒中で倒れ、身体が不自由になった彼に、菊豆は復讐するかのように、天白が金山の子でないことを打ち明けた…
紅夢 原題:大紅燈篭高高掛 Raise the Red Lantern
第48回ヴェネチア国際映画祭銀熊賞
1991年ニューヨーク批評家協会最優秀外国映画賞
主演:コン・リー ホー・ツァイフェイ マー・チンウー ツァオ・ツイフェン
製作総指揮:ホウ・シャオシェン 原作:スウ・トン 脚本:ニイ・ゼン 撮影:チャオ・フェイ
製作:1991年/中国=香港/カラー/シネマスコープ/125分
日本初公開:1992年4月11日
© 1991, China Film Co-Production Corporation, All rights reserved
1920年代の中国。父親を亡くし、貧しい生活を愚痴る義母から逃げるために、頌蓮(コン・リー)はすでに3人の夫人を持つその地の財産家である陣佐千(マー・チンウー)の元へ嫁ぐ。各夫人には1院から3院までの住居が与えられており、第4夫人となった頌蓮の4院には、主人の寵愛を受ける赤い提灯が飾り付けられていた。初夜の夜、第3夫人の梅珊(ホー・ツァイフェイ)に邪魔をされた頌蓮だったが、あらためて夫人たちに会うと、彼女たちは陣佐千に寵愛を受けるために生きているかのように見えた。そして愛憎渦巻く夫人たちとの関わりの中で事件は起こった。
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