毎月24日はA24の日として、4か月連続で行われる「A24×ハピネットファントム・スタジオ×TOHOシネマズ」によるコラボレーション上映の第3弾として、3月24日(月)に『ムーンライト』の上映が決定した。

2023年10月、ニューヨークを拠点とする独立系スタジオA24とパートナーシップ契約を締結したハピネットファントム・スタジオ。いよいよ本体制が本格始動し始める2025年、TOHOシネマズの劇場にて「制作:A24×配給:ハピネットファントム・スタジオ作品」の4か月連続となる特別上映を実施。毎月24日に行われるこの企画だが、第3弾として『ムーンライト』が上映される。
第89回アカデミー賞授賞式で起きたハプニングと言えば、有力視されていた『ラ・ラ・ランド』が作品賞受賞として発表された後に、プレゼンターに手渡された封筒が間違っていたことが判明、『ムーンライト』の受賞に訂正されたという出来事だろう。監督のバリー・ジェンキンスは、その時のことを「これほどまでに劇的に自分の人生を変えた数十分は無いのではないか」と語っている。
いまや『ライオン・キング:ムファサ』など大作のメガホンをとるようになったジェンキンスだが当時は長編2作目、本作の製作費はわずか150万ドルとその年のオスカー作品部門に候補入りした中では最も低かった。『ムーンライト』の受賞を歴史的快挙とする所以には、LGBTQのラブストーリーがアカデミー史上初の作品賞を受賞し、マハーシャラ・アリが黒人俳優として12年ぶり、イスラム教徒として史上初の受賞を果たしたことが挙げられる。
彗星のごとく現れ、世界中に愛され、時代に求められたこの物語では、孤独を抱えながらも自分の居場所を探し続ける主人公シャロンの姿が、3つの時代に分けて描かれる。幼少期、少年期、青年期。血の繋がりを超えた結びつきや、親友へ芽生えた一途な恋心を感じながら、アイデンティティーに悩み、自分の心の痛みに向き合って大人へと成長していくシャロン。3人の役者の繊細な演技で紡いでいく時間に、タイム誌は「2016年の映画でも最も印象に残った演技1位」と太鼓判を押した。
ブラッド・ピット率いる制作会社・プランBエンターテインメントと共同で開発した本作は、それまで映画配給をメインに行ってきたA24にとって初めて製作を手掛けた作品だ。アカデミー賞だけでなく、A24の歴史をも大きく進歩させた『ムーンライト』。そしてその日本配給を担ったファントム・フィルム(現ハピネットファントム・スタジオ)。全てはここから始まったと言っても過言ではないだろう。
3月24日のTOHOシネマズ 日比谷でのアフタートークでは、2018年のトロント映画祭のプレミア上映で本作に出会い衝撃と感銘を受けたハピネットファントム・スタジオ代表・小西啓介が登壇。いかにしてA24サイドと交渉し日本配給するに至ったのか、今だからこそ明かされる買い付けの裏話を披露する。さらに、映画ジャーナリストの立田敦子を交えて、第89回アカデミー賞授賞式での『ラ・ラ・ランド』と『ムーンライト』の作品賞発表取り違えプニングの真相や本作の魅力を語る。また、来場者には両劇場で特製ステッカーをプレゼント予定。
これからのA24×ハピネットファントム・スタジオの新作には、ニコール・キッドマンの鮮烈な演技で“A24史上最高に挑発的”と全米有力メディアの年間ベストに続々選出されている『ベイビーガール』が3月28日(金)、“ヒュー・グラントが怖すぎる“サイコスリラー『異端者の家』が4月25日(金)より、それぞれTOHOシネマズ 日比谷ほか 全国公開を控えている。また、“終わり”を告げる鳥「デス (DEATH)」と、ある母娘が織りなす奇想天外にして心温まる物語『終わりの鳥』は4月4日(金)よりTOHOシネマズ ららぽーと横浜他で公開予定。
A24×ハピネットファントム・スタジオ×TOHOシネマズ特集上映
<上映作品>
『ムーンライト』
<上映劇場>
TOHOシネマズ 日比谷、 TOHOシネマズ なんば
<上映日>
2025年3月24日(月)
※上映時間は各劇場の公式サイトをご確認ください
<料金>
・通常料金:2,000円
・学生割引:1,000円 (大学生以下が対象)
※割引不可、無料券不可
<トークイベント>
TOHOシネマズ 日比谷の上映後に、ハピネットファントム・スタジオ代表取締役・小西啓介、映画ジャーナリスト立田敦子のトークイベントを予定。
ムーンライト
STORY
マイアミの貧困地域で暮らす内気な少年シャロンは、学校では「リトル(チビ)」と呼ばれていじめられ、家庭では麻薬常習者の母親ポーラから育児放棄されていた。そんなシャロンに優しく接してくれるのは、近所に住む麻薬ディーラーのフアン夫妻と、唯一の男友達であるケヴィンだけ。やがてシャロンは、ケヴィンに対して友情以上の思いを抱くようになるが、自分が暮らすコミュニティではこの感情が決して受け入れてもらえないことに気づき、誰にも思いを打ち明けられずにいた。そんな中、ある事件が起こり……。
監督:バリー・ジェンキンス
製作:アデル・ロマンスキー、デデ・ガードナー、ジェレミー・クライナー
製作総指揮:ブラッド・ピット、サラ・エスバーグ、タレル・アルビン・マクレイニー
原案:タレル・アルビン・マクレイニー
脚本:バリー・ジェンキンス
撮影:ジェームズ・ラクストン
出演:トレバンテ・ローズ、アッシュトン・サンダース、アレックス・ヒバート、マハーシャラ・アリ、ナオミ・ハリス
配給:ハピネットファントム・スタジオ
原題:Moonlight|2016年|アメリカ映画
© 2016 A24 Distribution, LLC
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