イギリスの映画作家アンドレア・アーノルド監督の最新作『バード ここから羽ばたく』が9月5日(金)より全国公開されるのを記念して「アンドレア・アーノルド監督セレクション」として劇場未公開の2作品『ワザリング・ハイツ 〜嵐が丘〜』と『COW/牛』が8月30日(土)より全国順次公開。このたび「アンドレア・アーノルド監督セレクション」の予告編と著名人コメントが解禁された。
世界の片隅を見つめ続け、みずみずしさと躍動感に満ちた映画を生み出し続ける名匠アンドレア・アーノルド。テレビ番組のダンサーとしてキャリアをスタートさせ、映画監督に転身してからはアカデミー賞、カンヌ国際映画祭など錚々たる映画賞に愛されてきた。フローレンス・ピューが「今後一緒に仕事をしたい監督の一人」として名前を挙げ、『アメリカン・ハニー』に出演したシャイア・ラブーフは「アンドレアのためなら何でもする。彼女は他の人が気づかない私を見てくれた」と語り、新作『バード ここから羽ばたく』に起用されたバリー・コーガンは「ずっとアンドレアと仕事をしたいと、何度も言い続けてきた」と他の多くのオファーを断って本作に参加。フランツ・ロゴフスキーは「アンドレアの手がけてきた作品を尊敬しており、ずっと求めてきたものだった」と、どんな役柄でも受けることを決めていたと語るなど、彼女の作品は俳優たちからも圧倒的な支持を集めている。
『バード ここから羽ばたく』の劇場公開を記念して、これまで日本国内では映画祭や配信でしか観られる機会がなかった、突出した個性を放つ2作品を上映。被写体への圧倒的な信頼に裏打ちされた、“本物”の魅力に触れる映画体験が待っている。


このたび解禁された「アンドレア・アーノルド監督セレクション」の予告編では、世界的に高い評価を受けた2作品が映し出される。アカデミー賞受賞俳優ティルダ・スウィントンが「生々しい感情の激しさと大胆な再解釈は賞賛に値する」と称賛した、 アーノルド流の『ワザリング・ハイツ 〜嵐が丘〜』。古典的名作「嵐が丘」を、これまでにない野蛮さと狂おしさで再構築し、第68回ヴェネチア国際映画祭にて撮影賞を受賞した。もう1作はポール・マッカートニーが自身のX(旧Twitter)で「とても力強い作品だ」とコメントしたアーノルド監督唯一のドキュメンタリー作品『COW/牛』。4年にわたり酪農場の一頭の乳牛に密着し、ナレーションやテキストによる説明を一切排することで、観る者の解釈に委ねる独自の映画術が冴える。
さらに『ANORA アノーラ』のショーン・ベイカー監督、『ノマドランド』の クロエ・ジャオ監督といった現代映画界を代表する作家たちによる、アーノルド作品への賛辞の声も収められている。アーノルド監督の独自の視点と映像美が際立つ、鮮烈な予告編となっている。
また予告編に収録されているコメントと、野外劇「嵐が丘」を演出した演出家・小野寺修二、2024年『ともぐい』で直木賞を受賞した、実家の牧場で酪農従業員として働きながら養羊も行う作家・河崎秋子、元酪農従業員で“牛好き”を自認する漫画家・牛川いぬおからコメントが到着した。コメント全文・一覧は以下のとおり。
コメント一覧
アンドレア・アーノルドの作品は不可欠だ。若さと動きを捉える彼女の手法には他に比類がない。
ショーン・ベイカー(『ANORA アノーラ』)
アンドレア・アーノルドは、実生活の中で親密さと詩情を見出す。彼女の姿勢をとても尊敬している。
クロエ・ジャオ(『ノマドランド』)
<『ワザリング・ハイツ 〜嵐が丘〜』>
生々しい感情の激しさと大胆な再解釈は賞賛に値する。伝統的なロマン主義の枠を超えて、物語の根源的で残酷な本質を見事に捉えた。
ティルダ・スウィントン
アーノルド監督は、自分の目で見る。誠実に「真実」を立ち上げる。自然の描き方、その生々しく誠実な描写に、普段自分がいかに自然そのものを見ず、頭で知ったふうに捉えていたのかとはっとした。
小野寺修二(演出家)
<『COW/牛』>
とても力強い作品だ。それは、今は亡きリンダの同名の曲を思い出させてくれるほどの強さだ。
ポール・マッカートニー
乳牛の健やかな様子を見られる映像が素晴らしい。それまで乳を飲んでいた子牛が離乳し、初めて青草の生える放牧地に出された時のあの躍動。同じく放牧に出された“ルマ”が夕暮れの下で草を食む静けさ。無事に子牛が生まれた時の安堵と、それに続く産後初めての搾乳作業の穏やかさ。被写体に対する距離感をもってある種の客観性を保っており、監督のフェアネスと感性によって絶妙な塩梅で仕上がっている。
河崎秋子(作家)
映像から流れてくる鳴き声と息遣い。繰り返される出産と搾乳の日々に、いつしか彼女に寄り添う気持ちが湧いてくる。
家畜が迎える最後を理解していても。だからこそ、ラストはあまりにも強烈で切ない。
牛川いぬお(元酪農従業員の漫画家)
アンドレア・アーノルド監督セレクション
公開表記:8月30日(土)よりシアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開
提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム
公式サイト:arnold-film.com
バード ここから羽ばたく
2025年9月5日(金)新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座ほか全国公開
監督・脚本:アンドレア・アーノルド
出演:ニキヤ・アダムズ、バリー・コーガン、フランツ・ロゴフスキ
2024年|イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ|英語|119分|ヨーロピアンビスタ|5.1ch|原題:BIRD |日本語字幕:石田泰子
提供:ニューセレクト|配給:アルバトロス・フィルム
© 2024 House Bird Limited, Ad Vitam Production, Arte France Cinema, British Broadcasting Corporation, The British Film Institute, Pinky Promise Film Fund II Holdings LLC, FirstGen Content LLC and Bird Film LLC. All rights reserved.
公式サイト bird-film.jp
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