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第77回カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)にノミネートされ、サンダンス映画祭でも高い評価を得た話題作『グッドワン』が1月16日(金)より全国公開。このたび、インディア・ドナルドソン監督のオフィシャルインタビューが到着した。本作は監督にとって初の長編作品であり、17歳だった頃の自分の記憶や、父との関係性を出発点に生まれた物語だ。インタビューでは、脚本の着想や“説明しすぎない”演出の意図、父と娘のあいだにある複雑な距離感について、自身の言葉で語っている。あわせて、三人の人間性や関係が静かに浮かび上がってくる、山へ向かう車内での会話シーンの本編映像が解禁された。

今回到着したオフィシャルインタビューで、インディア・ドナルドソン監督は、脚本の着想や演出の意図、父と娘の関係性を手がかりに、映画『グッドワン』の原点にある思いを語っている。

インディア・ドナルドソン監督

本作で描かれるのは、17歳の少女サムが、父とその友人とともに過ごす3日間のキャンプを通して経験する、言葉にしきれない感情の揺れだ。ドナルドソン監督は、脚本を書き始めた当時を振り返り、「自分の若い頃のことをたくさん考えていました。もし今の自分が17歳の頃の自分に話しかけて、少しでも安心させてあげられたらいいのにって。」と語り、この映画は、当時の自分、そしてまだその先の人生を何も知らなかった“自分自身”に向けて書かれた物語だという。

主人公サムは、多くを語らない。その沈黙や視線、呼吸のひとつひとつが、彼女の内面を雄弁に物語っていく。ドナルドソン監督が制作の中で何よりも大切にしていたのは、「サムの視点」を最優先にすることだった。「彼女のまわりには、彼女よりずっと多くを喋る男性たちがいます。その中で、彼女の“沈黙”や“観察すること”“聞くこと”そのものを“動き”として昇華して、映画的なものにしたかったんです。」そのために、台詞を強調するのではなく、あえて話している人物をフレームの外に置き、“感じ取っている側”にカメラを向けたと語るドナルドソン監督は、「そうしたさりげない演出の積み重ねによって、この物語を“サムの物語”として成立させていったんです。」という。

父とその友人は、不完全で、ときにサムを失望させる存在でもある。監督は、彼らを一方的に断罪する人物としては描かなかった。「最初から“ひどい人”として描いてしまうと、観客はがっかりしない。愛している人にこそ失望させられる、その感覚により強く惹かれていました」と、その理由を明かしている。

『グッドワン』が大切にしているのは、説明しすぎないことで生まれる余白だ。ドナルドソン監督は、自身が最も惹かれる映画について、「ああ、この作り手は観客を信頼してくれているな、と感じられる作品なんです。時には、あえて語らないことで、解釈の余地が広がって、そこからより深い意味を見つけられることがあると思っています。逆に、今どう感じるべきか、この人物は今こう思っている、とすべて説明されてしまうと、観客自身の体験が損なわれてしまうこともある。」とし、「フラストレーションが溜まらないギリギリのところまで、できるだけ語らないことを意識しました。かといって、何かを隠していると感じさせてしまうほどにはしない。そのバランスを探りながら、観客それぞれが自分自身の体験を重ねて受け取れる余白を残したかったのです。」と振り返る。

そして、脚本執筆や撮影を進めるなかで影響を受けた映画について「『オールド・ジョイ』(監督:ケリー・ライカート)ですね。ごく少人数のクルーで、しかも短い日数で撮影されたと知って、どうやってあんなに親密で詩的な物語を自然の中で描いたのか、制作過程について書かれているものを片っ端から読みました。プロダクションの面でも、本当に刺激を受けました。」とし、続けて「『35杯のラムショット』(監督:クレール・ドニ)も大好きな作品で、人生の転換期にある父と娘の関係を描いた映画としては、これ以上ないほど素晴らしい一本だと思っています。あの作品で描かれる、関係性が少しずつ変化していく“さりげなさ”の表現には、ずっと影響を受けていました。」と語った。さらに、三人だけでバックパッキングの旅に出た先で起きる“ある出来事”が関係性を決定的に変えてしまう映画として、『ロンリエスト・プラネット 孤独な惑星』(監督:ジュリア・ロクテフ)も参考にしたという。

エンディングテーマに選ばれたのは、コニー・コンヴァースによる楽曲、「Talkin' Like You (Two Tall Mountains)」。音楽スーパーバイザーが用意したプレイリストの中でこの曲に出会った監督は、その美しさと歌詞が作品と強く響き合っていると感じたという。「二つの高い山のあいだに…」というフレーズなど、歌詞があまりにも作品にぴったりだと。監督は、感性の合った人々と作品を作るなかで生まれた“偶然”の重なりについて触れ、コニー・コンヴァースという存在を、本作における「精神的な道しるべ」のような存在だったと語っている。

あわせて解禁される本編映像は、サム、父クリス、そして父の友人マットが山へ向かう車内で過ごすひとときを切り取ったものだ。ガールフレンドとメッセージでやり取りをしているサムの前で、クリスとマットは離婚や結婚、家族との関係について語り続ける。その会話を、サムは意図せず聞く立場に置かれていく。やがてマットから意見を向けられたサムは、「相手の気持ちを考えてみたら?」と応じる。

途中、クリスのスマートフォンに仕事の連絡が入ると、サムに返信の代理を依頼する。クリスの返答文面に対し、サムが「冷たい感じ」と口にすると、クリスは「ああいう女を甘やかしたらダメだ」と言い切る。サムは「電話すれば?」と提案するが、クリスはそれを受け取らず、「了解」とだけ返すよう指示をする。

大きな事件が起こるわけではない。それでも、冗談めいたやり取りの積み重ねの中で、大人たちの価値観や距離感が浮かび上がり、その様子が淡々と映し出されていく場面となっている。

作品情報

グッドワン
2025年1月16日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー

STORY
17歳の少女サムは、父クリスと彼の旧友マットとともに、ニューヨーク州キャッツキル山地へ2泊3日のキャンプに出かける。二人の男たちは、旅路の間、長年のわだかまりをぶつけ合いながらも、ゆるやかにじゃれ合う。年齢以上に聡明なサムは、彼らの小競り合いに半ば呆れつつも、聞き役、世話役を全面的に引き受ける。しかし、男たちの行動によってサムの“大人への信頼”が裏切られたとき、サムと父は“親子の絆が揺らぐ瞬間”を迎えることになる。

監督・脚本:インディア・ドナルドソン
出演:リリー・コリアス ジェームズ・レグロス ダニー・マッカーシー

2024年/アメリカ/英語/89分/2.00:1/5.1ch/カラー/原題:Good One/日本語字幕:堀上香/提供:スターキャット/配給:スターキャットアルバトロス・フィルム

©2024 Hey Bear LLC.

公式サイト https://cinema.starcat.co.jp/goodone/

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