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クレア・キーガン原作のベストセラー小説「ほんのささやかなこと」(鴻巣友季子 訳/早川書房 刊)を映画化した、キリアン・マーフィー主演『決断するとき』が3月20日(金)より全国順次公開。このたび、著名人コメントが解禁された。

本作は第96回アカデミー賞 主演男優賞に輝いた『オッペンハイマー』の後、キリアン・マーフィーが次なる挑戦として選んだ意欲作。原作は、『コット、はじまりの夏』(22)の原作「あずかりっ子」でも知られる作家クレア・キーガンのベストセラー小説「ほんのささやかなこと」。アイルランドに実在した“マグダレン洗濯所”の人権問題を背景に描かれる本作は、社会が長く黙認してきた現実を前に、「知ってしまった個人はどう振る舞うのか」を静かに問いかける人間ドラマ。

今回解禁となったのは、各界9名から寄せられた推奨コメント。原作小説の翻訳を手掛けた鴻巣友季子をはじめ、原作を読み絶賛した小野正嗣、トミヤマユキコ、中島京子、古川日出男ら作家・ライターがコメントを寄せている。さらに、本作に共鳴した作家の柚木麻子、真山仁のほか、北村紗衣、そしてピーター・バラカンも参加。各界の視点から本作への賛辞が寄せられた。コメント全文・一覧は以下のとおり。

コメント一覧(五十音順・敬称略)

小野正嗣(作家)
キリアン・マーフィーの表情や仕草が、ガタガタ揺れるくたびれたトラックや悲しげな風景が、だから映画を形作るすべての要素が、あのクレア・キーガンの素晴らしい小説の言葉の余韻と余白をさらに豊かにし、私たちのなかにある「人間」に強く働きかける——虐げられた者たちを前にして、無力さの闇に沈みそうになる私たちの心に希望と勇気の灯をともしてくれる。

鴻巣友季子(翻訳家、文芸評論家)
静謐な原作よりもなお寡黙な映画で、抑制されたキリアン・マーフィの演技がすばらしい。ほとんど人間離れして神聖な領域に近づいている。
最後は原作よりほんの少し先まで描かれていて、ビルの決意が実行されることが伝わり、しみじみと感じ入った。

北村紗衣(英文学者)
世間に流されずに正しいと思うことをするのはとても大変ですが、そこで行動に出なければ、後で良心の痛みに悩むことになるかもしれません。自分も人の優しさに助けられて生きていたのに、今の社会的地位や安全を優先し、同じような状況で苦しんでいる人を無視することができるでしょうか?この作品はそんな状況でほんの少しだけ勇気を出すのがいかに大事かということを、キリアン・マーフィーの繊細な演技を通して描いています。

トミヤマユキコ(ライター、マンガ研究者)
原作のすばらしさを損なうことなく創り上げられたこの映画に、心からの拍手を送りたい。
ひとりの人間にはひとり分の力しかない。そのことを非力だと嘆くひともいるだろう。
しかし、その力がときに、誰かを、何かを、変えることがある。
小さな力がもたらす大きなうねり。それを目撃したあなたの人生もまた、うねりはじめるかもしれない。

中島京子(小説家)
アイルランドの小さな町に聖夜が近づく。降りしきる雪。間違ったクリスマスプレゼント。娘たちのクリスマスキャロル。つましい人々のささやかな幸福の陰にある不気味な闇が、キリアン・マーフィーのブルーの瞳に吸い込まれていく。説明を省いた静かな映像なのに、張り詰めた緊張感が目を逸らさせない。ラストシーンのその先を、考えずにはいられない映画だ。

ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
Do the right thing - やるべきことをするかどうか、誰でも葛藤する時があります。自分や肉親が犠牲を強いられる可能性があると尚更難しい決断です。終始抑制されたビルの感情がひしひしと伝わる感動作です。

古川日出男(作家)
あらゆるノイズが削ぎ落とされた傑作。そのことは主演するキリアン・マーフィーが〈寡黙さ〉をもって体現しているが、しかし彼の口はしばしば開きっぱなしになっている。沈黙という名の豊饒な言葉を吐き出しているのだ。そして映画全篇を自身の〈動揺〉で震わせる。むしろ、この作品は「静けさの牢獄」と言えるのではないか。だからこそ、なのだが、その静けさに割って入るサウンドが、あるいは、ほんのささやかに乗せられる音響群が、そこに存在するだけで回想シーンを召喚する。つまり、主人公も鑑賞するわたしたちも、現在と過去とを音によって往き来する。しかも舞台となるアイルランドは教会の〈鐘の音〉でつつまれている。最終的にあなたは思うだろう、「わたしたちは鐘の音に空爆されている」と。

真山仁(小説家)
誰かを助けることが“罪”なのか
見て見ぬふりをすることが“常識”なのか
重苦しいアイルランドの冬の中で浮かび上がる“良心”の意味

柚木麻子(作家)
巨大な権力の前に我々は無力でしかない、目の前の誰かを助けたところで自己満足でしかない――。この映画は静かな語り口で、そんな絶望を洗い流し、我々の行手に火を灯す。ラスト間際のある場面は、革命の行進のようだった。本作が今の日本公開されることに、大きな意味がある。

まとめ(注目ポイント)

  • 映画『決断するとき』3月20日(金)より公開キリアン・マーフィー主演。アイルランドの“マグダレン洗濯所”の人権問題を背景に個人の良心を問う人間ドラマ。
  • クレア・キーガンのベストセラー小説を完全映画化原作は「ほんのささやかなこと」。社会の暗部と黙認されてきた現実に対し、主人公が下す決断の行方。
  • 原作翻訳家の鴻巣友季子ら各界9名から絶賛の声小野正嗣や柚木麻子ら作家陣が本作を激賞。圧倒的な寡黙さと繊細な演技がもたらす深い余韻とメッセージ性。
作品情報

決断するとき
2026年3月20日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開

STORY
1985年、アイルランドの小さな町。石炭商として生計を立て、家族と慎ましく暮らすビル・ファーロング(キリアン・マーフィー)は、クリスマスが近づくある日、石炭を届けに訪れた地元の修道院で、目を背けたくなる現実を目撃する。そこに身を置く少女から「ここから出してほしい」と懇願され、若い女性たちが行き場もなく苦しんでいる現実と向き合うことに。見て見ぬふりをすることが賢明だと理解しながらも、良心の呵責に悩むビル。そんな彼が、ついに下す決断とは――。

出演:キリアン・マーフィー アイリーン・ウォルシュ ミシェル・フェアリー クレア・ダン ヘレン・ビーハン エミリー・ワトソン
監督:ティム・ミーランツ 脚本:エンダ・ウォルシュ 原作:クレア・キーガン「ほんのささやかなこと」(鴻巣友季子 訳/早川書房 刊) 製作総指揮:ベン・アフレック マイケル・ジョー ケヴィン・ハローラン 製作:マット・デイモン キリアン・マーフィー アラン・モロニー キャサリン・マギー ドリュー・ビントン 撮影:フランク・バン・デン・エーデン 編集:アラン・デソバージュ 音楽:センヤン・ヤンセン

2024年/98分/アイルランド・ベルギー/カラー/1.85:1/5.1ch 日本語字幕:山下美紗

配給:アンプラグド

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公式サイト unpfilm.com/ketsudan

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