ウクライナ侵攻後からロシアの教育現場で行われている愛国教育の全貌を暴き出し、世界中で大きな話題を呼んでいる衝撃のドキュメンタリー映画『Mr. Nobody Against Putin(原題)』(配給:トランスフォーマー)が、3月16日(日本時間)に発表された第98回アカデミー賞®授賞式にて、長編ドキュメンタリー賞を受賞した。日本では、2026年秋にシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開されることが決定した。

笑顔の絶えない、のどかな田舎町の小学校。僕は子供たちの成長をカメラに収める、ごく普通の教師だった――。2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まる、あの日までは。
ロシア・ウラル山脈の麓、人口約1万人の小さな町カラバシュ。パヴェル・タランキンは、母校でもある小学校でイベントを企画し記録する撮影担当教員として勤務していた。子供たちの何気ない日常や成長の瞬間をビデオカメラに収めながら、彼らに「避難場所」としてオフィスを開放し、一緒に音楽やおしゃべりを楽しむタランキンは、“パシャ”という愛称で親しまれる“頼れるお兄さん”のような存在だ。自由と民主主義を愛する彼は、自身の職業を心から誇りに思っていた。
しかし2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まったことで、彼らの日常は一変する。プーチン大統領は子供たちを国のために命を捧げる「未来の兵士」として育てるため、戦争を賛美し参加するよう学校で教え込む「愛国教育」の導入を新たな国家方針として発令。和やかだった学校の雰囲気は、瞬く間に緊迫した「戦時中」のものへと塗り替えられていく――。
国家が市民を扇動し、急速に戦時下へと突き進んでいくプロパガンダの実態を、当事者の視点からかつてないほど鮮明に暴き出す本作。監督は、デンマークを拠点に活動するアメリカ人ドキュメンタリー作家のデヴィッド・ボレンスタインと、タランキンが共同で務めた。
ロシア国内で数多くの戦争批判者が投獄され、警察組織による厳しい監視体制が敷かれている極めて危険な状況のなか、タランキンはロシア学校教育の現状を世界に告発するため、極秘裏にのべ数百時間にも及ぶ映像データを毎日少しずつ国外のボレンスタインに送り続けたという。タランキンに迫る身の危険や、戦時下に生きる子供たちの身体的・心理的影響など、あらゆる状況の先が見えないまま、撮影と同時進行で編集をしていき、約2年間をかけて完成に至ったという魂の一作だ。
2025年1月にサンダンス映画祭でプレミア上映され、審査員特別賞を受賞。2026年2月の英国アカデミー賞では最優秀ドキュメンタリー賞を受賞するなど、各国の映画祭で大反響を呼んでいる。また、全米批評家サイトRotten Tomatoesでは満足度100%(3月17日現在)という圧倒的な高評価を記録。「心を奪われた。決して忘れられない作品(Roger Ebert.com)」「必見。この衝撃の記録は、ロシアをはるかに超えて世界中に響き渡る(The Guardian)」「タランキンはまるでロシアのマイケル・ムーアだ!(Maier Movies)」など熱い支持と絶賛の声が数多く寄せられている。
国を愛するとは何か? 子供たちに「戦場へ行け」と言うのか? 世界各地で戦争が勃発し、国際情勢の緊張が極限まで高まっている今、この極めて不安定な世界に生きるすべての大人たちに、本作は強く問いかける。
まとめ(注目ポイント)
- 映画『Mr. Nobody Against Putin(原題)』26年秋公開決定3月16日発表の第98回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞。2026年秋より全国順次公開。
- ロシアの教育現場で行われる「愛国教育」の実態2022年2月のウクライナ侵攻後、子供を「未来の兵士」に育てるロシアの「愛国教育」の実態を克明に記録。
- 撮影担当教員による極秘の内部告発と映像流出小学校教師タランキンが極秘撮影。のべ数百時間の映像を国外へ送り続け、約2年をかけて完成させた告発録。
- 世界各国の映画祭で絶賛、批評家サイトで満足度100%サンダンス映画祭や英国アカデミー賞で受賞。全米批評家サイトでは満足度100%の圧倒的高評価を獲得。
Mr. Nobody Against Putin(原題)
2026年秋、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
STORY
ロシアの田舎町の小学校に撮影担当教員として勤めるタランキンは、子供たちから“頼れるお兄さん”として慕われる人気者。愛用のビデオカメラで子供たちの成長を日々記録していたが、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を機に、彼らの日常は一変する。プーチン大統領の教育令により、学校は子供たちに戦争参加を使命として教え込み、訓練する「愛国教育」の場へと変貌していく。逆らう者は「国家の敵」とみなされる絶対的な命令のもと葛藤する教師たち、たちまち戦時教育に染まっていく子供たち、そして次々と戦地へ送られる卒業生たち。その全てを、タランキンのカメラは記録していく。
監督:デヴィッド・ボレンスタイン、パヴェル・タランキン
2025年/デンマーク、チェコ/ロシア語/5.1ch/90分(予定)/原題:Mr. Nobody Against Putin
配給:トランスフォーマー
© 2025 made in copenhagen Aps, Pink Productions s.r.o.




