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1989年よりはじまり隔年秋に開催されるアジア最⼤級のドキュメンタリー映画の祭典、⼭形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)。YIDFFで過去に上映された作品を保存し、⼀部貸出も⾏っている⼭形ドキュメンタリーフィルムライブラリーから「今こそ⾒てほしい」作品をセレクトして連続上映する企画が、7⽉より東京2会場(神保町・シネマリス、東京都写真美術館 [TOPMUSEUM])でスタートすることが決定した。

神保町・シネマリスでは、古今東⻄の選りすぐりの秀作を毎⽉第3⾦曜⽇から1週間上映する「⼭ドキュ定期便」をスタートする。作品に関連するゲストを迎えたトークイベントも毎⽉開催を予定。初回はYIDFF2025アジア千波万波で奨励賞を受賞した『⽊々が揺れ、⼼騒ぐ』のイ・ジユン監督の来⽇を記念して、同部⾨の審査員を務めた井⼝奈⼰(映画監督)とともに特別上映とトークイベントを⾏う。上映スケジュール・料⾦は劇場HP(https://cinemalice.theater/)から確認できる。

東京都写真美術館[TOPMUSEUM]では、東京都写真美術館ホールの上映機材を活⽤して、おもに16mmフィルムや35mmフィルムでの上映を定期的に開催していく。開催⽇時は不定期だが、上映作品を変えて連続で開催される。今後は上映後の映写室⾒学なども予定している。鑑賞料は1,200円(作品により異なる場合あり)。7⽉から8⽉の上映スケジュールは東京都写真美術館公式ウェブサイト(https://topmuseum.jp/news/12580/)で確認できる。

7⽉・8⽉上映作品(シネマリス)

7⽉17⽇(⾦)〜7⽉24⽇(⽊)『我々のものではない世界』
監督:マハディ・フレフェル/パレスティナ、アラブ⾸⻑国連邦、イギリス/2012/93 分/⽇本語・英語字幕あり/
YIDFF 2013 インターナショナル・コンペティション ロバート&フランシス・フラハティ賞(⼤賞)
■北欧に移住したパレスティナ難⺠の監督が、かつて住んだレバノン南部のパレスティナ難⺠キャンプに⾥帰りするたびに撮影した映像と⽗の残したホームビデオなどを織り交ぜ、家族や友の歴史、難⺠キャンプの変貌を、素直な語り⼝ですくい上げる。パレスティナの置かれている悲劇的な状況が、当事者でもなく、完全な第三者でもない視点から紡がれていく。

画像提供:⼭形国際ドキュメンタリー映画祭

7⽉20⽇(⽉・祝)『⽊々が揺れ、⼼騒ぐ』イ・ジユン監督来⽇記念 特別上映&トークイベント
監督:イ・ジユン/韓国/2025/40 分/⽇本語・英語字幕あり/YIDFF2025 アジア千波万波 奨励賞
ゲスト:イ・ジユン監督、井⼝奈⼰(映画監督、YIDFF 2025 アジア千波万波審査員)
司会・通訳:ハン・トンヒョン(⽇本映画⼤学教授)
■再開発に向けて住⺠が退去し始めたソウルの貞陵渓⾕(チョンヌンゴク)。何気ない⾵景に視線を落としながら、そこに暮らす⼈や、かつて暮らしていた⼈、それぞれの物語の中を軽やかに駆け抜ける。

画像提供:⼭形国際ドキュメンタリー映画祭

8⽉21⽇(⾦)〜8⽉27⽇(⽊)『ユキコ』
監督:ノ・ヨンソン/フランス/2018/70 分/⽇本語・英語字幕あり/YIDFF 2019 インターナショナル・コンペティション
■フランス在住の監督、江華島の⺟、沖縄で没した祖⺟という互いに薄い関わりしか持たない三世代の⼥性像を親密に紡ぐ。ふたつの島で架空の物語が静かに交わり、「記憶にない者を悼むことはできるのか」という普遍的な問いから戦争の記憶の継承を描く。

画像提供:⼭形国際ドキュメンタリー映画祭

7⽉・8⽉上映作品(東京都写真美術館)

『真昼の不思議な物体』監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
(YIDFF 2001 インターナショナル・コンペティション 優秀賞、NETPAC 特別賞)
タイ/2000/タイ語/モノクロ/35mm(1:1.85)/83 分/⽇本語・英語字幕あり
■撮影隊はタイの国中を北から南へと旅し、⾏商の⼥性、象使いの少年たち、伝統演劇の劇団員など、道中で出会った様々な⼈たちに物語を創作してもらう。リレー形式で即興的に語り継がれる「不思議な物体」の物語は、変容しながら作者⾃⾝さえも予想できない展開を⾒せていく。斬新な語り⼝で現実と想像の曖昧な境界を魅惑的に描き出し、タイの映画界に実験精神をもたらしたアピチャッポン・ウィーラセタクンの⻑編デビュー作。

画像提供:⼭形国際ドキュメンタリー映画祭

『アンダーグラウンド・オーケストラ』監督:エディ・ホニグマン
(YIDFF '99 インターナショナル・コンペティション 審査員特別賞)
オランダ/1997/フランス語、ルーマニア語、スペイン語/カラー/35mm(1:1.66)/115 分/⽇本語・英語字幕あり
■パリの⾳楽家たち。彼らは地下鉄で、街⾓で、思い思いの楽器を演奏し糧を得ている。多くは政治亡命者であり不法移⺠である彼らの過酷な現実と、クラシックからシャンソン、R&Bなど演奏される⾳楽の素晴らしさ。⾼校⽣から⼤⼈まで⼈気があり、⼭形国際ドキュメンタリー映画祭では合計 4 作品が上映されたエディ・ホニグマン監督の、彼らを⾒つめる⽬の温かさが印象的な作品。

画像提供:⼭形国際ドキュメンタリー映画祭

まとめ(注目ポイント)

  • YIDFF上映作品の連続上映企画が始動 山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー所蔵作を上映する新企画が7月より東京2会場でスタート。
  • シネマリスで「山ドキュ定期便」開催 毎月第3金曜日から1週間、国内外の秀作ドキュメンタリーを継続的に上映。
  • イ・ジユン監督来日イベント実施 7月20日に『木々が揺れ、心騒ぐ』特別上映と井口奈己とのトークイベントを開催。
  • 東京都写真美術館でフィルム上映展開 『真昼の不思議な物体』『アンダーグラウンド・オーケストラ』などを35mmで上映。
  • 世界各地のドキュメンタリー作品を紹介 パレスティナ、韓国、フランス、タイなど多彩な地域の作品を上映する特集企画。

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