20世紀を代表するSF作家の⼀⼈であるアーサー・C・クラーク(「2001年宇宙の旅」)にも⼤きな影響を与えたといわれるSF⼩説の⾦字塔を映画化した『最後にして最初の⼈類』が7月23日(⾦)よりヒューマントラストシネマ渋⾕、新宿シネマカリテほかにて公開。このたび、本作の原作である絶版中の小説「最後にして最初の人類」の序文が期間限定で特別公開されることが決定。また漫画家・随筆家のヤマザキマリから原作に寄せられたイラストとテキストの一部が公開された。

本作は、アカデミー賞(主演男優賞)に輝いた『博⼠と彼⼥のセオリー』(2014/ジェームズ・マーシュ監督)でゴールデングローブ賞作曲賞を受賞し、⼤ヒットした『メッセージ』(2016/ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督)でも同賞にノミネートされた天才作曲家ヨハン・ヨハンソンの初⻑編監督作品であり遺作となった作品。
原作は、英国の哲学者で作家オラフ・ステープルドンの「最後にして最初の⼈類」(1930/邦訳は絶版)。20億年先の未来に⽣きる⼈類第18世代のひとりが、20世紀に⽣きる第1世代の私たちにテレパシーで語りかけてくる内容は、期せずしてヨハンソンの出世作である『メッセージ』の世界観とも響き合うものとなっている。
原作の「最後にして最初の⼈類」は残念なことに現在邦訳版が絶版となっているが、このたび映画の公開を記念し、その序⽂が期間限定(7/16(⾦)〜8/15(⾦)まで)でWebにて無料掲載されることが決定した。
さらに掲載にあたって、漫画家・随筆家のヤマザキマリから原作に寄せられたイラストとテキストの一部が公開。ヤマザキは、原作と映画を評して「オラフ・ステープルドンによる原作は、1ページの中に綴られた⽂字数の100倍以上の情報が織り成されていると⾔っていい、壮⼤な叙情詩である。その圧倒的な世界観を、わずか70分の映像は余計な負荷も虚勢もまとうことなく、堂々と、そして飄々と顕していた」と書き、⾼く評価している。
いずれも配給会社シンカのnoteに期間限定にて公開され、原作序⽂およびヤマザキの寄稿は、上映劇場で販売される完全読本(予価1,000円)にも収録される予定となっている。
◆ヤマザキマリ寄稿とイラストは、以下、配給会社シンカのnoteに掲載。
【noteトップ】https://note.com/synca_creations/
【該当ページ】https://note.com/synca_creations/n/n1db123d060de
◆原作「最後にして最初の人類」序文は、7月16日(金)~8月15日(日)まで同noteにて期間限定公開を予定。
【note】https://note.com/synca_creations/
また、映画に寄せて、新たに写真家の瀧本幹也、映画・⾳楽ジャーナリストの宇野維正からもコメントが到着。『そして⽗になる』『海街diary』『三度⽬の殺⼈』など是枝裕和作品の撮影監督としても知られる瀧本は「モノクロームの映像と⾳楽が、ただただ美しく、『コヤニスカッツィ』を想い出した」と絶賛のコメントを寄せた。
それは太陽なのか、ウイルスか?
この地球が20億年の後、存在していることに気づかされてハッとした。
そんなにも先の地球を想像したことがなかった。知ってはいけない事を、視てしまった感覚。
モノクロームの映像と音楽が、ただただ美しく、「コヤニスカッツィ」を想い出した。
本作のような映画を、映画館で鑑賞できる幸せを噛みしめている。
■瀧本幹也(写真家)
ヨハン・ヨハンソンが最期の日々に何を考えていたのか?
それはこの遺作を観てもわからない。
でも、永遠に「わからない」ということがわかった気がする。
それだけでも、ファンにとっては必見作と言えるだろう。
■宇野維正(映画・音楽ジャーナリスト)
最後にして最初の⼈類
2021年7月23日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテにて全国順次公開
2020年/アイスランド/英語/70分/ヨーロッパビスタ/5.1ch/DCP
★第70回ベルリン国際映画祭正式出品作品
原作:オラフ・ステープルドン著「最後にして最初の人類」
監督:ヨハン・ヨハンソン ナレーション:ティルダ・スウィントン プロデューサー:ヨハン・ヨハンソン、ソール・シグルヨンソン、シュトゥルラ・ブラント・グロヴレン 撮影:シュトゥルラ・ブラント・グロヴレン(『アナザーラウンド』『ヴィクトリア』) 音楽:ヨハン・ヨハンソン、ヤイール・エラザール・グロットマン
配給:シンカ
©2020 Zik Zak Filmworks / Johann Johannsson
【公式サイト】 https://synca.jp/johannsson