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『スパニッシュ・アパートメント』『ダンサー イン Paris』などで知られるセドリック・クラピッシュ監督による最新作『モネと時間旅行』が9月18日(金)より公開。このたび、クラピッシュ監督が19世紀パリを映像化するための徹底したこだわりを語るインタビュー映像が解禁された。

本作では、現代のパリに生きる主人公たちの物語と、19世紀のパリを舞台にした物語が交差しているが、なかでもクラピッシュ監督が徹底的にこだわったのが、当時のパリ(ベル・エポック時代)を「内側から理解する」ための膨大なリサーチ。

クラピッシュ監督は、作品の準備に「3年の歳月」を費やしたと明かし、「自分が印象派についてよく知らないと気づき、徹底的に調べて、美術史の専門家の話も聞いた」と振り返る。そして、本作の脚本家とともに何度も美術館へ足を運び、19世紀がどのような時代だったのかを詳細に調査。絵画や写真、書籍に至るまで膨大な資料を集め、モネやモリゾ、写真家ナダールら当時の著名人だけでなく、名もなき人々の暮らしにも目を向けた。「時代を内側から理解したかった」という監督の言葉通り、単に歴史的な風景を再現するのではなく、当時を生きた人々の感覚や空気まで映像に落とし込んだ。

映像表現においても独自のアプローチを追求。デジタル映像特有の「冷たくて整いすぎた質感」を避けるため、撮影監督とともに、1900年前後の時代を捉えるためのふさわしい新たな映像表現を模索、その中で世界最初期のカラー写真として知られる「オートクローム」に着目。

ジャガイモのでんぷんを利用して三原色を表現する独特の写真技法で、リュミエール兄弟や写真家ラルティーグらも使用していたというオートクローム。その写真資料を目にしたクラピッシュ監督は、その独特の質感を本作の中で再現するため、フィルム撮影や撮影後のデジタル処理など、さまざまな方法を検討。結果、たどり着いたのは、複数のデジタル処理を組み合わせ、シーンごとに色彩を細かく調整するという極めて繊細な作業。粒子感を加えたり、複数の映像要素を“ブレンド”したりしながら、デジタル処理の割合も10%、30%、50%とシーンごとに変化させ、「ある色は鮮やかに、他の色は彩度を落とす」など、一律ではない緻密な色彩設計を施したという。

結果、クラピッシュ監督は、これまで自身が手がけてきた『スパニッシュ・アパートメント』や『猫が行方不明』のような、街の中で即興的に撮影するスタイルとは大きく異なり、「すべて綿密に計算した、幾何学的とも言える撮影」だったと振り返っている。

さらに現代の映像技術と印象派の画家たちの探求にも意外な共通点を見出したクラピッシュ監督。現代人がAIなどの新たな技術を用いて新しい映像表現を模索する一方で、印象派の画家たちもまた、光と色をめぐって新たな表現を追求していたことに触れながら「現代技術が可能にする表現と、19世紀の画家が生み出した技法との間に、深い呼応があるのは興味深い」と言及した。

時代を忠実に再現するだけではなく、現代の技術を通して19世紀の芸術家たちの挑戦と呼応させる――。そこには、30年以上にわたりパリを撮り続けてきたクラピッシュ監督だからこそたどり着いた、過去と現在をつなぐ映像表現へのこだわりが込められている。

まとめ(注目ポイント)

  • 『モネと時間旅行』9月18日公開セドリック・クラピッシュ監督による現代と19世紀パリが交差する最新作。
  • インタビュー映像解禁クラピッシュ監督が19世紀パリの再現と独自の映像表現へのこだわりを語る内容。
  • 3年に及ぶリサーチ美術館や絵画、写真、書籍などを調査し、19世紀パリを「内側から理解」するための準備を実施。
  • オートクロームに着目19世紀末の写真技法に着目し、独特の質感を映像表現に取り入れる試み。
  • シーンごとの色彩設計デジタル処理の割合を10%、30%、50%と変化させ、色彩を細かく調整。
作品情報

モネと時間旅行
2026年9月18日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国公開

監督・脚本:セドリック・クラピッシュ 『ダンサー イン Paris』
出演:スザンヌ・ランドン『スザンヌ、16歳』、アブラム・ヴァプレ、ヴァンサン・マケーニュ『画家ボナール ピエールとマルト』、ジュリア・ピアトン『最高の花婿』、ジヌディーヌ・スアレム『パリのどこかで、あなたと』、ポール・キルシェWinter boy』、サラ・ジロドー『ベルナデット 最強のファーストレディ』、セシル・ドゥ・フランス『幻滅』、オリヴィエ・グルメ『私は確信する』、ヴァシリ・シュナイダー『モンテ・クリスト伯』、ヴァランタン・カンパーニュ『Coward』

原題:La Venue de l'avenir/2025 年/126分/フランス/フランス語/日本語字幕:古田由紀子/1:2.35/5.1ch/配給:セテラ・インターナショナル/協力:ユニフランス

© STUDIOCANAL - COLOURS OF TIME - CE QUI ME MEUT - Emmanuelle Jacobson-Roques

公式サイト Monetojikan.com

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