2025年12月、愛知県名古屋市で誕生した「あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」(通称ANIAFF)第2回が11月13日(金)~18日(水)に開催される。このたび、映画祭のメインを彩る国際長編コンペティション部門に選定された9作品が決定した。また第一弾のチケットが10月14日(水)より発売されることが決定した。

2005年に2200万人以上を動員した愛知万博「愛・地球博」をはじめ、国際芸術祭「あいち」、「あいち国際女性映画祭」、「世界コスプレサミット」などの文化事業を継続してきた愛知県。日本の三大都市圏の中核のひとつである愛知県名古屋市のもつ産業と文化のパワーを融合したグローバル、かつ世界有数の規模となる国際映画祭として、世界中のクリエイターが集い、語らい、刺激し合うクリエイションの場とすることを目的に2025年に誕生したANIAFF。今年も世界各国から多くのゲストを迎え、国際長編コンペティション、ディレクター・フォーカス、オールナイト上映、イベント上映、特集上映、ゲストによるトークショー、アニメーションの未来を考える講演や製作者たちをつなぐ企画マーケットなど様々な部門、企画が目白押しの6日間となる。
第2回の国際長編コンペティション部門には、第1回の「29カ国からの45作品」を大きく上回る、「世界33カ国・地域から67作品」の応募が寄せられた。今回は表現や演出、地域と様々な面で広がりを見せ、手描きからストップモーション、CG、さらにAIを取り入れた作品の応募も目立つなど、制作手法の多様性もさらに顕著に。こういった様々な作品が集まったANIAFFは、まさに世界のアニメーションの進化を映し出している。
そして、多くの優秀な応募作品の中から選出された9作品の国籍は、共同製作を含めて、世界12カ国に及び、その中でも本年は半分をアジアの作品が占めている結果に。まさにアジアの胎動を感じさせるセレクションとなっている。また、AIなどの新テクノロジーによる作品の応募が増えたなか、選考委員によって選ばれた作品は、伝統的な手描きの手法によるものが多いことも今年度のコンペティション作品の特徴となっている。なお会期中には多くの監督の来日が予定されており、映画祭が日本の観客と国内外の作り手との交流の場をつくる。
10月14日(水)15時よりディレクター・フォーカス部門とオールナイトのチケット販売がスタート。詳しくは公式サイトにて(https://aniaff.com/)。
数土直志アーティスティック・ディレクターコメント
第1回を大きく上回る33ヶ国・地域から67作品ものエントリーをいただいたことに喜び、また感謝しています。愛知、名古屋の街の魅力が世界を惹きつける大きな魅力となりました。アジアを重視する映画祭の方向性に重なるように、今回日本を含むアジアの作品がコンペティションの半分を超えました。長編アニメーション作品の世界の広がりと多様化を感じます。映像表現の多様性もますます広がっています。応募作品にはAIを含む多くの新しい試みがみられました。ただ選ばれたのが手のぬくもりを感じさせる作品が多かったのが印象的です。9本のコンペティション作品は、世界のアニメーションの今を見通すものと確信しています。
国際長編コンペティション上映作品
『アナ‐通りすがりの街で‐』(Ana, en passant)
フェルナンダ・サルガド監督/ブラジル、ポルトガル、フランス
祖母を亡くした若い黒人のフランス系ブラジル人女性アナは、生まれてからずっと暮らしてきたパリで行き場を失い、悲しみの中で次第に孤立していく。祖母が残した手がかりをたどり、アナはブラジルのベロオリゾンテへ向かう。そこで出会ったのは、祖母のアパートを借りて暮らしているアリスだった。街に刻まれた感情の地図、その記憶、そして祖先とのつながりを読み解いていく中で、アナとアリスは「自分自身になっていく」とはどういうことなのかを紐解いていく。

『CHERRY AND VIRGIN』 (CHERRY AND VIRGIN)
川尻将由監督/日本
創作に悩みくすぶりつづけるエロ漫画家と、プロ作家になる夢に挫折し現実の男性に苦手意識を持つ腐女子。30歳前後の互いにリアルな恋愛をしたことがない二人が、偶然出会い、とまどいながらも他者と交わって生きることの“苦しさ”と“愛おしさ”を知っていくさまを、現代のサブカルチャーを通して描かれる“普遍的なラブストーリー“。実写映像素材をベースにしてアニメーション化する“ロトスコープ”によって制作、アニメーションをベースにしながらも、実写、漫画の要素を取り入れ、制作に参加するクリエーターの様々なデザインと世界観が1つのシーン内に描き出されるという、従来のアニメーションの枠を超えた独創的な映像表現も魅力に。
©2027東映ビデオ
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『ジュリアン』(Julian)
ルイーズ・バグナル監督/アイルランド・ルクセンブルク・カナダ・デンマーク
好奇心いっぱいのジュリアンは、ほとんど面識のない祖母とひと夏を過ごすことになる。宝物でいっぱいの祖母のアパート、自分自身のカリブのルーツ、そして活気あふれるブルックリンのコミュニティ——ジュリアンはそこで出会うすべてに驚かされる。しかし、何より驚くべきことに、ジュリアンは自分が実は「人魚」だったことに気づく!

『寒夜灯柱』(Light Pillar)
徐澡(シュ・ザオ)監督/中国
かつて栄華を誇った映画撮影所が、経営破綻の危機に瀕している。ギザの大スフィンクスから紫禁城まで、さまざまな建造物のセットが立ち並ぶ広大な敷地は、今や一面雪に覆われ、かつての面影を失っていた。孤独な清掃員のジャは、かつて俳優として活躍していた一匹の猫だけを相棒に、この忘れ去られた場所を守っている。資金が底をついた撮影所のオーナーは、給料の代わりにジャへVRヘッドセットを渡す。たちまち仮想世界に夢中になったジャは、そこで出会った女性プレイヤーと恋の旅を始める。何度かデートを重ねた後、彼女はジャを月への旅行に誘う。旅行代金の自分の分を工面するため、ジャは残業に励む。しかし旅行センターに到着すると、自分のチケットが無効であることを知らされる……。撮影所の閉鎖が目前に迫る中、エイリアンの侵略を描く映画の撮影隊がやって来る。そのクライマックスでは、撮影所が実際に破壊される様子が撮影されることになっていた。撮影当日、ジャはその場に残り、自分の世界とともに消えることを決意する。

『魔法の星図』(Magic Atlas)
孫遜(スン・シュン) 監督/シンガポール
閉ざされた炭鉱帝国「羅刹(Luocha)」に、ひとりの魔術師が現れる。その出現は、かろうじて保たれていた平穏の下で不穏な空気がくすぶる社会に、瞬く間にパニックを引き起こす。逮捕された魔術師は、牢獄で孤児の少年・小智(Xiao Zhi)と出会う。人々が一斉に記憶を失う「ミーメン祭」の最中、魔術師は処刑され火刑に処される直前、小智に密かに『魔法の星図』を託す。その後に起きた混乱の中、小智は「予言の湖(Prophecy Lake)」へと投げ込まれる。時空を超えるポータルでもあるこの湖によって、小智は思いがけず、神聖な修練の地「金塔嶺(Jinta Ling)」へと運ばれる。そこで師の導きを受けながら、小智は自分が魔術師と同じ魂を持つ存在であることを知る。そして、炎のエネルギーを通じて再びひとつになれることを悟る。こうして小智は、より高次の次元世界をめぐる、壮大な旅へと足を踏み入れていく。

『花緑青が明ける日に』(A NEW DAWN)
四宮義俊監督/日本、フランス
老舗の花火工場・帯刀煙火店は、町の再開発により立ち退きを迫られている。そこで育った帯刀敬太郎(萩原利久)は、蒸発した父に代わり幻の花火<シュハリ>を完成させようと独りで奮闘していた。
夏の終わりの日、東京で暮らす幼馴染のカオル(古川琴音)が地元に戻ってきた。敬太郎の兄で市役所に勤める千太郎から立ち退き期限が明日と知らされ、4年ぶりの再会を果たす3人。失われた時間と絆を取り戻すようにぶつかり合いながら、花火の完成と打ち上げを巡る驚きの計画を立てるのだが――。
幻の花火に託された希望と、その鍵を握る「花緑青」。
火の粉が夜を照らし、新しい朝を迎えるとき、敬太郎たちが掴むそれぞれの未来とは?
©2025 A NEW DAWN Film Partners
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『オービット・オブ・マイナー・サテライツ』(The Orbit of Minor Satellites)
クリス・サリバン監督/アメリカ、日本
手描きのアニメーションを絵画のような背景、模型、実写の俳優とデジタルを融合させた長編映画。精神科医と患者が持つ複雑な側面を描き出す。精神科医のダーウッド・リチャーズと、患者であるローズマリー・ハム。ローズマリーは治療を終えた時に、「治療の成功」と「喪失感」の双方に向き合い、折り合いをつけていく。
本作は、2つの並行する物語の対話によって構成される。ひとつは「精神科医の診察室」、そしてもうひとつは、患者であるローズマリーの心が作り出した幻覚の世界である「ソ連とアメリカの宇宙ステーション」。私たちは誰もが、何らかの大きな天体の周囲を回る軌道上にいる。それは「こうありたかった」と願いつつも手が届かない、見知らぬ自分自身の姿なのだ。

『サノバビッチ』(Son of A Bitch)
エリカ・マラドーナ監督・タニア・アナヤ監督・オットー・ゲーラ監督・サヴィオ・レイチ監督/ブラジル
小さな村ヴェレダスには、イスマエルの母親が営む有名な娼館「カーサ・ローザ」がある。そのため、イスマエルは「娼婦の息子」と呼ばれている。一度も会ったことのない父親を探すことを決意したイスマエルは、愛犬バカリャウとともにヴェレダスを旅立つ。しかしその道中、逃れようとしている運命へと彼を執拗に引き戻そうとする、さまざまな出来事に直面する。

『ザザ・ザトゥルナ』(Zsazsa Zaturnnah)
アヴィッド・リオンゴレン監督/フィリピン、フランス
フィリピンの小さな町で暮らす、内気なゲイの美容師エイダ。長年にわたり幾度もの失恋を経験した彼は、恋愛を捨て、ひとりで静かに生きていくことを決意していた。
ところがある日、宇宙から飛来した不思議な石の力によって、エイダは派手で大胆な女性スーパーヒーローへと変身してしまう。
ゾンビと戦い、惑星Xから侵略してきたアマゾニスタたちを阻止するなど、次々と困難に立ち向かうことになるエイダ。そして彼を待ち受ける最大の試練は、再び誰かを愛するために、自らの心をさらけ出すことだった。

まとめ(注目ポイント)
- 第2回ANIAFFを11月13日から開催2026年11月13日から18日まで愛知県名古屋市で開催する第2回映画祭。
- 国際長編コンペティション9作品決定世界33カ国・地域から67作品の応募が寄せられ、9作品を選出。
- アジア作品が半数を占めるセレクション世界12カ国の作品から選ばれた9作品のうち、アジア作品が半数を占める。
- 多様な制作手法の作品が応募手描き、ストップモーション、CG、AIを取り入れた作品が集結。
- 第一弾チケットは10月14日発売ディレクター・フォーカス部門とオールナイトのチケットを15時から販売。
第2回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル
2026年11月13日(金)~18日(水)愛知県名古屋市で開催
主催:あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル実行委員会
ジェネラル・プロデューサー:真木太郎
フェスティバル・ディレクター:井上伸一郎
アーティスティック・ディレクター:数土直志
企画・制作:株式会社ジェンコ
共催:愛知県・名古屋市
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画祭支援事業)
後援:日本アニメーション学会、株式会社中日新聞社、株式会社CBCテレビ、東海テレビ放送株式会社、名古屋テレビ放送株式会社、中京テレビ放送株式会社、テレビ愛知株式会社
協賛:LINE Digital Frontier株式会社、名古屋鉄道株式会社、ミサワホーム株式会社
特別協力:ASIFA-Hollywood
協力:愛知県立芸術大学、グローバル・アニメ・チャレンジ(GAC)、中日本興業株式会社、株式会社新東通信、BVコミュニケーションズ株式会社、株式会社B-Side Standard
会場:ミッドランドスクエア シネマ2、ウインクあいちほかを予定




