9月22日(水)より東京都写真美術館ホールにてムーブオーバー上映中の話題のフランス映画『スザンヌ、16歳』。東京都写真美術館ホールでは本作の公開を記念し、「心揺さぶる少女たちの記憶・傑作映画」として3作品の特集上映を開催。スペインの俊英カルラ・シモン監督による『悲しみに、こんにちは』、そして10月13日(水)〜15日(金)の限定3日間で、思春期映画の金字塔であり、本作の監督スザンヌ・ランドンも大いに影響を受けたというフランス映画の名作『なまいきシャルロット』が上映される。
特集上映の詳細な上映日、時間、休映日は劇場HPにて→https://topmuseum.jp/contents/exhibition/movie-4164.html
『スザンヌ、16歳』作品情報
2020年カンヌ国際映画祭。史上2度目の開催中止により新設された「オフィシャルセレクション」に、20歳の新人女性監督の作品が選定され、大きな話題を呼んだ。
その作品の脚本・監督そして主演を務めたのは超新鋭スザンヌ・ランドン。彼女が15歳の時に執筆したのは、パリ・モンマルトルを舞台に高校生が年の離れた大人の男性に恋をする、ひと夏の物語。当時、誰にも打ち明けられず、自身の内側に抱えていた思春期の憂うつな感情や恋愛への憧れを脚本へと昇華させた。この脚本を元に19歳で映画制作に着手。主演として複雑で不安定な少女の内面を体現し、監督としてその繊細さを瑞々しくスクリーンに映し出した。
この若き才能に惹きつけられ集結したのは、アルノー・ヴァロワ(『BPMビート・パー・ミニット』)やフレデリック・ピエロ(『おもかげ』)ほかコメディ・フランセーズの役者など実力派俳優たち。また音楽をヴィクトワール賞(フランス版グラミー)の最優秀アルバム賞を獲得した経験を持つ実力派シンガー・ソングライター、ヴァンサン・ドレルムが担当した。
ダンスを介した男女のやり取り、現代演劇の演出ほか、映画、文学、舞台、音楽といったあらゆるカルチャーの名作へのオマージュを盛り込みながら、新世代のやわらかくも鋭い感性で綴られた本作。時代を超え、年齢や性別を超えて誰の心にも通じる普遍性と斬新さをあわせ持つ、まったく新しいフランス映画だ。
《STORY》スザンヌは16歳。同年代の友人たちに退屈している。恋に憧れはあるけれど、学校の男の子たちが魅力的とは思えない。ある日彼女は、劇場の前で年の離れた舞台俳優のラファエルと出会う。彼もまた繰り返される舞台や仲間たちとの付き合いに退屈していた。そんな二人はすぐに恋に落ちる。けれどスザンヌは、彼に夢中になればなるほど、不安にもなりはじめる。自分が思い描いていた“16歳の時”が、どこかに消えていってしまいそうで…
2020年/フランス/77分/原題:16 Printemps(Seize Printemps)
【キャスト】スザンヌ・ランドン、アルノー・ヴァロワ(『BPMビート・パー・ミニット』)、フレデリック・ピエロ、フロランス・ヴィアラ、レベッカ・マルデール
【スタッフ】監督・脚本: スザンヌ・ランドン 編集:パスカル・シャヴァンス、音楽:ヴァンサン・ドレルム
配給:太秦、ノーム
HPアドレス:suzanne16.com
【『悲しみに、こんにちは』作品情報】
スペインの新星、女性監督カルラ・シモンが描くのは少女の特別な“ひと夏”。無邪気さと繊細さをあわせ持つ思春期前の少女の心の動きを、美しいカタルーニャの風景を舞台に、丁寧に描写した本作は、ベルリン国際映画祭、ゴヤ賞(スペインのアカデミー賞)などの新人賞を受賞。各国の映画祭でその名を轟かせ、2018年アカデミー賞のスペイン代表にも選出された。
《STORY》フリダは、荷物がダンボールに詰められるのを静かに見つめていた。その姿は、まるで母親が最後に残していった置物のようだ。母親を亡くし一人になった彼女は、バルセロナからカタルーニャの田舎へ引っ越し、若い叔父夫婦の元で暮らすことになる。叔父と叔母、そして幼いいとこのアナは、家族の一員としてフリダを温かく迎え入れるが、彼女が新しい家族に馴染むのにはとても時間がかかり…。
脚本・監督:カルラ・シモン
製作:バレリー・デルピエール
出演:ライア・アルティガス、パウラ・ロブレス、ブルーナ・クッシ、 ダビド・ヴェルダグエル、フェルミ・レイザック
撮影:サンディアゴ・ラカ 編集:ディダク・パロ、アナ・プファ
2017年/スペイン/カタルーニャ語/100分/英題:SUMMER1993/日本語字幕:手束紀子
配給:太秦、ノーム
©2015, SUMMER 1993
『悲しみに、こんにちは』公式ホームページ http://kana-shimi.com/
【『なまいきシャルロット』作品情報】
カーソン・マッカラーズの名作小説『結婚式のメンバー』にインスパイアされた思春期の少女を描いた青春ドラマ。本作がデビュー作となるシャルロット・ゲンズブールは、14歳という史上最年少でセザール賞の有望若手女優賞を受賞。思春期特有のコンプレックスや悩みを抱える13歳の少女を、等身大の瑞々しさで好演した。
《STORY》シャルロットは少し早熟な13歳。ここのところ学校や家での退屈な毎日に苛立っている。唯一の友だちは近所に住む幼いルルだけだった。そんなある日、自分と同じ歳の天才ピアニスト・クララが町にやってくる。シャルロットは彼女に魅力され夢中になっていく。
監督・脚本:クロード・ミレール
出演:シャルロット・ゲンズブール、ジャン=クロード・ブリアリ、ベルナデット・ラフォン、ジャン=フィリップ・エコフェ
L’EFFRONTEE/1985年 / フランス / 96分
© TF1 FILMS PRODUCTION – MONTHYON FILMS – FRANCE 2 CINEMA
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