フランス・イタリア合作アニメーション映画『シチリアを征服したクマ王国の物語』の⽇本語吹き替え版声優として、柄本佑、伊藤沙莉、リリー・フランキーの参加が決定した。またあわせて⽇本版予告編と、「グラフィック・ジュエル」ともいわれた美しい場⾯写真も解禁された。
本作は、イタリアのカフカと呼ばれるディーノ・ブッツァーティが⾃⾝で挿絵も⼿がけた幻想的な児童⽂学を、「ザ・ニューヨーカー」「COSMOPOLITAN」「ル・モンド」などで活躍するトップイラストレーター、ロレンツォ・マトッティが⾃⾝初の⻑編アニメーション映画として映像化した作品。彼の中に息づく絵画や映画に影響を受けたグラフィカルな表現でダイナミックに躍動させ、観客を物語の世界に引き込んでゆく。11 ⽉に開催された第 8 回新千歳空港国際アニメーション映画祭では⻑編部⾨のグランプリを獲得したことでも注⽬を浴びている。
とおいむかし、シチリアの古代の⼭奥でクマの王レオンスと息⼦トニオは平和に暮らしていた。ところがトニオが猟師に連れ去られたために、レオンスは息⼦を探し、仲間とともに雪⼭を下りて⼈間の街へ……。⼭々に囲まれたクマの⾥の牧歌的な⾵景は、サスペンスが加速するにつれ、⾊鮮やかに輝き出す。雪⼭を滑り降りるクマ軍団の躍動感。魔法使い、⼈喰いトロル、化け猫、古城の幽霊……。レオンスたちが⽴ち向かう冒険に胸踊らされ、溢れる詩情に酔わされる82分だ。
今回解禁となる予告編は、「遠い昔の物語」というナレーションから始まる。息⼦のトニオが⾏⽅不明となり、クマの王レオンスは仲間の助⾔を受けて⼈間の住む街を⽬指す。しかし衝突する⼈間とクマたち。⼈間を制圧したクマたちだったが、次第に⻭⾞は狂い始めて——。
原作のブッツァーティの「⼩さなキャラクターで⼤きな⾵景を描く」⼿法にインスパイアされ、クマや⼈間の⼤群を俯瞰的に描きつつも、ダイナミックな動きでアニメーションならではの楽しさを与えてくれる。また、国際的に⾼い評価を得るロレンツォ・マトッティ監督ならではの⾊彩の美しさを堪能できる予告編となっている。
⽇本公開に向けて、フランスに住むロレンツォ・マトッティ監督からメッセージも到着した。
「ジェデオンとアルメリーナは、伝統的な物語や古代の伝説を絵と音楽で語りながらシチリアを旅します。読み物ではなく、語り部に物語を語り継がせる口承文学は、日本だけでなくイタリア(ヨーロッパ)でも古くから行われています。そのため“アニメーションの国”で自分の作品が上映されるという感動に加えて、今回の配給をとても嬉しく思っています。日本の皆様には、私たちを結びつけるこの受け継がれた感性で、この映画のあらゆるニュアンスを把握していただけると確信しています」
さらに、本作の⽇本語吹き替え版がこのたび完成。実⼒派俳優として知られる柄本佑、伊藤沙莉、リリー・フランキーの参加が発表された。
柄本佑は、各地を旅する語り部ジェデオンと魔術師デ・アンブロジスの2役。伊藤沙莉はジェデオンの弟⼦のアルメリーナと、劇中王様の息⼦トニオと⾏動を共にする勇敢で聡明な⼥性アルメリーナ(同名)、⼈間に攫われる幼少期のトニオの3役。リリー・フランキーは語り部ジェデオンとアルメリーナが洞窟で出会う⽼クマを演じている。
また、野⼼家のクマのサルペトルに俳優の加藤⻁ノ介。クマの王様レオンスを声優界の⼤御所・堀内賢雄、その息⼦トニオの⻘年期を⼈気声優・寺島惇太が演じている。
柄本佑、伊藤沙莉、リリー・フランキーのコメントは下記の通り。
⽇本語吹替版キャストコメント
柄本佑
絵が可愛く、迫⼒もあって美しい映画でした。⾊彩もすごく楽しい。どのキャラクターもチャーミングです。語り部であるジェデオンと魔術師、ビジュアルも全然違う⼆⼈ですが、それぞれのビジュアルにあった、僕の声じゃないくらいの感じでやれたら楽しいかなと思っています。⽼若男⼥楽しんでいただける作品ですので、アート好きな⽅も、絵とか⾊彩を楽しんで︕お⼦さんは絶対に⾊とキャラクターの可愛さでハマっていただけると思います。
伊藤沙莉
語り部のアシスタントをやっているアルメリーナはすごく素直な屈託のない⼥の⼦。⼀⽅物語の中でのアルメリーナはちょっと違う⼥性なので、そのちょっとした差が出せたらいいなと思いながら演じました。映画を⾒させていただいたときに、私にお声がけいただいた理由がすごくわかる声だったので(笑)そこをちゃんと全うできたらいいなって思います。意外と可愛い世界観の中に、⼈間の愚かさのような、芯をつくものが伝わってくる映画です。⼤⼈にもじんわり伝わるし、⼦供にも感じられるものがあるんじゃないかなと思いますので、⽬でも⼼でも楽しんでください。
リリー・フランキー
普遍的なものを描きながら、⼈間社会に⼊った動物たちのしわ寄せと⾔いますか、⼈間が起こしてる⾊々な環境に対する問題もバランスよく描かれているので、素晴らしいお話だなと思いました。何度やってもアフレコは難しいというか嫌な汗が出ますよね。やる度に声優さんってすごいなっていつも思います。僕は実写よりも先に、⼀番最初にやったのが、海外ものの吹き替えのアフレコだったので、そう考えると僕は声優出⾝だったんだなということ
も思い出しながら、成⻑していない⾃分にも毎回気づきますよね。
『シチリアを征服したクマ王国の物語』は2022年1⽉14⽇(金)より新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開。
シチリアを征服したクマ王国の物語
2022年1月14日(金)新宿武蔵野館・アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショー
【STORY】
さてはてクマ達の運命やいかに。
とおいむかしのこと、いただきが氷でとざされた⾼い⼭に住むクマたちの王レオンスの息⼦トニオがハンター達によって捕えられてしまう。王は我が⼦を救出するべく、厳しい冬の飢えと寒さからクマ達を引き連れ、⼈間が住む平地を⽬指し⼭を降りていく。⾏く⼿に待ち受けるのは残忍な⼤公や、化け猫、⼈⾷い⻤。ゆうれいもいれば魔法使いもいる。突き進むレオンス王は戦いの末、その国の王として、クマと⼈間が共存する太平の世を迎えた。クマと⼈間の共存はやがて――。
監督・グラフィックデザイン:ロレンツォ・マトッティ 脚本:トマ・ビデガン、ジャン=リュック・フロマンタル、ロレンツォ・マトッティ 制作プロダクション:プリマ・リネア・プロダクションズ(『レッドタートル ある島の物語』)Pathé France 3 Cinéma Indigo Film with Rai Cinema アニメーション・スタジオ:3.0 studio
原作:ディーノ・ブッツァーティ『シチリアを征服したクマ王国の物語』(福音館書店 刊)
日本語字幕:井村 千瑞 提供:トムス・エンタテインメント、ミラクルヴォイス 後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
フランス・イタリア合作/2019年/カラー/82分/ビスタサイズ/5.1ch/フランス語/原題:LA FAMEUSE INVASION DES OURS EN SICILE
配給:ミラクルヴォイス
©2019 PRIMA LINEA PRODUCTIONS - PATHÉ FILMS - FRANCE 3 CINÉMA - INDIGO FILM
公式サイト:kuma-kingdom.com
この記事が気に入ったらフォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow WEEKEND CINEMA