伝説のジャズシンガー、ビリー・ホリデイとFBIの対決を描いた映画『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』が2月11日(金)より公開。このたびプラダとコラボした本作の衣装イラストと場面写真を組み合わせた特別画像が公開された。
地上にひとつしかないと称えられた歌声で肌の色や身分の違いを超えて当時の人々を魅了し、没後60年以上経っても、その強烈なカリスマ性が現代のアーティスト達に影響を与え続けているビリー・ホリデイ。そんな彼女は、長きに渡り執拗にFBIに追い続けられた。ターゲットとなった理由は、彼女の大ヒット曲で人種差別を告発する禁断の楽曲「奇妙な果実」を歌い続けたから。ビリーは披露したら逮捕すると脅されながらも、「この歌だけは捨てない」と真っ向からはねのけてステージに立ち続けた。
そんな彼女の短くも壮絶な人生をFBIとの対決に焦点を当てて描くのは、『大統領の執事の涙』のリー・ダニエルズ監督。長編二作目の『プレシャス』でアカデミー賞2部門受賞4部門ノミネートを果たし、社会派の深淵なテーマをエンターテイメントに昇華する手腕が称えられている。
主演には、グラミー賞ノミネート歌手のアンドラ・デイ。映画初出演ながら、そのズバ抜けた歌唱力で名曲の数々をビリーが憑依したかのように歌い上げ、彼女のパワフルかつ美しい生き様を体現した演技で観る者全ての胸を打ち、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)を受賞、アカデミー賞主演女優賞ノミネートも果たした。
今回解禁された場面写真とイラストでは、本作で特筆すべきポイントのひとつでもあるビリー・ホリデイの人生を写し取ったようなエレガントでソリッドな衣装の数々が確認できる。これらの衣装は、プラダとのコラボレーションによって誕生した。
監督のリー・ダニエルズは、当時のビリーの衣装そのままのレプリカではなく彼女の美意識の真髄を捉えたいと考え、個人的な付き合いのあったプラダのヘッド・デザイナーであるミウッチャ・プラダに依頼し、プラダとのコラボレーションを実現させた。
本作で衣装デザインを担当したのは『セックス・アンド・ザ・シティ』などで衣装デザイナーアシスタントを務め、リー・ダニエルズが製作したTVシリーズ「Empire 成功の代償」(15~19)では、エミー賞に4度もノミネートされたパオロ・ニードゥ。パオロは「私はプラダのアーカイブとホリデイの衣装を徹底的に調べ、デザインの説明書をまとめていった。最初は正確な再現にすべきだと考えていたが、『伝記ではなく芸術を作る』というテーマに決めたので、ヴィンテージ・ドレスやビリーが来ていた服そのままの表現にならないように、現代的にしてもらった」とこだわりの衣装デザインについて振り返る。
劇中で最初に登場するビリーが身に纏っている美しい衣装もプラダのドレスだ。これはプラダの2014年春夏コレクションに着想を得たもので、アイボリーのダブル・シルクサテン、スイートハート・ネックライン、貴重なクリスタルの刺繍が施されたコラム・ドレスだ。グラマラスで洗練されたアップの髪型の左側には、彼女がよく身につけていた白いクチナシが目立つように飾られ、耳から首まで垂れるイヤリングがキラキラと美しく輝いている。
他にもシックなブラックのプランジングネックドレスやバタフライスリーブにフレアのパンツスタイル、華やかなイエローやパープルのドレス、オープンカラーシャツにパンツのカジュアルなスタイルなど、劇中では合計55着ものビリーの衣装が登場している。
劇中での衣装の中で特に気に入っているものを聞かれたアンドラは「最後のシーンで“オール・オブ・ミー”を歌っている時に着ている紫色の衣裳が一番好き。プラダだけではなく、パオロ・ニードゥさんの仕事ぶりが素晴らしくて、細部にわたって素晴らしいものを作ってくれた」とパオロの仕事ぶりを称えながら答えている。
プラダとの完璧なコラボレーションによって誕生した、現代的な視点と1940~50年代のスタイルを融合させた衣装にも注目だ。
不世出の天才シンガーと合衆国の知られざる対決とその真実を明かす『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』は2月11日(金)新宿ピカデリー他全国公開。
Photo: Courtesy of Prada
Photo: Courtesy of Paolo Nieddu
ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ
2022年2月11日(金)新宿ピカデリー他全国公開
<STORY>
「ビリー・ホリデイを止めろ! 彼女の歌声が人々を惑わせる」。1940年代、人種差別の撤廃を求める人々が、国に立ち向かった公民権運動の黎明期。アメリカ合衆国政府から、反乱の芽を叩きつぶすよう命じられたFBIは、絶大なる人気を誇る黒人ジャズシンガー、ビリー・ホリデイにターゲットを絞る。大ヒット曲「奇妙な果実」が運動を扇動すると危険視し、黒人の捜査官ジミー・フレッチャーをおとり捜査に送りこんだのだ。だが、逆境に立てば立つほど、ビリーの圧巻のステージパフォーマンスは輝きを増し、肌の色や身分の違いを越えて全ての人を魅了する。やがてジミーも彼女に心酔し始めた頃、FBIが仕掛けた罠、そしてその先に待つ陰謀とは──?
監督:リー・ダニエルズ『大統領の執事の涙』『プレシャス』 脚本:スーザン=ロリ・パークス
原作:「麻薬と人間 100年の物語 薬物への認識を変える衝撃の真実」ヨハン・ハリ著(作品社) 音楽:クリス・バワーズ『リスペクト』
出演:アンドラ・デイ、トレヴァンテ・ローズ『ムーンライト』、ギャレット・ヘドランド『オン・ザ・ロード』
原題:THE UNITED STATES VS. BILLIE HOLIDAY/2021年/アメリカ/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/131分/字幕翻訳:風間綾平
配給:ギャガ
© 2021 BILLIE HOLIDAY FILMS, LLC.
公式ホームページ https://gaga.ne.jp/billie/
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