『イヴ・サンローラン』(14)で本国のみならず全世界で賞賛の声が上がった俊英ピエール・ニネが主演を務める『ブラックボックス:音声分析捜査』が全国公開中。このたび主演を務めたピエール・ニネのロングインタビュー映像が到着。音声分析官という知られざる職業のキャラクターにチャレンジするにあたって、こだわった役作りなどについて明かしている。
本作は全仏で大ヒットを記録した体感型サスペンススリラー。ヨーロピアン航空の最新型機がアルプスで墜落し、乗客・乗務員316人全員の死亡が確認される。謎の失踪を遂げた上司に代わり責任者として調査をまとめるよう任命されたマシューは、被害者の一人が夫に残した事故直前の留守電を聞いて、ブラックボックスの音と違うことに愕然とする。キャリアと命をかけて、マチューの危険な探求が始まる──。
主人公マチュー役には『イヴ・サンローラン』でセザール賞を受賞した、美しさと繊細な表現力が光るピエール・ニネ。監督は『パーフェクトマン 完全犯罪』のヤン・ゴズラン。フィクションかリアルか、加速するスリルの中、音声分析官が暴く航空機業界の知られざる闇とは──?
このたび解禁されたインタビュー映像には、劇中とはうってかわって髭をたくわえたワイルドな風貌のピエール・ニネが登場。本作では音声分析官という特殊なキャラクターを演じるため、本物の音声分析官とコンタクトを取り、マチューという架空のキャラクターにリアリティの肉付けを施していったという。「特殊な職業だから実際に会うのが最善の方法だと考えて若い音声分析官を探して会いにいった。マチューに近い経歴の分析官だ。一緒に過ごす時間をとり、話を聞き出した。事故前のパイロットの会話をどう分析するのか、またキーボードをたたく速さも興味深かった。彼に張り付いてすべてを知りたかったよ。映画では可能な限り忠実にその仕事を再現した」とかなりの熱の入れようだ。
またフランシス・F・コッポラ監督による『カンバセーション…盗聴…』(1974)にも刺激を受けたことを明かす。盗聴のプロが殺人事件に巻き込まれるミステリーだ。「録音テープを聴き続ける行為を理解したよ。登場人物の性格の描写も僕は興味深いと思った。何ごとにも細かいのと、ペンを並べるしぐさなんかもね」とかなりの参考作になったようだ。
さらにレオナルド・ディカプリオが実在の大富豪・飛行家を演じた『アビエイター』のタイトルも挙げ、「『アビエイター』のレオナルド・ディカプリオも強迫観念にとりつかれた演技が天才的だと思う。マチューはあれほどではなくても、近い性質なんじゃないかな」とこちらも役作りの参考にしたようだ。
そして、監督・脚本のヤン・ゴズランに寄せる全幅の信頼について語る。「とことん突き詰めて考えるし、要求が厳しくて期待が大きい。全力を尽くして粘り強く映画に取り組む監督だ。スリラーというジャンルにおける脚本の完成度や的確な語り口や無駄のない構成を感じる。冒頭の映像がすばらしい。巨大な飛行機と乗客400人が映し出される。映画らしい表現に監督の資質を感じる」と絶賛だ。
「子どもみたいだけど…模型が好きだ」と告白する現在32歳のニネは、飛行機のシミュレーターに乗る場面には大興奮したそうで「飛行機が切断された形なんだ。中にはパイロットがいて、ある場面を再現する。その巨大で高価な装置は本物みたいに揺れるんだ。監督が巧みに使ったから本当に飛行機の中に見える。舞台装置の裏側を見せるのは面白いよね。こんなスリラー映画を考え出して映画ならではの演出ができたのはすごいね」と作品の見所に挙げている。
『ブラックボックス:音声分析捜査』はTOHOシネマズ シャンテ他全国で公開中。
ブラックボックス:音声分析捜査
2022年1月21日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
ストーリー
ヨーロピアン航空の最新型機がアルプスで墜落! 乗客・乗務員316人全員の死亡が確認される。司法警察の立会いの下、航空事故調査局の音声分析官が、ボイスレコーダー、通称“ブラックボックス”を開く。いつもなら責任者のポロックに同行するのは、最も優秀なマチューだったが、天才的なあまり孤立していた彼は外されてしまう。だが、まもなくポロックが謎の失踪を遂げ、引き継いだマチューは「コックピットに男が侵入した」と記者会見で発表する。マチューの分析は高く評価され、責任者として調査をまとめるよう任命される。ところが、被害者の一人が夫に残した事故直前の留守電をきっかけに、さらなる陰謀を疑ったマチューはキャリアと命さえもかけて、危険な探求を始める─。
【 監督 】 ヤン・ゴズラン『パーフェクトマン 完全犯罪』
【 出演 】 ピエール・ニネ『イヴ・サンローラン』
ルー・ドゥ・ラージュ
アンドレ・デュソリエ
【 原題 】 BOÎTE NOIRE(英題 BLACK BOX)
【 本編尺 】 129 分
【 クレジット 】2021 年/フランス/シネスコ/DCP/字幕翻訳:橋本 裕充/映倫区分:G(一般)
【 フランス公開 】 2021 年 9 月 8 日
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ
© 2020 / WY Productions - 24 25 FILMS - STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINEMA - PANACHE Productions
公式サイト bb-movie.jp
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