2019年より開催されて以来、この世の映画好事家を驚かせる作品を次々と上映してきた「奇想天外映画祭」の4回目となる「奇想天外映画祭2022」が、新宿 K’s cinema にて9月17日(土)~10月7日(金)に開催。このたび、ビジュアル及び予告編が解禁された。また今回の目玉作品『リキッド・スカイ』に小島秀夫ら各界の識者より熱いコメントが到着した。
今回のラインナップは、まずジェーン・バーキン主演、ジョージ・ハリスン音楽『ワンダーウォール』(68)。イギリス時代最後の主演作となったバーキンはセリフ一切なし。ただ覗かれるだけの不可思議な役どころ。音楽はサントラ盤が最初のアルバム「不思議な壁」となったザ・ビートルズのジョージ・ハリスンが担当。インド・テイストのサウンドが全編に響き渡る。『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ』のジョー・マソットのサイケデリックなデビュー奇作。
また、本年が生誕 110 年となる「ジョルジュ・フランジュ」から2本。怪奇と幻想と恐怖に満ちたフランジュのホラー映画史に残る傑作『顔のない眼』(59)、テンプル騎士団の秘宝を狙って、“赤い仮面”の男が率いる仮面軍団とゾンビ軍団が共闘して挑む、フランジュのカラー作品にして遺作『赤い夜』(74)。
「ラテンアメリカ」から、ひたすらアナーキーな世界に邁進する主人公の情念とパワーが画面にほとばしり見るものを圧倒する“シネマ・ノーヴォ”の傑作、グラウベル・ローシャ『狂乱の大地』(67)、そして、メキシコ時代のブニュエル・ワールド満載の逸品、ルイス・ブニュエル『昇天峠』(75)。
そして、ノワール作品が2本。『死刑台のエレベーター』とマイルス・デイヴィス、『大運河』と MJQ などノワール+ジャズの流れで登場した、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズが音楽を担当したエドウアール・モリナロ『殺られる』(59)。クライマックスのカーチェイス・シーンは伝説になっているアンソニー・マン・ノワールの傑作『サイド・ストリート』(50)。
また、今年の7月に亡くなったイギリスの偉大な演出家であり映画監督ピーター・ブルックを追悼し、神秘思想家グルジェフの自伝を映画化した『注目すべき人々との出会い』(79)を特別上映する。
さらに昨年の好評を博したアンコール作品としては、デルフィーヌ・セイリグ主演、ハリー・クーメル監督『赤い唇』、ジョン・ウオーターズの初長編作『マルチプル・マニアックス』を上映。
今年の目玉作品はスラヴァ・ツッカーマン『リキッド・スカイ』。小さな宇宙船がニューヨークに着陸する。エイリアンたちは麻薬による陶酔を求めて、ヘロインからさらには人間のオーガニズム絶頂期に脳内で分泌される快楽物質を追い求めている。息をのむばかりの美と輝き。奇怪で気取ってそれでいてきらびやかな世界。痛快で“ぶっ飛んだ”『リキッド・スカイ』はカルトの枠を超えた唯一無二の作品として鮮やかに光り輝く。今回 40 周年記念として 4K レストアされた『リキッド・スカイ』デジタル・リマスター版で上映される。
今回解禁されたのは各界著名人からの『リキッド・スカイ』への熱いコメント。ゲームクリエイターの小島秀夫は「僕の脳内には今も「リキッド・スカイ」が残留し、発光している!令和の若者たちにも、サブスク映画時代には決して生まれえない真の“カルト作”に陶酔してみて欲しい」と寄せている。著名人からのコメント全文・一覧は以下の通り。
『リキッド・スカイ』への著名人コメント
まさか 4K リストア版の“あの空”が観られるなんて!80 年代ニューウェーブなビジュアル、ファッション、ネオンカラー、サウンド!当時は劇場公開に行けず、ビデオをレンタルしては何度もキメた。いやあ、効いた。好きだったわ。後に VHS を買ったくらい。40 年ぶりに吸引してみてわかった。僕の脳内には今も「リキッド・スカイ」が残留し、発光している!令和の若者たちにも、サブスク映画時代には決して生まれえない真の“カルト作”に陶酔してみて欲しい。
小島秀夫(ゲームクリエイター)
Sex, Drag and Electronic Music
その後何本もの映画/ドラマで共犯者となる同世代の映画監督との初仕事で、参考曲にリキッドスカイのサントラの“Noon”と“Jimmy’s Theme”があった。僕が喜んだのは言うまでもない。One of My Best 80s Films/Fim Musics.
上野耕路(作曲家)
僕は知らなかった。中性的な主人公、全編に無機質なリズムボックス、サイケデリックなネオンカラーに彩られたオーガズム、究極なまでにコンパクトに表現された Sex & Drug & Violence な SF カルトムービーを僕は知らなかった。2022 年の今、初めて見た「LIQUID SKY」。この映画が公開された 1982 年に、嫉妬してます!
MASASHI (作曲家、ギタリスト from CASCADE)
80s ニューヨークのヴィヴィッドなサウンド&ビジョン!
時代を超えた未知との遭遇に思わずレッツ・ダンスだ!
ジョニー志田(ラジオ DJ)
こういうイ・キ・カ・タがしたい
滝本誠(映画評論家)
奇想天外映画祭 2022
場所:新宿 K’s cinema 新宿区新宿 3 丁目 35−13 SHOWAKAN ビル3階
日時:2022 年 9 月 17 日(土)~10 月 7 日
提供:アダンソニア/主催:ブライトホース・フィルム
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