フランスの名匠パトリス・ルコント監督の最新作『メグレと若い女の死』がいよいよ今週末3月17日(金)より公開。このたび、事件の幕開けを予感させる冒頭映像が公開。また各界の著名人からの推奨コメント、タイアップ情報も解禁された。
パトリス・ルコント監督が8年ぶりに制作した最新作は、彼の出世作でもある『仕立て屋の恋』の原作者でもあるジョルジュ・シムノンの傑作ミステリー小説が原作。シムノンの代表作である「メグレ警視シリーズ」の中でも、深い余韻に包まれる読後感からファンにも人気の高い、1954年に発行された映画と同名の小説「メグレと若い女の死」を基にルコント節全開で描かれる。
「メグレ警視シリーズ」は世界中で数え切れないほど映像化されており、日本でも「東京メグレ警視シリーズ」として1978年にテレビ朝日系列で放送。そのときは愛川欽也がメグレを演じた。この度のルコント版で主人公メグレ警視役を務めるのは、フランスきっての名優ジェラール・ドパルデュー。身長180センチ、体重100キロという原作に忠実と言える大柄な体型を活かしつつ、重厚さと渋みを漂わせる名演が見どころだ。
このたび解禁となる冒頭映像は、若い女性がヴィンテージドレスショップを訪れ、高級ドレスを試着するシーン。事件の幕開けを予感させる場面に注目だ。女性は、どこかよそよそしく、緊張している様子で入店し、シルクのイブニングドレスを身に纏う。
上半身裸で胸を隠しながら、店員が背中のファスナーを上げ、腰に手を添えるシーンはどこか官能的で、ルコント監督らしさを感じられる。そして最後にアクセサリーを身に着けた彼女は笑顔を見せるが、悲しげにも見える。なぜ高級ドレスを必要としているのか、果たして彼女はどこへ向かおうとしているのか……。
また、公開に先駆けて本作を鑑賞した各著名人から推奨コメントが到着。メグレをモデルにした“目暮十三”が登場するアニメ「名探偵コナン」で劇場版の脚本を務め、小説「福家警部補の挨拶」を執筆するなど多方面で活躍している作家の大倉崇裕は「執念の捜査の中に垣間見える、悲哀、愛情、怒り。これぞ、メグレだ」とコメント。
パトリス・ルコントの小説『ショートカットの女たち』『リヴァ・ベラ』『いないも同然だった男』等の翻訳を手がけている、福岡大学名誉教授の桑原隆行は「ルコント健在なり。孤独の色に沈んだパリ、セーヌ河岸を歩くメグレとベティ、メグレ=ドパルデューの憂愁漂う後ろ姿、どれもが心に沁みます」と感想を寄せた。
また、今回の上映に併せてジョルジュ・シムノン特集を手掛けたミステリマガジン編集部の井戸本幹也は「ミステリ界の巨匠の作品を、映画界の巨匠が新しく生まれ変わらせた傑作」と本作を絶賛。
そして、1978年に放送された「東京メグレ警視シリーズ」でメグレを演じた愛川欽也の妻、タレントのうつみ宮土理は「愛川は『人間の心のやり取り』『情感』を描いている『メグレシリーズ』が大好きだった」と当時の思い出を振り返りながら、メグレ演じる愛川欽也について言及した。著名人コメント一覧・全文は記事下にて。
あわせて、行列ができる渋谷のフランス料理専門店「ブラッスリー・ヴィロン 渋谷店」とのタイアップが決定。本編中、禁煙によって健康が回復したメグレに対し、医師がお祝いに「鴨料理をごちそうするよ」と言い、メグレを連れて外出するシーンにちなみ、メグレたちが食したであろう「鴨料理」をイメージしたスペシャルメニューを3/17(金)の公開日より提供する。映画の上映と合わせて、メグレの世界観を堪能してみよう。
『メグレと若い女の死』は3月17日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。
著名人推奨コメント(敬称略/順不同)
うつみ宮土理(タレント)
愛川は「人間の心のやり取り」「情感」を描いている「メグレシリーズ」が大好きだった。
中折れハットを被り、薄い色のサングラス、口髭をつけると、愛川は知的で温かいメグレ警視に変身した。
愛川も観たかったでしょうね。
大倉崇裕(作家)
画の中心にはいつもメグレがいる。殺された若い女は誰なのか。彼女を殺したのは誰なのか。
執念の捜査の中に垣間見える、悲哀、愛情、怒り。これぞ、メグレだ。
桑原隆行(福岡大学名誉教授)
簡潔と余情、台詞の妙、小道具(パイプ)と遊び心が心憎い演出。
ルコント健在なり。孤独の色に沈んだパリ、セーヌ河岸を歩くメグレとベティ、メグレ=ドパルデューの憂愁漂う後ろ姿、どれもが心に沁みます。「気に入った?」「ああ」「よかった」時にはメグレのように映画館に!
井戸本幹也(ミステリマガジン編集部)
メグレは事件の謎だけではなく、人の心も解き明かす。
ミステリ界の巨匠の作品を、映画界の巨匠が新しく生まれ変わらせた傑作。
メグレと若い女の死
2023年3月17日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
STORY
1953年のパリ。ある日モンマルトルのヴァンティミーユ広場で、シルクのイブニングドレスを着た若い女性の刺殺体が発見される。血で真っ赤に染まったドレスには5か所もの執拗な刺し傷。この事件の捜査を依頼されたメグレ警視は、死体を見ただけで複雑な事件になる予感がするのだった……。死体のそばに持ち物類は何もなく、事件を目撃した人もいない。彼女が誰なのか、どんな女性だったのかを知る人もいない。そんな状況で、靴や下着など若い女性が身につけていた他のものとは明らかに不釣り合いな高級なドレスが彼女を特定する唯一の手がかりに。メグレ警視は捜査を進めていくうちに、身元不明の彼女がどうして殺されなくてはいけなかったのか、彼女はどんな人生を送ってきたのかを探っていく。この事件に異常にのめり込んでいくメグレ警視。何が彼をこれほどまでに駆り立てるのか……。
原作:ジョルジュ・シムノン「メグレと若い女の死」
監督:パトリス・ルコント「暮れ逢い」「髪結いの亭主」「仕立て屋の恋」
脚本:パトリス・ルコント、ジェローム・トネール「暮れ逢い」「ぼくの大切なともだち」「親密すぎるうちあけ話」
撮影:イヴ・アンジェロ「伴走者」「再会の夏」
音楽:ブリュノ・クーレ「エヴァ」「ソング・オブ・シー 海のうた」
出演:ジェラール・ドパルデュー「シラノ・ド・ベルジュラック」、ジャド・ラベスト、メラニー・ベルニエ「タイピスト」、オーロール・クレマン「パリ、テキサス」、アンドレ・ウィルム「ともしび」
2022年/フランス/ 89分/カラー/シネスコ/5.1ch/原題:Maigret/日本語字幕:手塚雅美
配給:アンプラグド
©2021 CINÉ-@ F COMME FILM SND SCOPE PICTURES.
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